YouTubeで見る「地上最強の美女バイオニック・ジェミー」!70年代SFアクションの女王を徹底解説
「バイオニック・ジェミー」の概要
『地上最強の美女バイオニック・ジェミー』(原題: The Bionic Woman)は、1970年代後半にアメリカで制作・放送され、世界的な人気を博したSFアクション・テレビドラマシリーズです。
元々は人気ドラマ『600万ドルの男』にゲストキャラクターとして登場したジェミー・ソマーズがあまりの人気を得たため、スピンオフ作品として制作されました。
物語は、プロテニスプレイヤーのジェミー・ソマーズがスカイダイビング中の事故で瀕死の重傷を負い、婚約者であるスティーブ・オースティン(『600万ドルの男』の主人公)と同じく、政府の秘密組織OSI(Office of Scientific Intelligence)によってサイボーグ技術「バイオニック」を用いた手術を受け、驚異的な能力を持つ「バイオニック・ウーマン」として生まれ変わるところから始まります。
一命を取り留めた代償として、彼女はOSIのエージェントとなり、教師としての日常生活を送りながら、その特殊能力を駆使して様々な危険な任務に挑んでいきます。
「バイオニック・ジェミー」印象的なオープニング
(※ジェリー・フィールディング作曲による有名なテーマ曲が流れるオープニング)
作品詳細(放送時期・バイオニック能力)
本作は、アメリカで1976年1月から1978年5月まで、ABCネットワーク(シーズン1-2)とNBCネットワーク(シーズン3)で合計3シーズン、全58話が放送されました。
制作はユニバーサル・テレビジョン。
『600万ドルの男』と同様に、マーティン・ケイディンの小説『サイボーグ』が原作(原案)とされています。
ジェミーに施されたバイオニック手術の内容は以下の通りです。
- 右腕: 驚異的な怪力を発揮する。物を握り潰したり、分厚い壁を破壊したりできる。
- 両脚: 時速60マイル(約97km)以上で走ることができ、高層ビルから飛び降りても無事に着地できる。
- 右耳: 超人的な聴力を持ち、遠くの微かな音や特定の周波数の音を聞き取ることができる。
『600万ドルの男』のスティーブが主にダイレクトなアクションで任務を遂行するのに対し、ジェミーは教師という表の顔を持ち、潜入捜査や諜報活動を得意としました。
また、女性ならではの視点や感情が描かれることも多く、単なるアクションドラマにとどまらない深みを持っていました。
日本では1977年から日本テレビ系で放送され、リンゼイ・ワグナーの魅力と、SF的な設定、華麗なアクションで高い人気を得ました。
「バイオニック・ジェミー」の主要キャスト
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ジェミー・ソマーズ (Jaime Sommers): リンゼイ・ワグナー (Lindsay Wagner)
本作の主人公。元テニスプレイヤーで、事故後にバイオニック手術を受けたOSIのエージェント。普段は空軍基地内の学校で教師をしている。
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オスカー・ゴールドマン (Oscar Goldman): リチャード・アンダーソン (Richard Anderson)
OSIの部長で、ジェミーとスティーブの上司。『600万ドルの男』にも同役でレギュラー出演。
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ルディ・ウェルズ博士 (Dr. Rudy Wells): マーティン・E・ブルックス (Martin E. Brooks)
バイオニック手術を執刀したOSIの主任医師。『600万ドルの男』にも登場(当初は別の俳優が演じた)。ジェミーの健康管理も担当する。
キャストの他の代表作品名
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リンゼイ・ワグナー:
- 『ペーパーチェイス (The Paper Chase)』(映画)
- 『ナイトホークス (Nighthawks)』(映画)
- 『愛と疑惑の果て/第二の銃弾 (Ricochet)』(映画)
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リチャード・アンダーソン:
- 『600万ドルの男 (The Six Million Dollar Man)』(テレビドラマ、オスカー・ゴールドマン役)
- 『禁断の惑星 (Forbidden Planet)』(映画)
- 『突撃 (Paths of Glory)』(映画)
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マーティン・E・ブルックス:
- 『ダラス (Dallas)』(テレビドラマ)
- 『動く標的 (Harper)』(映画)
「バイオニック・ジェミー」の社会的評価と影響(まとめ)
『地上最強の美女バイオニック・ジェミー』は、1970年代のテレビ界において、SFアクションとヒューマンドラマを融合させた画期的な作品でした。
特に、リンゼイ・ワグナー演じるジェミー・ソマーズは、「強くて美しい女性ヒーロー」の象徴として絶大な支持を集め、当時のフェミニズム運動とも相まって、多くの女性視聴者に勇気と憧れを与えました。
ワグナーはこの役で1977年にエミー賞のドラマシリーズ部門主演女優賞を受賞し、名実ともにトップスターの地位を確立しました。
バイオニック能力を駆使したアクションシーン(特にスローモーションで走る描写が有名)は視覚的にもインパクトが大きく、子供たちの間でも「バイオニックごっこ」が流行しました。
『600万ドルの男』と共に「バイオニック・ブーム」を巻き起こし、その後のSFXを用いたテレビドラマや、強い女性キャラクターが登場する作品に大きな影響を与えました。
放送終了後も、数度にわたり『600万ドルの男』とのクロスオーバーによるテレビスペシャル(『バイオニック・ジェミー・スペシャル/蘇った地上最強の美女』など)が制作されるなど、根強い人気を誇るシリーズです。
「バイオニック・ジェミー」関連商品
伝説のヒロインに再び会える!
DVD
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『地上最強の美女!バイオニック・ジェミー』の全シーズンを収録したコンプリートDVD-BOXが、NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンから発売されています。
フィギュア / 人形
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放送当時にケナー社などから、リンゼイ・ワグナーをモデルにしたアクションフィギュアやファッションドールが多数発売され、人気を博しました。現在でもコレクターズアイテムとして取引されています。
書籍
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原作のアイデア元となったマーティン・ケイディンの小説『サイボーグ』や、当時の番組に関連したノベライズ(主に洋書)が存在します。
リブート版
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2007年に設定を現代に移して制作されたリブート版テレビドラマ『バイオニック・ウーマン (Bionic Woman)』のDVDも存在します(ただし、こちらは1シーズンで打ち切り)。