【保存版】『逃亡者』第14話「リトル・エジプトの女」完全解説！シリーズ最大の謎「片腕の男」との遭遇を描く重要回

「逃亡者」第14話「リトル・エジプトの女」の概要

1963年から放送され、世界中で大ヒットした伝説のテレビドラマ『逃亡者（The Fugitive）』。

その中でも第14話「リトル・エジプトの女（原題：The Girl from Little Egypt）」は、シリーズ全体の根幹に関わる最も重要なエピソードの一つとして知られています。

通常のエピソードとは異なり、主人公リチャード・キンブルがなぜ妻殺しの濡れ衣を着せられ、逃亡生活を送ることになったのか、その「運命の日」の出来事が詳細なフラッシュバックによって描かれます。

現在のタイムラインでのサスペンスと、過去の悲劇が交錯する構成は、視聴者にキンブルの無実と孤独を改めて強く印象付ける内容となっています。

本記事では、この記念碑的なエピソードのあらすじ、キャスト、そしてドラマ史に残る見どころを徹底的に解説します。

物語は、逃亡中のリチャード・キンブル（デビッド・ジャンセン）が、サンフランシスコで「ジョージ・ブラウニング」という偽名を使い、客室乗務員のルース・ノートン（パメラ・ティフィン）と親しくなるところから始まります。

ルースは妻子ある男性との不倫関係に疲れ、精神的に不安定な状態にあり、そんな彼女をキンブルは優しく気遣いますが、ある夜、彼女が運転する車で事故が起き、キンブルは頭部を負傷して病院へ運ばれてしまいます。

意識が混濁する中、キンブルはうわごとで亡き妻「ヘレン」の名前を呼び、ここから物語は視聴者が待ち望んでいた「過去の真実」へと遡ります。

回想シーンでは、インディアナ州スタッフォードでの平和な医師としての生活、妻ヘレン（ダイアン・ブースター）との養子縁組を巡る激しい口論、そして頭を冷やすために家を飛び出した夜の出来事が描かれます。

そして、帰宅途中の車のヘッドライトが、現場から走り去る「片腕の男（フレッド・ジョンソン）」を照らし出す瞬間、このドラマのすべての悲劇が幕を開けるのです。

その後、妻の遺体発見、身に覚えのない逮捕、状況証拠による有罪判決、そして死刑執行地へ向かう列車が脱線し、彼が「逃亡者」となるまでの経緯が克明に描かれます。

現在に戻り、病院で意識を取り戻したキンブルは、身元が発覚する前に病院を抜け出さなければなりませんが、ルースとの関係やジェラード警部の影が彼を追い詰めます。

このエピソードは、単なる逃亡劇ではなく、キンブルという人間の尊厳と、彼を突き動かす執念の源流を確認するための重要な物語です。

第14話「リトル・エジプトの女」は、単発のエピソードとして楽しめるだけでなく、『逃亡者』という作品世界を深く理解するために不可欠な「オリジン・ストーリー（起源の物語）」です。

特に、真犯人である「片腕の男」が初めて明確な姿で画面に登場し、キンブルと視聴者がその存在を共有した瞬間は、テレビドラマ史に残る名シーンと言えるでしょう。

また、ゲスト女優パメラ・ティフィンの美しくも儚い演技と、デビッド・ジャンセンの苦悩に満ちた表情の対比も素晴らしく、サスペンスとヒューマンドラマが見事に融合しています。

この回を見ることで、なぜキンブルが逃げ続けるのか、そして彼が何を求めて戦っているのかというテーマがより鮮明になり、以降の視聴体験がより味わい深いものになるはずです。

もしこれから『逃亡者』を見ようと思っている方、あるいは途中のエピソードしか見たことがない方は、ぜひこの第14話をチェックして、物語の原点に触れてみてください。

デビッド・ジャンセン：主人公リチャード・キンブルを演じ、その哀愁漂う演技でゴールデングローブ賞を受賞した名優。

片腕の男（フレッド・ジョンソン）：ビル・ライシュが演じた真犯人で、神出鬼没の存在としてキンブルとジェラード警部を翻弄し続ける重要キャラクター。

フィリップ・ジェラード警部：バリー・モースが演じた、法と秩序を絶対視し、執拗にキンブルを追い続ける冷徹な追跡者。

最終回「裁きの日」：全米視聴率72%という驚異的な記録を打ち立てた、テレビドラマ史上最も有名なフィナーレの一つ。

逃亡者 DVD-BOX：1963年版のオリジナルシリーズを収録したDVDボックスで、日本語吹き替え版も収録されているものが人気です。

The Fugitive: A Guide to the Show：ドラマの製作背景や全エピソードガイドが掲載されたファン必携の関連書籍（洋書）。

映画『逃亡者』（1993年）：ハリソン・フォードとトミー・リー・ジョーンズが主演したリメイク映画で、オリジナル版へのオマージュが随所に散りばめられています。