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【徹底解説】映画『史上最大の作戦』(1962年)の評価は?あらすじから豪華キャスト、Dデイの真実まで総まとめ

戦争ドラマ
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概要

1962年に公開された映画『史上最大の作戦』(原題:The Longest Day)は、第二次世界大戦における最大の転換点となった「ノルマンディー上陸作戦(Dデイ)」を圧倒的なスケールで描き出した戦争映画の金字塔です。
ジャーナリストであるコーネリアス・ライアンの同名ノンフィクション小説を原作とし、20世紀フォックスのダリル・F・ザナックが膨大な予算と執念を投じて製作総指揮を務めました。
本作の最大の特徴は、アメリカ、イギリス、フランス、そしてドイツという交戦国それぞれの視点を、一切の偏見を排して客観的かつドキュメンタリータッチで描いている点です。
リアリティを極限まで追求するため、各国のシーンごとに異なる監督(アメリカ側はアンドリュー・マートン、イギリス・フランス側はケン・アナキン、ドイツ側はベルンハルト・ヴィッキ)を起用し、俳優たちも自身の母国語でセリフを話すという当時としては極めて画期的な手法が採られました。
さらに、ジョン・ウェイン、ヘンリー・フォンダ、ロバート・ミッチャムをはじめとする各国のトップスターが40名以上も集結し、映画史に残るオールスターキャストを実現させています。
第35回アカデミー賞では撮影賞(白黒部門)と特殊効果賞を受賞し、興行的にも大成功を収めました。
本記事では、戦争映画というジャンルの枠を超え、歴史的映像資料としても高い価値を持つ『史上最大の作戦』について、その重厚なあらすじから隠された制作秘話まで徹底的に解説していきます。

予告編

詳細(徹底解説)

あらすじと世界観

物語は1944年6月、連合軍によるヨーロッパ大陸反攻作戦「オーバーロード作戦」の決行を目前に控えたイギリス南部の緊張感あふれる状況から幕を開けます。
史上最大規模の上陸作戦の成否は、イギリス海峡の悪天候に翻弄され、連合軍最高司令官アイゼンハワー将軍は苦渋の決断を迫られていました。
一方、フランス北部のノルマンディー海岸を大西洋の壁として防衛するドイツ軍も、悪天候を理由に「当分の上陸はないだろう」と油断しており、ロンメル元帥は妻の誕生日を祝うために一時帰国してしまいます。
そして6月5日、わずかな天候の回復という気象予報士の報告を受けたアイゼンハワーは、ついに「出撃(Let’s go)」の命令を下します。
ここから映画は、パラシュート部隊による夜間の降下作戦から始まり、フランスのレジスタンスによる破壊活動、そして夜明けとともに開始される5つの海岸(オマハ、ユタ、ソード、ゴールド、ジュノ)への大規模な上陸戦へと雪崩れ込んでいきます。
血で血を洗う激戦が繰り広げられる中、前線で戦う一介の兵士から、指揮を執る将軍たち、そしてドイツ軍側の混乱と絶望まで、まさに「いちばん長い日」の一分一秒が息を呑むようなリアリティで描かれています。
ヒロイズムを過剰に煽るのではなく、戦争という巨大な機械の歯車となった人間たちの群像劇として描かれる世界観は、観る者を当時の戦場へとタイムスリップさせます。

シーズン/章ごとの展開

本作は3時間近くに及ぶ大長編ですが、物語は時系列に沿って大きく三つの幕(章)に分けられており、テンポ良く進行していきます。
第一幕は「嵐の前の静けさと決断」であり、悪天候による待機、各国の将校たちの焦燥感、そしてドイツ軍側の油断という心理的な駆け引きが緻密に描かれます。
ここで示される両軍の状況の対比が、後の悲劇と混乱の伏線として見事に機能しています。
第二幕は「夜の降下作戦とレジスタンスの暗躍」です。
暗闇の中、敵陣の背後に降下した空挺部隊が道に迷いながらも要衝を確保しようとする姿や、サン・メール・エグリーズの教会の尖塔にパラシュートが引っかかってしまった兵士の有名なエピソードなどが、サスペンスたっぷりに描かれます。
そして第三幕は「夜明けの上陸作戦」であり、本作のクライマックスにして映画史に残るスペクタクル・シーンの連続となります。
特に、激しい機銃掃射を浴びながらオマハ・ビーチやユタ・ビーチに上陸する歩兵たちの姿や、断崖絶壁のオック岬をよじ登るレンジャー部隊の死闘は、一切の手加減なしの迫力で展開され、戦争の凄惨さを視覚的に叩きつけてきます。

特筆すべき見どころ

本作の最大の見どころは、あえてモノクローム(白黒)フィルムで撮影されたことによる、圧倒的な「記録映像(ニュース映画)のようなリアリティ」です。
当時のハリウッドではすでにカラー大作が主流となっていましたが、ザナックは実際の戦中記録映像との親和性を高めるために、敢えて白黒を選択しました。
この決断が見事に功を奏し、どんよりとした曇り空の寒々しい空気感や、波打ち際に倒れる兵士たちの悲壮感がより一層際立っています。
また、フランスのウイストルアムの市街戦で見られる、ヘリコプターを使用した長回しのトラッキング・ショットは特筆に値します。
カメラは通りを前進するフランス軍コマンド部隊を追いかけ、そのまま建物の屋上へと上昇して戦場の全景を捉えるという、当時の撮影技術の限界に挑んだ神業的な映像美を実現しています。
さらに、CGが一切存在しない時代に、実際に数千人の兵士(NATO軍の協力による本物の軍人たち)や本物の軍艦、上陸用舟艇を動員して撮影された実写映像の重みは、現代のデジタル映画では決して味わうことのできない桁違いの迫力を誇っています。

制作秘話・トリビア

本作の制作には、実際にノルマンディー上陸作戦に参加した数多くの退役軍人たちが軍事アドバイザーとして参加しています。
ドイツ軍側のギュンター・ブルーメントリット将軍や、イギリス軍のロヴァット卿など、歴史に名を残す当事者たちが撮影現場で指導に当たりました。
また、カメオ出演も含めて当時の大スターたちがこぞって出演していますが、彼らの多くは「この歴史的映画に参加することは名誉である」と考え、通常のギャラよりもはるかに安い金額で出演を快諾したと言われています。
主演の一人であるジョン・ウェインは、当時すでに50代半ばであり、演じたバンダーボルト中佐(当時27歳)との年齢差が大きすぎると一部で批判されましたが、彼が画面に登場するだけで放たれる絶対的なカリスマ性は、そんな不満を吹き飛ばすほどの説得力を持っていました。
劇中、イギリス空挺部隊の兵士たちが味方を識別するために使用する「カチカチ」と鳴るおもちゃのクリケット(金属製のクリッカー)の音のエピソードも、実際にあった出来事を忠実に再現したものです。
この些細な音が原因でドイツ兵に発見され命を落出すシーンは、戦争の理不尽さを象徴する本作の有名なトリビアとして語り継がれています。

キャストとキャラクター紹介

  • ベンジャミン・バンダーボルト中佐:ジョン・ウェイン/(吹替:複数存在)
    • アメリカ陸軍第82空挺師団の大隊長です。
    • 降下時に足を骨折してしまうものの、手押し車に乗って部下を鼓舞し、任務を遂行し続ける不屈の闘志を持った猛将です。
    • ジョン・ウェインならではの圧倒的な存在感で、アメリカ軍人の力強さを体現しています。
  • ノーマン・コータ准将:ロバート・ミッチャム/(吹替:複数存在)
    • アメリカ陸軍第29歩兵師団の副師団長です。
    • 最も被害の大きかった「血のオマハ・ビーチ」において、葉巻をくわえながら敵の砲火の中を歩き回り、パニックに陥った部下たちを前進させます。
    • 彼の「この海岸にいるのは、すでに死んだ者とこれから死ぬ者だけだ!」という台詞は、映画史に残る名言として知られています。
  • セオドア・ルーズベルト・ジュニア准将:ヘンリー・フォンダ/(吹替:複数存在)
    • アメリカ陸軍第4歩兵師団の副師団長であり、かつてのアメリカ大統領の息子です。
    • 潮流の影響で予定とは全く違う地点に上陸してしまいますが、持病の関節炎のために杖をつきながらも冷静に状況を判断します。
    • 「戦争はここから始まるのだ」と告げて部隊を内陸へと導く姿は、老練な指揮官の鑑として描かれています。
  • フラナガン一等兵:ショーン・コネリー/(吹替:複数存在)
    • イギリス軍の兵士であり、緊張感あふれる戦場においてどこか飄々としたユーモアを漂わせるキャラクターです。
    • コミカルなやり取りの中にも、生き残りを懸けた兵士のリアルな感情が垣間見えます。
    • 若き日のショーン・コネリーの溌剌とした演技が光る、魅力的な脇役です。
  • エルヴィン・ロンメル元帥:ヴェルナー・ヒンツ/(吹替:複数存在)
    • 大西洋の壁の防衛を任されたドイツ軍の名将です。
    • 連合軍の動きを警戒しつつも、悪天候を理由に妻の誕生日のためにドイツへ帰還してしまい、運命のイタズラに泣くことになります。
    • 彼が海岸を眺めながら呟く「最初の24時間が勝敗を決する。連合軍にとっても我々にとっても、それは一番長い日(The longest day)になるだろう」という台詞が、本作のタイトルとなっています。

キャストの代表作品と経歴

本作には数え切れないほどのスターが出演していますが、特にアメリカ軍の将官を演じたジョン・ウェインロバート・ミッチャムヘンリー・フォンダの三人は、当時のハリウッド映画界を牽引するトップアイコンでした。
ジョン・ウェインは『駅馬車』(1939年)や『捜索者』(1956年)など西部劇の歴史そのものと言える大スターであり、彼のキャスティングは本作のアメリカでの大ヒットを決定づけました。
ロバート・ミッチャムは『狩人の夜』(1955年)などで見せた凄みのある演技に定評があり、本作での無骨な将軍役は彼のキャリアの頂点の一つです。
ヘンリー・フォンダは『怒りの葡萄』(1940年)や『十二人の怒れる男』(1957年)で知られる知性派俳優であり、理知的なルーズベルト准将役はまさに適役でした。
また、イギリス兵役のショーン・コネリーは、奇しくも本作と同年の1962年に映画『007 ドクター・ノオ』で初代ジェームズ・ボンド役に抜擢され、世界的大スターへの階段を駆け上がっていく直前の初々しい姿を見せています。
さらに、フランスの国民的スターであるジャン=ルイ・バローや、ドイツの名優クルト・ユルゲンスなど、ヨーロッパの映画界を代表する俳優たちがそれぞれの国の軍人を自国語で演じたことが、本作に比類なき国際性と格調をもたらしています。

まとめ(社会的評価と影響)

映画『史上最大の作戦』は、全世界で大ヒットを記録し、莫大な製作費を回収しただけでなく、財政難に陥っていた20世紀フォックス社を倒産の危機から救った救世主ともなりました。
Rotten Tomatoesなどの批評サイトでも、古典的な戦争映画として現在に至るまで極めて高い支持率(批評家・観客ともに80%以上)を維持しています。
何より本作の偉大な功績は、「敵国であるドイツ軍の姿も、悪魔としてではなく一人の人間や指揮官としてフェアに描いた」という点にあります。
この客観的な多眼的な視点は、その後の戦争映画の作りに計り知れない影響を与えました。
1998年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督の『プライベート・ライアン』が登場するまでの約30年以上にわたり、「ノルマンディー上陸作戦を描いた究極の映画」といえば本作を指すのが世界的な常識でした。
戦争の巨大な全体像を俯瞰する歴史絵巻として、本作は映画という芸術が記録しうる一つの極致であり、平和の尊さを後世に伝える不朽の映像資料として永遠に語り継がれるべき大傑作です。

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    映画の原作となったノンフィクション小説です。
    膨大な生存者へのインタビューに基づく緻密なルポルタージュであり、映画版では描ききれなかった各人物の詳細な背景や、作戦の裏側を補完する最高の一冊です。
  • オリジナル・サウンドトラック(音楽:モーリス・ジャール)
    当時大人気だった歌手のポール・アンカが作曲し、自らもレンジャー部隊の兵士役で出演して歌った勇壮なテーマ曲は、今なお行進曲の定番として世界中で愛されています。
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