もし『謎の円盤UFO』がSFコメディーだったら?予算不足のSHADOとやる気のない宇宙人のドタバタ防衛線!

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もし『謎の円盤UFO』がSFコメディーだったら?予算不足のSHADOとやる気のない宇宙人のドタバタ防衛線!

シリアスだから面白い!でももしコメディーだったら?

1970年代、そのシリアスな展開、スタイリッシュなメカデザイン、そして緊迫した人間ドラマでカルト的な人気を誇るSFドラマ『謎の円盤UFO』。

地球侵略を企む謎の宇宙人と、秘密裏に戦う防衛組織「SHADO(シャドー)」の暗闘を描いた物語です。

エド・ストレイカー司令官の苦悩や、いつ撃墜されるかわからない緊迫感が魅力の作品でした。

しかし、もしもこの重厚なSFドラマが、陽気な「SFコメディー」だったらどうなっていたでしょうか。

おそらく、人類の危機はどこへやら、ポンコツな組織運営と、どこか間抜けな宇宙人によるドタバタ劇が繰り広げられていたに違いありません。

詳細:コメディー版『UFO』の「ありそうな」設定

ストレイカー司令官は「予算」に苦悩する中間管理職に

オリジナルのストレイカー司令官は、私生活を犠牲にし、人類の未来のために冷徹な決断を下す孤独なリーダーでした。

しかしコメディ版のストレイカー司令官は、UFOの脅威よりも「SHADOの運営予算」に頭を悩ませる中間管理職になります。

表向きの顔である「映画スタジオ経営」が赤字続きで、防衛予算を補填している始末。

「インターセプターのミサイルは一発いくらだと思ってるんだ!」「今月のスカイダイバーの燃料費、誰が払うんだ!」と、フォスター大佐の無駄撃ちを常に叱責しています。

UFOが来ても「今日は予算がないから迎撃中止!」と言い出しかねません。

ムーンベースの隊員は「オシャレ」優先

SHADOの最前線、ムーンベース。

紫色のウィッグ(カツラ)と露出度の高いユニフォームで任務にあたる女性隊員たちは、シリアス版では緊迫感の象徴でした。

しかしコメディ版では、あのウィッグは単なる「オシャレ」であり、しかも毎日色が変わります。

エリス中尉は、クールな管制官ではなく、UFO襲来の警報が鳴っている最中に「ちょっとネイル乾かしてるから待って!」と管制を放棄するタイプ。

インターセプターの発進シークエンスも、なぜか毎回トラブルが発生し、「発進シーケンス、やり直し!」「あれ、ボタンどこだっけ?」とドタバタしている間にUFOに逃げられます。

やる気のない宇宙人とポンコツ兵器

シリアス版の宇宙人は、地球人の臓器を狙う冷酷な侵略者でした。

しかしコメディ版の宇宙人は、地球侵略など全く考えていません。

彼らが地球に来る理由は、「地球のB級グルメ、特にラーメン二郎が食べたいから」あるいは「宇宙人の上司に『ちょっと地球見てこい』とイヤイヤ出張させられているだけ」です。

UFOは円盤状ですが、よく故障し、地球に不時着してはヒッチハイクでラーメン屋を探します。

一方、SHADOの誇る迎撃メカもポンコツです。

潜水艦スカイダイバーは、海に潜ると「浮上できません!」というトラブルが頻発。

UFO探知衛星シド(SID)は、UFOと流れ星の区別がつかず、誤報ばかり鳴らします。

空回りする熱血漢フォスター大佐

オリジナルでは主役級の活躍を見せたフォスター大佐。

コメディ版では、唯一やる気のある熱血漢ですが、それが常に空回りします。

「司令官!UFOです!迎撃します!」と勇んで出撃するものの、相手が観光目的の宇宙人だと知らずに撃墜しようとして、ストレイカー司令官に「馬鹿者!国際問題(星間問題)になったらどうするんだ!」と怒鳴られるのがオチです。

参考動画(オリジナルのシリアスなオープニング)

まとめ:やはり『UFO』はシリアスだから面白い

もし『謎の円盤UFO』がSFコメディーだったら、人類滅亡の危機はひとまず遠のきそうです。

ストレイカー司令官は胃薬が手放せず、宇宙人はラーメンの行列に並び、ムーンベースでは女子会が開かれている。

そんな平和(?)な日常が描かれていたかもしれません。

しかし、私たちが『UFO』に惹かれたのは、やはりあの重厚でシリアスな世界観、そして人類の存亡をかけたギリギリの戦いがあったからこそでしょう。

コメディ版『UFO』は想像すると楽しいですが、やはりオリジナルの緊張感こそが、この作品を不朽の名作たらしめているのです。

関連トピック

『ギャラクシー・クエスト』: シリアスなSFドラマ(往年のスタートレックのパロディ)の出演者たちが、本物の宇宙人に助けを求められ宇宙戦争に巻き込まれるという傑作SFコメディ映画。

『赤いドワーフ号 (Red Dwarf)』: イギリス製作のSFシチュエーション・コメディ。宇宙船に残された最後の(?)人類とホログラム、進化した猫、ロボットが繰り広げるドタバタ劇。

『宇宙人ポール』: イギリスのオタクコンビが、アメリカで本物の宇宙人(ポール)と出会ってしまうコメディ映画。

エド・ストレイカー: 本作の主人公。コメディ版では、シリアスな顔で「予算が…」と呟く苦労人として描かれることでしょう。

関連資料

『謎の円盤UFO』コンプリート DVD/Blu-ray: オリジナルのシリアスで重厚な世界観を再確認するために必須の資料。これを見てからコメディ版を想像すると、そのギャップに笑いがこみ上げてくるはずです。

(映画)『ギャラクシー・クエスト』: シリアスなSFをいかに見事にコメディに転化させるか、そのお手本となる作品です。

(ドラマ)『赤いドワーフ号』: 『UFO』と同じイギリス製作のSFとして、その対極にあるコメディのテイストを比較するのも一興です。

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