『タイムトンネル』最大の謎!ダグとトニーはいつ洗濯してる? あの服が常に綺麗な理由を徹底考察

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『タイムトンネル』最大の謎!ダグとトニーはいつ洗濯してる? あの服が常に綺麗な理由を徹底考察

『タイムトンネル』視聴者が抱く最大の疑問

1960年代に製作され、日本でも人気を博したSF特撮ドラマ『タイムトンネル』。

主人公のダグ・フィリップス博士とトニー・ニューマン博士が、完成したばかりのタイムトンネルに吸い込まれ、歴史上の様々な時代をさまよう物語です。

しかし、このドラマを見た多くの視聴者が、半世紀以上にわたって抱き続けている素朴な疑問があります。

それは、「ダグとトニーは、いつ衣類を洗濯しているのか?」というものです。

タイタニック号でずぶ濡れになり、トロイア戦争で砂まみれになっても、次の時代に飛ぶと服はなぜか元通り。

この記事では、この『タイムトンネル』最大の謎について、当時の制作事情やファンの間での解釈を交えて徹底的に考察します。

詳細:あの服はなぜ「最強」なのか?

すべての始まり:あの「いつもの服」

まず、二人の服装を確認しましょう。

ダグ・フィリップス(ロバート・コルバート)は、知的で落ち着いた印象の、茶系ツイードのジャケットに黒のタートルネックセーター、グレーのスラックス。

トニー・ニューマン(ジェームズ・ダレン)は、情熱的で行動的な性格を表すかのような、赤(またはワインレッド)のタートルネックセーターに、特徴的な襟のジャケット、ベージュのスラックス。

彼らは、アリゾナの砂漠の地下にある「プロジェクト・チックタック」の施設内でこの服装をしており、緊急事態(またはトニーの功名心)から、この「私服」同然の格好のままタイムスリップに巻き込まれてしまいました。

この瞬間から、この服装が彼らの「ユニフォーム」となります。

過酷すぎる旅と、強すぎる服

彼らの旅は過酷そのものです。

第1話でいきなり豪華客船タイタニック号に転送され、沈没までの数時間、船内を駆けずり回り、最後は氷の海に飛び込みます。

当然、服はずぶ濡れで、凍えそうになっています。

しかし、次の瞬間、フランスの宇宙ロケット(第2話)に転送されると、服はすっかり乾いており、シワ一つないように見えます。

その後も、リンカーン暗殺事件、トロイア戦争、真珠湾攻撃、ビリー・ザ・キッドとの遭遇など、砂埃、泥、汗、時には血にまみれる過酷な状況が続きます。

服が破れたり、汚れたりする描写はあっても、彼らが洗濯したり、着替えたりするシーンは一切ありません。

それにもかかわらず、次の時代、あるいは次のシーンでは、服は不思議なほど綺麗な状態に戻っているのです。

ファンの間で語られる「洗濯」の解釈

この謎について、ファンは長年、様々な「仮説」を立ててきました。

1. タイムスリップ=自動クリーニング説

最も有力(で夢のある)解釈がこれです。

ダグとトニーが次の時代へと転送される際、タイムトンネルの強力な時空エネルギーが彼らの身体をスキャンし、「出発時(プロジェクト・チックタックにいた時)のオリジナルデータ」に基づき、衣類を含む全身の状態をリセット(修復・クリーニング)しているのではないか、という説です。

これなら、ずぶ濡れの服が乾き、破れた服が元に戻る理由も説明がつきます。

2. プロジェクト・チックタックの超技術説

彼らの着ている服は、一見普通のツイードやセーターに見えますが、実はプロジェクト・チックタックが開発した「超繊維」でできており、自己修復機能や、汚れを瞬時に分解する機能が備わっていた、という説です。

しかし、彼らは緊急事態で飛び込んだため、この説の信憑性は低いかもしれません。

3. 制作上の都合(大人の事情)説

これが最も現実的な理由です。

1960年代のテレビドラマ制作において、毎週のように衣装を汚したり、破ったり、あるいは時代に合わせて着替えさせたりするのは、予算的にも、撮影スケジュール的にも非常に困難でした。

また、視聴者にとって「ダグといえばあの服」「トニーといえばあの服」というように、キャラクターのアイコンとして同じ服装をさせ続けることが、当時のドラマの「お約束」でもありました。

この「ツッコミどころ」は、制作陣も承知の上での「ご都合主義」だったのです。

参考動画(オープニング&エンディング)

まとめ:愛すべき「お約束」としての最強の服

結論として、ダグとトニーがタイムスリップ中に「洗濯」をしている描写は一切存在しません。

彼らの服が常に綺麗なのは、1960年代のテレビドラマにおける「お約束」であり、「制作上の都合」によるものです。

しかし、ファンとしては「タイムトンネルが転送のたびに、二人を服ごと新品同様にリセットしてくれている」と考えるのが、最もSF的でロマンのある解釈ではないでしょうか。

あの「強すぎる服」は、ダグとトニーがどの時代にいても「現代人」であることの証であり、彼らを故郷(現代)に繋ぎ止める唯一のアイテムでもありました。

この愛すべき「ツッコミどころ」こそが、半世紀以上経った今でも『タイムトンネル』が多くのファンに愛され続ける理由の一つなのです。

関連トピック

『宇宙家族ロビンソン』の衣装: 本作と同じアーウィン・アレン製作のSFドラマ。こちらは宇宙服や近未来的な衣装が基本ですが、特にドクター・スミスやロボット(フライデー)の外見は一貫しており、当時のキャラクター認識の重要性を示しています。

『スタートレック(宇宙大作戦)』の制服: 同時期の人気SFドラマ。こちらは「艦隊の制服」という明確な設定があり、艦内には洗濯設備や、後のシリーズでは「レプリケーター」による複製機能も登場します。『タイムトンネル』の「私服で放浪」という設定との対比が興味深いです。

アーウィン・アレン: 本作の製作総指揮者。「特撮の神様」とも呼ばれ、『原子力潜水艦シービュー号』『巨人の惑星』など、本作以外にも多くのSF特撮ドラマを生み出しました。彼の作品には、勢いと大胆な「お約束」が共通して見られます。

関連資料

『タイムトンネル』コンプリート DVD-BOX: 全30話を収録したDVDボックスセット。第1話のタイタニック号から最終話まで、彼らの「絶対に変わらない服」の軌跡を、ぜひご自身の目で確かめてみてください。

(書籍)『60年代 アメリカSFテレビドラマ』関連書籍: 当時のアメリカのテレビ業界の事情や、SFX(特撮)の制作背景などを解説した書籍。なぜダグとトニーの服が「洗濯」されなかったのか、その「大人の事情」が垣間見えるかもしれません。

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