X-ファイルの知られざるうんちく5選!モルダーとスカリーの秘密から制作秘話まで徹底解剖
「X-ファイル」の概要
「X-ファイル」は、1990年代から2000年代にかけて世界中で大ヒットしたアメリカのSFテレビドラマです。
FBIの未解決事件簿「X-ファイル」に挑む、UFOや超常現象を信じるモルダー捜査官と、科学的見地から懐疑的なスカリー捜査官のコンビが魅力です。
その奥深いストーリーと魅力的なキャラクターには、多くの「うんちく」や制作秘話が隠されています。
この記事では、「X-ファイルのうんちく」として、ファンなら知っておきたい豆知識や裏話をご紹介します。
「X-ファイル」の詳細なうんちくと制作秘話
スカリーの「身長差」を埋める小道具
モルダー役のデイヴィッド・ドゥカヴニー(約184cm)とスカリー役のジリアン・アンダーソン(約160cm)には、実に24cmもの身長差があります。
これはテレビドラマの撮影において、二人の顔を同じフレームに収めたり、並んで歩くシーンを撮ったりする際に技術的な課題となりました。
そこで、二人が並んで話すシーンなどでは、ジリアン・アンダーソンが「Gilly-Board(ギリー・ボード)」と呼ばれる特製の台や、単なる箱馬(りんご箱のようなもの)の上に乗って撮影することが多かったのです。
この「Gilly-Board」という愛称は、彼女の愛称「ジリー」にちなんでスタッフが名付けたと言われています。
この工夫により、カメラのアングルが安定し、二人の捜査官としての対等な関係性が視覚的にも表現されました。
「真実はそこにある」誕生秘話
各エピソードのオープニングで象徴的に表示される「The Truth Is Out There(真実はそこにある)」というキャッチコピーは、番組クリエイターのクリス・カーターが考案しました。
このフレーズは、彼がUFO目撃情報に関する世論調査の結果を見た際、多くの人々が「政府はUFOに関して真実を隠している」と信じていることを知った経験から着想を得たと言われています。
これは、番組全体の根底に流れるテーマである「見えない真実の探求」と「権力への懐疑」を完璧に表現し、90年代の社会現象にもなりました。
時にはこのフレーズが「Trust No One(誰も信じるな)」や「Apology is Policy(謝罪は方針なり)」など、そのエピソードの内容に合わせた別の言葉に置き換えられることもあり、ファンを楽しませる仕掛けの一つでした。
モルダーの「ヒマワリの種」と「I Want to Believe」ポスター
モルダー捜査官がオフィスでよくヒマワリの種をポリポリと食べているシーンが登場します。
これは、演じるデイヴィッド・ドゥカヴニー自身のアイディアで、キャラクターに何か人間らしい「癖」を持たせたかったからだそうです。
当初は禁煙のための小道具として提案されたとも言われていますが、次第にモルダーの少し風変わりで神経質な個性を示す特徴の一つとして定着しました。
また、彼の薄暗いオフィスの壁に貼られたUFOのポスター「I Want to Believe(私は信じたい)」は、番組を象徴する最も有名な小道具です。
このポスターは、モルダーの超常現象への揺るぎない信念と、妹の誘拐事件に端を発する探求心を表しています。
実はこのポスター、撮影セットから何度か盗難に遭い、その度に作り直されたという裏話もあります。
スカリーの懐妊と「UFO誘拐」という展開
シーズン2の撮影中、スカリー役のジリアン・アンダーソンが実際に妊娠しました。
当時、連続ドラマの主演女優が妊娠することは、ストーリー展開に大きな影響を与えるため、制作陣は頭を悩ませました。
当初は、お腹を隠すために大きなサイズのトレンチコートを着せたり、デスクに座らせたり、バストアップの撮影を多用したりしていました。
しかし、いよいよ隠しきれなくなると、制作陣はこれを逆手に取り、物語の展開として、スカリーがUFO(あるいは政府の陰謀組織)に誘拐されるという衝撃的なストーリーラインを作り上げました。
これにより、彼女が出産のために一時的に番組を離れることを、X-ファイルらしい超常的な展開で自然に説明できたのです。
この「誘拐」事件は、その後のスカリーの健康や信念に深い影響を与える、シリーズ全体を通しても非常に重要な出来事となりました。
スモーキング・マンは「一話限り」のはずだった
「X-ファイル」の象徴的な悪役である「スモーキング・マン(喫煙男)」、または「キャンサー・マン」と呼ばれる人物。
彼は当初、パイロット版(第1話)にだけ登場する、セリフもないエキストラに近い役柄でした。
演じたウィリアム・B・デイヴィスは、当時すでに禁煙していましたが、撮影ではニコチンのないハーブタバコを吸っていました。
しかし、その不気味な存在感と、物語の裏で糸を引く黒幕としての可能性がクリス・カーターの目に留まり、徐々に出番が増えていきました。
最終的には、モルダーの父親の旧友であり、モルダー家の過去にも深く関わる、シリーズ最大の宿敵として君臨することになったのです。
彼の存在が、番組の「陰謀論(コンスピラシー)」という側面を大きく膨らませる原動力となりました。
参考動画
まとめ
「X-ファイル」は、単なるSF・オカルトドラマの枠を超え、90年代のカルチャーアイコンとなりました。
モルダーとスカリーの「プラトニック」とも言われる複雑な信頼関係、政府の陰謀、そして科学と超常現象の対立は、今なお多くのファンを魅了し続けています。
今回ご紹介したような「うんちく」や制作の裏側を知ることで、作品をより深く、新たな視点で楽しむことができるでしょう。
あなたが一番驚いた「X-ファイルのうんちく」は何ですか。
久しぶりに、あの不気味なテーマソングと共に、モルダーとスカリーの「真実の探求」へ旅立ってみるのも良いかもしれません。
関連トピック
ツイン・ピークス: デヴィッド・リンチ監督によるカルト的人気ドラマ。
不気味な雰囲気や超常的な要素、「X-ファイル」に多大な影響を与えたとされています。
デイヴィッド・ドゥカヴニーも女装する捜査官役でゲスト出演していました。
ミレニアム: 「X-ファイル」のクリエイター、クリス・カーターが手掛けた別のダーク・スリラードラマ。
終末論的なテーマとシリアルキラーを追う元FBI捜査官の姿を描き、X-ファイルとクロスオーバーしたエピソードも存在します。
フリンジ (FRINGE): 「X-ファイル」の精神的後継作とも呼ばれるJ・J・エイブラムス製作総指揮のSFドラマ。
FBI捜査官が「フリンジ・サイエンス(非主流科学)」に関わる不可解な事件を追うストーリーは、まさに現代版X-ファイルとも言えます。
関連資料
X-ファイル コンプリート DVD-BOX/Blu-ray BOX: 全シーズンを網羅したボックスセット。
うんちく探しやお気に入りのエピソードを見返すには最適です。
特典映像には制作秘話も含まれていることが多いです。
X-ファイル 公式ガイドブック: 各エピソードの詳細な解説、キャラクター分析、制作の裏側が記された書籍。
ファンなら手元に置いておきたい一冊です。
「I Want to Believe」ポスター: モルダーのオフィスに貼られている象徴的なUFOポスターのレプリカ。
インテリアとして飾るファンも多く、X-ファイルの世界観に浸れるアイテムです。

