YouTubeで見る「V(ビジター)」!80年代SFドラマの衝撃作を徹底解説
「V(ビジター)」の概要
『V』(ビジター)は、1980年代にアメリカで制作され、世界中で大きな反響を呼んだSFテレビドラマシリーズです。
物語は、ある日突然、巨大なUFO(マザーシップ)の大船団が世界中の主要都市上空に出現するところから始まります。
彼らは「ビジター」と名乗り、人類に友好的な異星人を装って地球に来訪しますが、その真の目的は地球の資源(特に水)と、食料としての人類を奪うことでした。
ビジターの正体(爬虫類型エイリアン)と恐るべき陰謀を知ったジャーナリストや科学者たちがレジスタンスを結成し、人類の存亡をかけて侵略者と戦う姿を描いています。
SFアクションとしての面白さに加え、ファシズムやプロパガンダといった社会的なテーマを寓話的に描いた点でも高く評価されました。
「V」衝撃のオリジナルオープニング (1983)
(※1983年のオリジナルミニシリーズのオープニング)
作品詳細(シリーズの変遷)
『V』シリーズは、いくつかの段階を経て制作されました。
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オリジナルミニシリーズ『V』(1983):
NBCネットワークで2部構成(合計約200分)のミニシリーズとして放送。監督・脚本はケネス・ジョンソン。突如現れた友好的なビジター、その裏に隠された侵略計画、そしてレジスタンスの結成までを描き、驚異的な視聴率を獲得。
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続編ミニシリーズ『V: The Final Battle』(1984):
NBCで3部構成(合計約270分)のミニシリーズ。レジスタンスの本格的な反撃と、ビジターの弱点である「赤い塵(Red Dust)」を用いた決戦までを描く。
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テレビシリーズ『V』(1984-1985):
1時間枠の連続ドラマシリーズ(全19話)。『The Final Battle』後の世界を舞台にしたが、1シーズンで終了。
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リメイク版『V』(2009-2011):
ABCネットワークで制作されたリブート版(全2シーズン、合計22話)。現代を舞台に設定を一新したが、2シーズンで終了。
日本では、オリジナルミニシリーズが日本テレビ系の『水曜ロードショー』で『V』『V・II』として分割放送され、大きな話題となりました。
「V」の主要キャスト
オリジナルシリーズ (1983-1985)
- マイク・ドノバン (Mike Donovan): マーク・シンガー (Marc Singer) – ビジターの正体を追うテレビカメラマン。レジスタンスの中心人物。
- ジュリー・パリッシュ (Dr. Juliet Parrish): フェイ・グラント (Faye Grant) – 生物学者。レジスタンスのリーダーの一人。
- ダイアナ (Diana): ジェーン・バドラー (Jane Badler) – 美しく冷酷なビジターの指揮官。ネズミを丸呑みするシーンが有名。
- リディア (Lydia): ジューン・チャドウィック (June Chadwick) – ダイアナと対立するビジターの士官。(テレビシリーズから登場)
- マーティン (Martin): フランク・アシュモア (Frank Ashmore) – 人類に協力するビジター(フィフス・コラム)。
- ウィリー (Willie): ロバート・イングランド (Robert Englund) – 温厚で人間的な心を持つビジター。レジスタンスに協力する。(『エルム街の悪夢』のフレディ役で有名)
リメイク版 (2009-2011)
- エリカ・エバンズ (Erica Evans): エリザベス・ミッチェル (Elizabeth Mitchell) – FBI対テロ部門のエージェント。レジスタンスの中心となる。
- アナ (Anna): モリーナ・バッカリン (Morena Baccarin) – ビジターの最高指導者。カリスマ性と冷酷さを併せ持つ。
- ライアン・ニコルズ (Ryan Nichols): モリス・チェストナット (Morris Chestnut) – 人類に協力するビジター(フィフス・コラム)。
- チャド・デッカー (Chad Decker): スコット・ウルフ (Scott Wolf) – ビジターのプロパガンダに利用されるジャーナリスト。
キャストの他の代表作品名
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マーク・シンガー:
- 『ビーストマスター (The Beastmaster)』シリーズ(映画)
- 『ダラス (Dallas)』(テレビドラマ)
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フェイ・グラント:
- 『オーメン2/ダミアン (Damien: Omen II)』(映画)
- 『ステート・オブ・グレース (State of Grace)』(テレビドラマ)
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ジェーン・バドラー:
- 『新スパイ大作戦 (Mission: Impossible)』(1988年版テレビドラマ)
- 歌手としての活動
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エリザベス・ミッチェル (リメイク版):
- 『LOST (Lost)』(テレビドラマ、ジュリエット・バーク役)
- 『レボリューション (Revolution)』(テレビドラマ)
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モリーナ・バッカリン (リメイク版):
- 『ファイヤーフライ 宇宙大戦争 (Firefly)』『セレニティー (Serenity)』(テレビドラマ/映画、イナラ役)
- 『GOTHAM/ゴッサム (Gotham)』(テレビドラマ、レスリー・トンプキンス役)
- 『デッドプール (Deadpool)』シリーズ(映画、ヴァネッサ役)
「V(ビジター)」の社会的評価と影響(まとめ)
『V』は、1980年代のSFブームの中でも特に異彩を放った作品であり、その衝撃的なビジュアル(ビジターの正体や人間を食べるシーンなど)と、社会的な寓意に満ちたストーリーで多くの視聴者に強烈な印象を残しました。
異星人の侵略というSF的な設定の中に、ナチズムやファシズムへの警鐘、メディアによる情報操作の恐怖といったテーマを巧みに織り交ぜ、単なるエンターテイメントにとどまらない深みを与えました。
特に、ジェーン・バドラー演じるダイアナは、SFドラマ史上屈指の魅力的な悪役としてカルト的な人気を獲得しました。
ミニシリーズの完成度の高さと比較されることが多いものの、シリーズ全体を通して、侵略者に対する抵抗という普遍的なテーマを描き、SFファンのみならず幅広い層に語り継がれる作品となっています。
「V(ビジター)」関連商品
あの衝撃を再び体験!
DVD / Blu-ray
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オリジナルミニシリーズ『V』、『V: The Final Battle』、そしてテレビシリーズ『V』のコンプリートDVD-BOXが、ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメントから発売されています。
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リメイク版『V』のシーズンごとのDVD/Blu-ray BOXもリリースされています。
書籍
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A・C・クリスピンなどによるノベライズ版が複数出版されていました(日本語訳もあり)。
模型 / フィギュア
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ビジターの兵士やキャラクターのフィギュア、マザーシップやシャトルの模型などが、少数ながら存在します。