名作SFドラマ『タイムトンネル』第20話「ジェリコの城壁」徹底解説!あらすじと見どころ
「ジェリコの城壁」の概要
1960年代に日本でも放送され、多くのSFファンを熱狂させた伝説のテレビドラマ『タイムトンネル』。
その中でも第20話「ジェリコの城壁(The Walls of Jericho)」は、旧約聖書の有名なエピソードを題材にしたスペクタクルな回として知られています。
主人公のトニーとダグが、古代の伝説的な戦いに巻き込まれ、歴史の目撃者となるこのエピソードは、科学と信仰が交差するドラマチックな展開が魅力です。
この記事では、第20話のあらすじ、制作の裏話、そして視聴者が注目すべきポイントを詳しく解説します。
詳細:あらすじと見どころ
物語の始まり:聖書の世界へ
今回のタイムトラベル先は、紀元前1550年頃のパレスチナ地方、まさに「ジェリコの戦い」が行われようとしている現場です。
トニーとダグは、イスラエルの指導者ヨシュアのテントの前に着地しますが、即座に敵対勢力であるジェリコの民のスパイだと疑われてしまいます。
二人は身の潔白を証明し、処刑を逃れるために、難攻不落と言われるジェリコの城壁内部へと潜入することになります。
キーパーソン:ラハブとの出会い
城内に潜入した二人は、聖書の記述通り、遊女ラハブ(Rahab)と出会い、彼女の助けを借りてかくまわれます。
ドラマでは、ラハブがなぜイスラエル側に味方するのか、その心情やトニーたちとの交流が丁寧に描かれており、単なる歴史再現にとどまらない人間ドラマが展開されます。
トニーとダグは、自らの科学的知識と歴史の知識を駆使しながら、聖書に記された「奇跡」がどのようにして起こるのかを目撃することになります。
クライマックス:崩れ落ちる城壁
最大の見どころは、タイトルにもなっている「ジェリコの城壁」が崩壊するシーンです。
ヨシュア軍が契約の箱を担ぎ、角笛(ショファー)を吹き鳴らしながら城壁の周りを回ると、強固な石垣が音を立てて崩れ落ちます。
このシーンは、プロデューサーであるアーウィン・アレンが得意とする特撮技術(ミニチュアワークや合成)がふんだんに使われており、当時のテレビドラマとしては破格の迫力を持っています。
歴史的な「奇跡」を、タイムトラベラーという現代人の視点から描くことで、視聴者に新たな解釈と興奮を与えてくれます。
「タイムトンネル」の参考動画
まとめ
「ジェリコの城壁」は、『タイムトンネル』という作品が持つ「歴史への介入と葛藤」というテーマが色濃く出た名作です。
科学者である主人公たちが、神の奇跡とされる現象を目の当たりにし、その圧倒的な力(あるいは自然現象の偶然)に翻弄される姿は、今見ても新鮮な驚きがあります。
また、CGがない時代に工夫を凝らして作られた崩壊シーンは、特撮ファンにとっても必見の価値があるでしょう。
昭和のSFドラマが持っていた熱気と、歴史ロマンを同時に味わえるこのエピソードを、ぜひ機会があれば鑑賞してみてください。
関連トピック
アーウィン・アレン(『タイムトンネル』の生みの親であり、『ポセイドン・アドベンチャー』などで知られるパニック映画の巨匠)
旧約聖書・ヨシュア記(本エピソードの元ネタとなっている聖書の記述で、イスラエルの民が約束の地に入る過程が描かれている)
巨人の惑星(同じくアーウィン・アレンが制作し、日本でも大ヒットしたSFテレビドラマシリーズ)
関連資料
DVD『タイムトンネル コレクターズBOX』(全30話を収録したDVDボックスで、日本語吹き替え版も収録されていることが多い)
書籍『アーウィン・アレンの世界』(「パニック映画の帝王」と呼ばれたプロデューサーの全仕事を網羅した資料集)
