【完全解説】ボバ・フェット/The Book of Boba Fett:伝説の帰還とマンダロリアンとの意外な関係、賛否両論の真実に迫る
概要
『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』での初登場以来、わずかな出演時間ながら圧倒的な存在感でカルト的な人気を誇ったボバ・フェット。
『エピソード6/ジェダイの帰還』でサルラックの穴に落ちて死亡したと思われていた彼が、まさかの生還を果たし、自らの新たな伝説を築く物語、それが『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』です。
本作は、『マンダロリアン』シーズン2で衝撃の復活を遂げたボバが、かつてジャバ・ザ・ハットが支配していた犯罪帝国を乗っ取り、タトゥイーンの新たな支配者「大名(Daimyo)」として君臨しようとする姿を描きます。
しかし、単なる「悪党の成り上がり物語」ではありません。
過去のトラウマとの決別、タスケン・レイダーとの知られざる絆、そして『マンダロリアン』のディン・ジャリンやグローグーとの深い関わりなど、スター・ウォーズ・サーガの重要なミッシングリンクを埋める作品となっています。
なぜ彼は「冷酷な賞金稼ぎ」を辞めたのか? 話題となった「第5話以降の衝撃展開」とは?
この記事では、あらすじから考察、トリビアまで、本作の全てを徹底解説します。
オープニング
詳細(徹底解説)
あらすじと世界観:二つのタイムラインが織りなす再生の物語
本作の構成は非常にユニークで、「現在」と「過去(回想)」の二つの時間軸が交互に語られます。
- 過去パート(サルラックからの生還と再生):
酸の海であるサルラックの体内から奇跡的に脱出したボバ・フェット。
装備を奪われ、砂漠で死にかけていた彼を救ったのは、タトゥイーンの先住民族タスケン・レイダーでした。
当初は奴隷として扱われますが、ボバは彼らの文化や武術を学び、次第に部族の一員として認められていきます。
「孤独な賞金稼ぎ」だった彼が、初めて「家族」や「群れ」の強さを知る、本作の魂とも言えるパートです。 - 現在パート(モス・エスパの覇権争い):
フェネック・シャンドを右腕に、ジャバの宮殿を掌握したボバ。
彼は恐怖ではなく「尊敬」による統治を目指しますが、その道のりは険しいものでした。
謎の暗殺者集団、ハット族の双子、そして裏で糸を引く巨大犯罪組織「パイク・シンジケート」。
タトゥイーンの利権を巡る抗争は、やがて街全体を巻き込む戦争へと発展していきます。
特筆すべき見どころ:マンダロリアン「シーズン2.5」としての重要性
本作を語る上で避けて通れないのが、第5話から第7話の展開です。
なんと、主人公であるボバ・フェットが一時的に姿を消し、物語の主軸が『マンダロリアン』のディン・ジャリン(マンドー)へと完全に切り替わります。
- マンドーとグローグーのその後:シーズン2のラストで別れた二人の「その後」が、本作の中でガッツリと描かれます。
- ルーク・スカイウォーカーとアソーカの共演:ジェダイ・マスターとなったルークがグローグーを指導するシーンや、アソーカ・タノとの会話など、ファン垂涎のシーンが連続します。
このため、本作は実質的に「マンダロリアン シーズン2.5」と呼ぶべき内容になっており、『マンダロリアン』ファンにとっても必見(というか見ないと話が繋がらない)の作品です。
制作秘話・トリビア:ボバ俳優のこだわりと「大名」
- マオリ文化の反映:
ボバ役のテムエラ・モリソンはニュージーランドのマオリの血を引いており、彼自身の提案で、劇中のボバの戦闘スタイル(ガダッフィ・スティック術など)にマオリの武術「カパ・ハカ」の動きが取り入れられています。 - タイトルの「大名」:
劇中、ボバは自らの地位を「Daimyo(大名)」と名乗ります。これはジョージ・ルーカスが黒澤明監督の時代劇(特に『隠し砦の三悪人』や『用心棒』)から多大な影響を受けたことへの、制作陣からの直球のリスペクトです。 - キャド・ベインの実写化:
アニメ『クローン・ウォーズ』で絶大な人気を誇る冷酷な賞金稼ぎキャド・ベインが、満を持して実写デビューを果たしました。青い肌、赤い目、不気味な声色まで完璧に再現され、ボバとの因縁の対決が描かれます。
キャストとキャラクター紹介
ボバ・フェット(演:テムエラ・モリソン/吹替:金田明夫)
伝説の賞金稼ぎジャンゴ・フェットのクローンであり、息子として育てられた男。
かつては銀河一の賞金稼ぎとして恐れられましたが、死の淵から生還し、タスケンとの生活を経て価値観が一変。「雇われる側」から「守る側(リーダー)」になることを決意します。
演じるテムエラ・モリソンは『エピソード2』でジャンゴ役も演じており、20年の時を経て息子ボバとして帰還しました。その渋みのある演技とアクションは圧巻です。
フェネック・シャンド(演:ミンナ・ウェン/吹替:花藤蓮)
ボバの右腕となる凄腕のマスター・アサシン。
『マンダロリアン』で瀕死の重傷を負ったところをボバにサイボーグ化手術で救われ、彼に借りを返すために行動を共にします。
「尊敬による統治」を目指すボバに対し、現実的で冷徹なアドバイスをする知恵袋的な存在。アクションのキレはボバ以上かもしれません。
ディン・ジャリン / マンダロリアン(演:ペドロ・パスカル/吹替:阪口周平)
ご存知『マンダロリアン』の主人公。
ボバからの要請を受け、助っ人としてタトゥイーンの抗争に参加します。
ダークセーバーの扱いに苦戦したり、グローグーへの未練を断ち切れなかったりと、相変わらず人間臭い苦悩を見せます。彼が登場すると画面の空気が一気に変わるのは流石の一言。
ブラック・クルルサンタン(演:キャリー・ジョーンズ)
原作コミックファンにはお馴染みの、ウーキー族の賞金稼ぎ。
チューバッカと同じ種族ですが、黒い毛並みと凶暴な性格が特徴です。
当初は敵として登場しますが、ボバに雇われ、頼もしい用心棒として大暴れします。
キャストの代表作品と経歴
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テムエラ・モリソン(ボバ・フェット役):
ニュージーランド出身。スター・ウォーズ・プリクエル・トリロジーでのジャンゴ・フェット役およびクローン・トルーパー役で世界的に有名です。
DC映画『アクアマン』では主人公の父親役を演じるなど、温かみのある父親像も得意としています。 -
ミンナ・ウェン(フェネック・シャンド役):
ディズニーアニメ『ムーラン』の主人公ムーランの声優であり、マーベルドラマ『エージェント・オブ・シールド』のメリンダ・メイ役でも知られる「ディズニー・レジェンド」。
50代後半とは思えない驚異的な若々しさとアクション能力を持っています。
まとめ(社会的評価と影響)
本作の評価は、ファンの中でも真っ二つに割れました。
「ボバ・フェットが優しすぎる」「ヘルメットを脱ぎすぎ」「後半が完全にマンダロリアン」といった批判的な声があった一方で、「タスケン・レイダーの文化を深掘りした点はSFドラマとして最高傑作」「テムエラ・モリソンの復帰が嬉しい」という称賛の声も多数上がりました。
Rotten Tomatoesの批評家スコアは概ね好評ですが、視聴者スコアは賛否両論です。
しかし、本作が『マンダロリアン』シリーズ全体の世界観を拡張し、タトゥイーンという惑星の解像度を上げたことは間違いありません。
特に最終話の市街戦で見せた「ランコアに乗って戦うボバ」の姿は、往年の怪獣映画ファンをも唸らせる名シーンとして語り継がれています。
作品関連商品
- フィギュア:S.H.Figuarts ボバ・フェット(STAR WARS: The Book of Boba Fett)(劇中のやや恰幅の良くなった体型や、再塗装されたアーマーの質感がリアルに再現されています)
- LEGO:レゴ スター・ウォーズ ボバ・フェットの宇宙船 75312(かつてスレーブIと呼ばれた愛機。コンパクトながらギミック満載で人気です)
- 書籍:スター・ウォーズ アート・オブ・マンダロリアン&ボバ・フェット(仮)(コンセプトアート集。タスケンの衣装デザインやモス・エスパの街並みの設定画は資料的価値が高いです)

