PR

【伝説の第1話】『謎の円盤UFO』「宇宙人捕虜第一号」徹底解説!サンダーバードの生みの親が描いた衝撃のリアルSF

SF
この記事は約5分で読めます。

【伝説の第1話】『謎の円盤UFO』「宇宙人捕虜第一号」徹底解説!サンダーバードの生みの親が描いた衝撃のリアルSF

『謎の円盤UFO』第1話「宇宙人捕虜第一号」の概要

1970年にイギリスで製作され、日本でも熱狂的なファンを生んだSFテレビドラマ『謎の円盤UFO(原題:UFO)』。

『サンダーバード』で知られるジェリー・アンダーソンが、子供向けの人形劇から脱却し、初めて生身の人間(俳優)を起用して製作した大人向けの特撮ドラマです。

その記念すべき第1話「宇宙人捕虜第一号(原題:Identified)」は、シリーズ全体の世界観と、地球防衛組織SHADO(シャドー)の設立、そして宇宙人の衝撃的な飛来目的が明かされる極めて重要なエピソードです。

単なる侵略ものではなく、臓器移植や高齢化社会といった重厚なテーマを内包した本作は、放送から半世紀以上経った今も色褪せない輝きを放っています。

本記事では、視聴者にトラウマ級の衝撃を与えた第1話のあらすじ、メカニック、そして物語の核心に迫る「宇宙人の正体」について徹底解説します。

第1話「宇宙人捕虜第一号」の詳細解説

物語の舞台:1980年の地球

物語は、製作当時の10年後となる1980年が舞台です。

英国の映画会社「ハーリントン・ストレイカー映画スタジオ」の最高経営責任者エド・ストレイカー(エド・ビショップ)が、専用機シーガルX線でスタジオに到着するシーンから始まります。

一見、華やかな映画プロデューサーに見えるストレイカーですが、彼にはもう一つの顔がありました。

スタジオの地下深くには、地球防衛秘密組織「SHADO(Supreme Headquarters Alien Defence Organisation)」の本部が存在し、彼はその最高司令官として、謎の円盤UFOの脅威から地球を守る任務を負っていたのです。

第1話では、この「日常の裏側に潜む非日常」という設定が、緻密な特撮と洗練された演出で見事に描かれています。

緊迫の迎撃戦とムーンベース

SHADOの防衛網は、宇宙空間の監視衛星「SID(シド)」、月面基地「ムーンベース」、そして地球上の潜水艦「スカイダイバー」の三段構えで構成されています。

第1話では、地球に接近するUFOに対し、ムーンベースから3機の「インターセプター」が発進。

先端に核弾頭を搭載したミサイルによる迎撃シーンは、アンダーソン作品ならではの迫力と美しさを兼ね備えています。

しかし、UFOは撃墜を免れ、大気圏内に突入。

続いて出動したのが、潜水艦の先頭部分が分離して戦闘機となる「スカイワン」です。

パイロットのピーター・カーリン大尉による追撃の末、ついにUFOはジャングルへと墜落します。

この一連の流れにより、SHADOが持つ科学力と軍事力が視聴者に鮮烈に印象付けられました。

衝撃の結末:明かされた宇宙人の目的

墜落現場に急行したストレイカーたちは、そこで生き残った宇宙人を捕獲します。これがタイトルにある「捕虜第一号」です。

SHADO本部の医療室へ搬送された宇宙人は、人間に酷似した姿をしていましたが、その皮膚は緑色に変色していました。

しかし、検視の結果、驚愕の事実が判明します。

緑色の皮膚は、地球の大気や液体中での呼吸に耐えるための特殊な殺菌液による染料であり、その下の皮膚は人間と同じ肌色だったのです。

さらに、宇宙人の体内からは、行方不明になっていた地球人の心臓や肺などの臓器が発見されます。

彼らは自身の肉体の衰えを補うため、地球人を誘拐し、その臓器を移植して生きながらえていたのです。

「侵略の目的は資源でも領土でもなく、我々の肉体そのものだった」

このあまりにグロテスクで救いのない真実は、当時の子供たちに強烈な恐怖を与え、本作を単なる勧善懲悪のヒーローものとは一線を画す「大人向けSF」へと昇華させました。

アンダーソン美学の結晶

第1話には、シルヴィア・アンダーソンがデザインした斬新な衣装や美術もふんだんに登場します。

ムーンベースの女性隊員たちが被る紫色のカツラ、ストレイカーが乗り回す近未来的な乗用車、そして網目のシャツなど、1970年代から見た「未来」のデザインは、今見てもレトロフューチャーとしての完成度が極めて高いものです。

『謎の円盤UFO』参考動画

『謎の円盤UFO』第1話のまとめ

『謎の円盤UFO』第1話「宇宙人捕虜第一号」は、SHADOという組織の魅力的な構造と、宇宙人との戦いが「生存をかけた種族間の戦争」であることを冷徹に提示しました。

ストレイカー司令官の冷徹な判断の裏にある苦悩や、犠牲を伴いながらも地球を守り抜くという重いテーマは、現代の視聴者の心にも深く刺さるはずです。

もし、まだご覧になっていない方は、CG以前の特撮技術の粋を集めたミニチュアワークと、英国俳優たちの渋い演技が織りなすこの傑作を、ぜひその目で確かめてみてください。

それは、あなたのSF観を大きく変える体験になるかもしれません。

関連トピック

エド・ストレイカー司令官:SHADOの冷徹な指揮官。金髪の短髪と感情を押し殺した演技が特徴で、演じたエド・ビショップの代表作。

SHADO(シャドー):映画会社の地下に極秘裏に設置された地球防衛組織。隊員たちは映画スタッフとしての表の顔を持つ。

ジェリー・アンダーソン:『サンダーバード』『キャプテン・スカーレット』などを手掛けた英国のテレビプロデューサー。特撮人形劇の巨匠。

スカイダイバー:SHADOの海中・空中兼用兵器。潜水艦の艦首部分が戦闘機(スカイワン)として分離・発進するギミックが大人気。

関連資料

謎の円盤UFO ブルーレイ・コレクターズ・ボックス:全26話を高画質で収録した完全版。未公開シーンやメイキング映像も豊富。

プラモデル「インターセプター」:アオシマやバンダイから発売された、劇中に登場する迎撃機の模型。

CD「謎の円盤UFO オリジナル・サウンドトラック」:バリー・グレイによる重厚かつスリリングな劇伴を収録したアルバム。

タイトルとURLをコピーしました