知ってた?「じゃじゃ馬億万長者」の面白うんちく集!驚異的視聴率からテーマ曲の快挙、人気声優まで徹底解説

知ってた?「じゃじゃ馬億万長者」の面白うんちく集!驚異的視聴率からテーマ曲の快挙、人気声優まで徹底解説

「じゃじゃ馬億万長者」の概要

『じゃじゃ馬億万長者』(原題: The Beverly Hillbillies)は、1962年から1971年にかけてアメリカCBSで放送された、テレビ史を代表するシチュエーション・コメディ(シットコム)の一つです。

物語は、山奥で暮らしていた貧しいクランペット一家が、偶然にも自分たちの土地から石油を掘り当て、一夜にして億万長者となり、カリフォルニア州の超高級住宅街ビバリーヒルズへ引っ越すところから始まります。

田舎の素朴(あるいは野蛮)な生活習慣と、ビバリーヒルズの洗練された(あるいは気取った)上流社会の常識が衝突することで巻き起こるドタバタ劇が、当時のアメリカで爆発的な人気を博しました。

日本でも1960年代に放送され、お茶の間の人気番組となりました。

「じゃじゃ馬億万長者」の面白うんちく

うんちく1: アメリカのテレビ史に残る「お化け番組」

『じゃじゃ馬億万長者』の人気は、現代の感覚では想像を絶するものでした。

放送開始からわずか3週間で視聴率ランキングの1位を獲得。

放送第1シーズン(1962-63年)と第2シーズン(1963-64年)は、2年連続で年間平均視聴率ランキングの全米1位という金字塔を打ち立てています。

特に第2シーズンの平均視聴率は39.1%という驚異的な数字を記録しており、これはアメリカのテレビ史におけるシットコムの最高記録の一つとして今も語り継がれています。

一方で、その分かりやすすぎる「田舎者VS都会人」というギャグは、当時の批評家たちからは「低俗だ」「くだらない」と酷評されていました。

しかし、大衆は批評をものともせず、この番組を熱狂的に支持しました。

うんちく2: ブルーグラス初の全米No.1ヒットソング

この番組を象徴するのが、一度聴いたら忘れられない陽気なオープニングテーマ「ビバリー・ヒルビリーズのバラード(The Ballad of Jed Clampett)」です。

この曲を演奏したのは、ブルーグラス界の伝説的デュオであるレスター・フラット&アール・スクラッグス(ギターとバンジョーの名手)です。

1962年にシングルとしてリリースされたこの曲は、なんとBillboardのカントリー・シングル・チャートで3週連続1位を獲得。

これは、ブルーグラスという音楽ジャンルの楽曲として、史上初めてカントリーチャートで1位を獲得した歴史的な快挙でした。

うんちく3: 原題に隠された「韻」と皮肉

原題の The Beverly Hillbillies には、巧みな言葉遊びが隠されています。

Hillbilly(ヒルビリー)” とは、元々アパラチア山脈周辺の貧しい白人層を指す言葉で、「田舎者」「山猿」といったやや侮蔑的なニュアンスを含む俗語です。

これを、アメリカで最もリッチな高級住宅街 “Beverly Hills(ビバリーヒルズ)” と組み合わせることで、「ビバリーヒルズの田舎者」という作品内容を完璧に表現すると同時に、リズミカルな「韻」を踏んだ、非常に秀逸なタイトルになっています。

うんちく4: 日本のお茶の間を沸かせた「名吹き替え」

日本でも1962年(昭和37年)から日本テレビ系列で放送され、大人気となりました。

その人気を決定づけたのが、卓越した吹き替え声優陣です。

特に日本テレビ版では、一家の大黒柱である主人公ジェド・クランペットの声を、名喜劇役者であり「熊じい」の愛称で親しまれた森川信が担当。

彼のユーモラスで温かみのある声は、日本版ジェドのキャラクターを確立し、お茶の間の人気者となりました。

また、後にフジテレビで放送されたバージョンでは、甥のジェスロ役を『サザエさん』の波平役などで知られる名優・青野武が担当するなど、豪華な声優陣が作品を支えました。

うんちく5: 『グリーン・エーカーズ』と繋がる世界観

本作の制作者であるポール・ヘニングは、同じく田舎をテーマにしたシットコム『ペチコート・ジャンクション』(Petticoat Junction)と、そのスピンオフである『グリーン・エーカーズ』(Green Acres)も手掛けています。

これら3作品は、制作会社やテーマ(田舎と都会のギャップ)が共通しているだけでなく、同じ世界観を共有しています。

『ペチコート・ジャンクション』や『グリーン・エーカーズ』の舞台である田舎町「フーダーヴィル(Hooterville)」の雑貨店店主サム・ドラッカーをはじめ、複数の登場人物が3番組間を相互にゲスト出演(クロスオーバー)しており、一種の「ヘニング・ユニバース」を形成していました。

参考動画

「じゃじゃ馬億万長者」のまとめ

『じゃじゃ馬億万長者』は、批評家からの酷評を圧倒的な視聴率で跳ね返し、9シーズンにもわたって放送された伝説的なシットコムです。

その成功は、アメリカ社会が持つ「都会と田舎」のギャップという普遍的なテーマを、徹底的に明るいコメディに昇華させた点にあります。

また、テーマソングが音楽史に残るヒットを記録し、日本でも名吹き替えによって愛された事実は、この作品が単なるテレビ番組を超えた文化的アイコンであったことを示しています。

現代の日本でも、そのテーマ曲が『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』のBGMとして多用されており、世代を超えてその陽気なメロディは受け継がれています。

関連トピック

シットコム (Situation Comedy): 本作が属するコメディドラマのジャンルです。特定の場面設定(シチュエーション)の中で、登場人物が繰り広げる会話や行動で笑わせる形式のドラマを指します。

ブルーグラス (Bluegrass): テーマソングで使われたアメリカのカントリー・ミュージックの一ジャンルです。バンジョー、フィドル、マンドリンなどのアコースティック楽器によるスピーディーな演奏が特徴です。

クロスオーバー (Crossover): 複数の異なる作品が同じ世界観を共有し、登場人物や設定が行き来することです。本作と『グリーン・エーカーズ』などの関係がこれにあたります。

ヒルビリー (Hillbilly): アメリカの山岳地帯(特にアパラチアやオザーク)の住民を指す言葉で、しばしば「無学な田舎者」というステレオタイプなイメージを伴います。

関連資料

映画版『ビバリー・ヒルビリーズ/じゃじゃ馬億万長者』(1993年): テレビシリーズをリメイクした劇場版作品です。

『グリーン・エーカーズ』『ペチコート・ジャンクション』: 世界観を共有する関連作品です。都会から田舎へ引っ越す『グリーン・エーカーズ』は、本作と逆の設定が楽しまれました。

『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』 (テレビ東京): 日本で現在、本作のテーマ曲「ビバリー・ヒルビリーズのバラード」が番組のBGMとして効果的に使用されています。

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