『原潜シービュー号』の面白うんちく!展望窓の秘密、「怪獣路線」への変更、豪華声優陣まで徹底解説

『原潜シービュー号』の面白うんちく!展望窓の秘密、「怪獣路線」への変更、豪華声優陣まで徹底解説

『原潜シービュー号』の概要

『原潜シービュー号』(原題: Voyage to the Bottom of the Sea)は、1964年から1968年にかけてアメリカで放送されたSF特撮テレビドラマです。

「SFの帝王」と呼ばれたアーウィン・アレンが手掛けた初のテレビシリーズであり、彼の60年代SF4部作の幕開けを飾った作品です。

ガラス張りの展望窓を持つ未来的な原子力潜水艦「シービュー号」が、深海の謎や世界の危機に挑む物語は、日本でも大ヒットしました。

『原潜シービュー号』の詳細情報

アーウィン・アレンSFドラマの原点

本作は、1961年にアーウィン・アレン自身が製作・監督した同名の劇場版映画(邦題『地球の危機』)が元になっています。

この映画版が実質的なパイロット版となり、設定を新たにしてテレビシリーズ化されました。

『宇宙家族ロビンソン』『タイムトンネル』『巨人の惑星』といった他の有名なアレン作品よりも先に開始された、まさに「アーウィン・アレンSFドラマ」の原点と言える作品です。

シービュー号の魅力(展望窓とフライング・サブ)

シービュー号の最大の特徴であり、視聴者の憧れの的だったのが、艦首にある巨大なガラス張りの「展望窓」です。

ここから深海の神秘的な風景や、迫り来る脅威を眺めるシーンは、本作の象徴でした。

さらに、シーズン2からは艦底に円盤型の小型潜水艇「フライング・サブ(FS-1)」が搭載されました。

このフライング・サブは、水中を自在に航行するだけでなく、空中をもマッハ2で飛行可能という、まさに夢の万能メカでした。

シービュー号から発進し、海中から空へと飛び立つシーンは、当時の子供たちの心を鷲掴みにし、プラモデルも記録的な大ヒット商品となりました。

名物「怪獣路線」への大胆な方向転換

当初(シーズン1)は、冷戦時代を背景にしたスパイ活動や、海洋学的な謎解きを中心とした、比較的シリアスなSFサスペンスとしてスタートしました。

しかし、シーズン2から番組がカラー放送になるにあたり、視聴率対策として製作総指揮アーウィン・アレンの意向が強く反映され、より派手でエンターテイメント性の高い「怪獣路線」へと大きく方向転換します。

巨大なタコ、カニ、恐竜といった海の怪獣はもちろん、果ては宇宙人、幽霊、狼男、異次元人、生きたオモチャまで登場する奇想天外な展開となりました。

この「何でもあり」なストーリーは、初期のファンからは賛否両論ありましたが、結果として番組の個性を決定づけ、アーウィン・アレン作品を象徴する「アレン節」として後世まで語り継がれています。

お得意の「セット流用」

本作のコントロールルームの廊下や、壁一面に点滅する巨大なコンピューターパネル、特徴的な丸いドアなどは、後に制作される『タイムトンネル』のコントロールセンターや、『宇宙家族ロビンソン』の宇宙船ジュピター2号の内部などに、そっくりそのまま(あるいは色を変えて)流用されています。

これは、低予算かつ短期間でSFドラマを量産したアーウィン・アレン作品に共通する「うんちく」であり、ファンにとっては作品間のつながりを見つける楽しみの一つとなっています。

日本での人気と豪華吹き替え陣

日本では1960年代にNET(現・テレビ朝日)系で放送され、特に少年層から絶大な支持を得ました。

その人気を支えたのが、重厚かつ豪華な吹き替え声優陣です。

厳格で威厳に満ちたネルソン提督(演:リチャード・ベースハート)を、納谷悟朗(『ルパン三世』の銭形警部役)が担当。

若きエリートであるクレーン艦長(演:デヴィッド・ヘディソン)を、初期には広川太一郎(『秘密指令S』のスチュワート役など)が担当し、知的で軽妙な魅力を加えました。

彼らの名演が、シービュー号の緊迫した航海をさらに盛り上げました。

参考動画

まとめ

『原潜シービュー号』は、60年代のSFブームと、アーウィン・アレンという稀代のプロデューサーの強烈な個性が融合して生まれた奇跡のような作品です。

シーズン1のシリアスな海洋サスペンスから、シーズン2以降の「何でもあり」な怪獣パニックショーへの大胆な変貌は、当時のテレビ界のダイナミズムを象徴しています。

展望窓から見える深海のロマンと、フライング・サブのメカニカルな魅力、そして毎週現れる突拍子もない脅威に胸を躍らせた記憶は、今も多くのファンの心に深く刻まれています。

関連トピック

アーウィン・アレン (Irwin Allen): 本作の製作総指揮。『宇宙家族ロビンソン』『タイムトンネル』『巨人の惑星』も手掛け、後に「パニック映画の巨匠」と呼ばれました。

フライング・サブ (Flying Sub): シービュー号に搭載された万能潜水艇。その洗練されたデザインと機能性で、メカニックとして非常に高い人気を誇ります。

宇宙家族ロビンソン (Lost in Space): 本作と同時期に放送されたアレン製作のSFドラマ。セットの流用など共通点が多いです。

SF特撮ドラマ: 1960年代に世界的にブームとなったテレビジャンルです。本作はその代表格の一つです。

関連資料

『原潜シービュー号』DVD-BOX: 全シーズンが収録されたコンプリートBOXが発売されています。

シービュー号 プラモデル: 当時物(オーロラ社、イマイなど)はプレミアがついていますが、メビウスモデルなどから精密な復刻・新規キットが発売されています。

フライング・サブ プラモデル: シービュー号本体と同様に、あるいはそれ以上にプラモデルが非常に人気で、現在も多くのメーカーから発売されています。

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