『グリーン・ホーネット』第11話「人間狩り」徹底解説!富豪の道楽でヒーローが標的に?戦慄のサバイバルゲームとブラック・ビューティーの真価
第11話「人間狩り」の概要
1966年に放送されたテレビドラマ『グリーン・ホーネット』の中でも、第11話「人間狩り(原題:The Hunters and the Hunted)」は、シリーズ屈指のサスペンスフルな展開で知られる名作エピソードです。
この回では、通常の「犯罪組織への潜入と壊滅」というフォーマットを離れ、主人公ブリット・リード(グリーン・ホーネット)とカトーが、狂気的な狩猟本能を持つ富豪たちから「獲物」として命を狙われるという、緊迫した逃走劇が描かれます。
リチャード・コネルの有名な短編小説『もっとも危険なゲーム(The Most Dangerous Game)』を彷彿とさせるこのプロットは、コミカルな『バットマン』とは一線を画す、本作ならではのハードボイルドでシリアスな世界観を象徴しています。
本記事では、ヒーローが逆境に立たされるスリル、愛車ブラック・ビューティー号の活躍、そして現代にも通じる「特権階級の闇」を描いたこのエピソードの魅力を徹底解説します。
第11話の詳細と見どころ解説
エピソードのあらすじ:退屈した富豪たちの異常な遊戯
物語の敵役は、会員制の高級ハンティング・クラブに所属する富豪たちです。
ライオンや虎といった猛獣狩りに飽き足らなくなった彼らは、より知的で手強い獲物、すなわち「人間」を狩ることにスリルを見出していました。
彼らの次なるターゲットとして選ばれたのが、警察から指名手配されている仮面の男「グリーン・ホーネット」でした。
彼らは巧妙な罠を仕掛けます。まず、ギャングのボスを殺害し、その罪をグリーン・ホーネットになすりつけることで、彼をおびき寄せます。
無実の罪を晴らすために現場へ現れたホーネットとカトーですが、そこには高精度のライフルと、殺人を楽しむハンターたちが待ち構えていました。
攻守逆転!狩る側から狩られる側へ
このエピソードの最大の見どころは、常に主導権を握っていたグリーン・ホーネットが、圧倒的な不利な状況に追い込まれる点にあります。
ハンターたちは街の地理を熟知し、退路を断つように配置についています。
ブリットとカトーは、いつどこから弾丸が飛んでくるかわからない極限状態の中、知恵とチームワークで包囲網を突破しなければなりません。
特に、カトー(ブルース・リー)がいつものように攻撃に転じるのではなく、ブリットを守りながら慎重に行動する姿は、二人の信頼関係の深さを浮き彫りにしています。
ブラック・ビューティー号の真骨頂
逃走劇において主役級の活躍を見せるのが、愛車「ブラック・ビューティー号」です。
通常の市街地戦とは異なり、ハンターたちとのカーチェイスでは、マシンの防御性能と特殊装備がフル活用されます。
後方から追跡してくる敵車に対して「オイルスリック(油)」を散布してスリップさせたり、「煙幕」で視界を奪ったりと、スパイ映画顔負けのガジェットが次々と披露されます。
また、防弾ガラスや強化ボディが敵の銃撃を弾き返すシーンは、この車の堅牢さを証明しており、メカ好きのファンにとってはたまらない映像の連続です。
社会的メッセージとカタルシス
「金と権力を持てば、人を殺して遊んでも許される」と考える富豪たちの傲慢さは、視聴者に強い不快感と怒りを与えます。
だからこそ、彼らが「ただの獲物」だと思っていたグリーン・ホーネットに逆襲され、自らの奢りによって破滅していく結末には、強烈なカタルシス(解放感)があります。
単なるアクションドラマにとどまらず、人間の残虐性や階級社会の歪みを風刺した脚本は高く評価されており、シリーズの中でも特に「大人向け」の完成度を誇るエピソードと言えるでしょう。
第11話「人間狩り」の参考動画
まとめ
『グリーン・ホーネット』第11話「人間狩り」は、アクションの派手さよりも、心理的な緊張感とスリルを重視した傑作です。
ブルース・リーの武術アクションは控えめですが、その分、役者としての緊迫した演技や、ドライバーとしてのカトーの優秀さが際立っています。
「最強のヒーローが、もし狩猟の対象になったら?」というIFのシチュエーションを見事に映像化したこの回は、60年代のテレビドラマが到達したエンターテインメントの頂点の一つです。
富豪たちの歪んだ欲望を打ち砕く、グリーン・ホーネットの痛快な逆転劇を、ぜひその目で確かめてみてください。
関連トピック
リチャード・コネル: 短編小説『もっとも危険なゲーム』の作者。人間狩りをテーマにしたこの作品は、多くの映画やドラマの元ネタとなっている。
ブラック・ビューティー: 劇中に登場するスーパーカー。本エピソードでは、その防御能力と逃走用ガジェットが存分に発揮される。
ハードボイルド: 本作の基調となるジャンル。感情を排した非情な犯罪描写や、乾いたタッチの演出が特徴。
ブルース・リー: カトー役。この回では「守るための戦い」を演じ、アクションスターとしての幅広さを見せている。
ヴァン・ウィリアムズ: ブリット・リード役。理不尽な暴力に晒される主人公の苦悩と怒りを熱演。
関連資料
Blu-ray『グリーン・ホーネット』コンプリート・シリーズ: 高画質で蘇った映像により、夜間のシーンが多い本エピソードも鮮明に楽しめる。
小説『もっとも危険なゲーム』: 本エピソードのモチーフとなった古典サスペンスの名作。
DVD『バットマン』: 対照的な作風を持つ同時期のヒーロー作品。比較して観ることで、両者の違いがより明確になる。
サントラ『グリーン・ホーネット』: 緊迫感を煽るジャズ・ファンクな劇伴音楽が収録されている。

