テレビドラマ「ライフルマン」のうんちく徹底解説!改造ウィンチェスターの秘密と主演俳優の驚くべき経歴
「ライフルマン」の概要
テレビドラマ「ライフルマン」(原題: The Rifleman)は、1958年から1963年にかけてアメリカで放送された、非常に人気の高い西部劇です。
日本でも放送され、多くのファンを魅了しました。
このドラマの概要は、妻を亡くした主人公ルーカス・マッケインが、一人息子のマークと共にニューメキシコ州の町ノースフォークで牧場を営みながら、様々な困難や無法者たちに立ち向かう姿を描いています。
単なるアクション西部劇ではなく、父と子の深い絆や、道徳的な教えを重んじるヒューマンドラマとしての側面が強く、それが他の西部劇とは一線を画す「ライフルマン」の大きな魅力となっています。
この記事では、この不朽の名作に関する「うんちく」を深く掘り下げていきます。
「ライフルマン」の詳細
主人公の相棒「改造ウィンチェスター」のうんちく
「ライフルマン」の最大の象徴であり、うんちくの核心とも言えるのが、主人公ルーカス・マッケインが使用する特殊なライフルです。
この銃は、名銃「ウィンチェスターM1892」をベースに、撮影用に大きく改造されたものです。
最大の特徴は、レバー(用心鉄)の部分が通常よりも大きな輪(ラージ・ループ)になっている点です。
これにより、ルーカスは手首を巧みに使い、銃本体をクルクルと回転させて次弾を装填する「スピンコック」と呼ばれるアクロバティックなアクションを披露します。
この派手なアクションは、ドラマのオープニングでも印象的に使用され、視聴者に強烈なインパクトを与えました。
さらに、この改造ライフルにはもう一つの秘密があります。
それは、レバーを握る動作と引き金を引く動作が連動するように改造されている(トリガー部分に特殊なネジが仕込まれている)点です。
これにより、レバーを高速で開閉させるだけで、引き金に指をかけずとも連射が可能となっていました。
ドラマのオープニングでは、この機能を使ってわずか5秒足らずで12発の連射を見せるシーンがあり、これが「ライフルマン」の代名詞となりました。
この銃は単なる武器としてだけでなく、ルーカスが息子マークに「力(暴力)の正しい使い方」を教えるための象徴的な道具としても機能していました。
主演俳優チャック・コナーズの超人伝説(うんちく)
主人公ルーカス・マッケインを演じたチャック・コナーズ(Chuck Connors)の経歴は、ハリウッド俳優の中でも類を見ない「うんちく」の宝庫です。
彼は俳優として成功する以前、なんとプロのスポーツ選手として活躍していました。
まず、プロ野球選手としてMLB(メジャーリーグベースボール)のブルックリン・ドジャース(当時)とシカゴ・カブスに在籍していました。
さらに驚くべきことに、彼は同時にプロバスケットボール選手としてNBA(当時はBAA)のボストン・セルティックスでもプレイしていたのです。
MLBとNBAの両方で公式戦に出場した選手は、歴史上でもごくわずかであり、彼はそのうちの一人です。
この並外れた運動神経と、196cm(6フィート5インチ)という長身が、あのダイナミックなライフルアクションを可能にしたのです。
「ライフルマン」としての彼の姿は、まさに元トップアスリートならではの説得力に満ちていました。
日本での「ライフルマン」と声のうんちく
「ライフルマン」は日本でも放送され、お茶の間の人気を博しました。
特に日本のファンにとって馴染み深い「うんちく」が、その吹き替え声優陣です。
主人公ルーカス・マッケインの声を担当したのは、アニメ『ルパン三世』の銭形警部役や、数々の洋画で名優の吹き替えを担当した故・納谷悟朗(なや ごろう)氏です。
納谷氏の演じる、厳しくも愛情深い父親像は、日本の視聴者にとっての「ルーカス・マッケイン」のイメージを決定づけました。
また、息子のマーク・マッケイン役(演:ジョニー・クロフォード)の声は、時期によって異なりますが、子役時代の活躍で知られる俳優が担当するなど、吹き替えにも力が入れられていました。
この父と子の掛け合いが、日本で「ライフルマン」が単なる西部劇を超えて愛された大きな理由の一つです。
「ライフルマン」の参考動画
「ライフルマン」のまとめ
テレビドラマ「ライフルマン」は、その革新的なライフルアクションと、元プロスポーツ選手という主演俳優の異色な経歴、そして何よりも「父と子の絆」という普遍的なテーマを描いたヒューマンドラマとして、今なお多くのファンに愛され続けています。
単に悪を撃ち倒すだけでなく、力を持つことの責任や、息子への道徳教育といった深いテーマが、60年以上経った現代の視聴者の心にも響く要因でしょう。
改造ウィンチェスターを操るルーカスの姿は、西部劇におけるヒーロー像の一つを確立したと言えます。
このドラマのうんちくを知ることは、アメリカのテレビ黄金期と、当時の人々がヒーローに何を求めていたかを知る手掛かりにもなります。
関連トピック
チャック・コナーズ: 「ライフルマン」の主演俳優。元MLBおよびNBA選手という異色の経歴を持つ。このドラマで一躍スターとなり、その後も多くの映画やテレビドラマで活躍した。
ウィンチェスターM1892: ルーカスの愛銃のベースとなった実在の名銃。レバーアクションライフルの完成形の一つとされ、西部劇では非常に人気の高いモデル。ジョン・ウェインなども愛用したことで知られる。
納谷悟朗: 日本の伝説的な声優の一人。ルーカス・マッケインの吹き替えを担当し、その厳格かつ温かい父親像を声で表現した。『ルパン三世』の銭形警部、『宇宙戦艦ヤマト』の沖田十三艦長など、代表作多数。
西部劇(テレビドラマ): 1950年代から60年代にかけてアメリカのテレビ界で大ブームとなったジャンル。「ライフルマン」のほか、「ローハイド」「ボナンザ」「ガンスモーク」などが有名。
関連資料
『ライフルマン』 DVD-BOX: 日本で発売されたDVD-BOX。高画質で名エピソードを鑑賞できる。納谷悟朗氏による日本語吹き替え版が収録されているか確認することが重要。
『Chuck Connors: The Man Behind the Rifle』 (David Fury 著): チャック・コナーズの伝記(洋書)。彼のスポーツ選手時代から「ライフルマン」での成功、その後の人生までを詳細に追った決定版。
『A History of the Western』 (関連書籍): 西部劇の歴史を解説した書籍(洋書または邦訳書)。「ライフルマン」がテレビ西部劇の黄金期においてどのような位置づけであったかを理解するのに役立つ。