『ウエストワールド』の面白うんちく集!原作は『ジュラシック・パーク』の原点?難解なストーリーと衝撃の打ち切りまで徹底解説

『ウエストワールド』の面白うんちく集!原作は『ジュラシック・パーク』の原点?難解なストーリーと衝撃の打ち切りまで徹底解説

『ウエストワールド』の概要

『ウエストワールド』(原題: Westworld)は、アメリカのケーブルテレビ局HBOが製作したSFスリラードラマです。

西部劇の世界を体験できる近未来のテーマパークを舞台に、人間そっくりに作られたアンドロイド(ホスト)たちが「意識」に目覚め、創造主である人間に反旗を翻す姿を描いています。

J・J・エイブラムスやジョナサン・ノーランといった豪華製作陣による、哲学的な問いかけと幾重にも張り巡らされた謎、壮大なビジュアルで世界的な人気を博しましたが、多くの謎を残したままシーズン4で突然の打ち切りとなりました。

『ウエストワールド』の詳細うんちく

うんちく1: 原作は『ジュラシック・パーク』の生みの親

本作の原作は、1973年に公開された同名の映画『ウエストワールド』です。

そして、この原作映画の監督・脚本を務めたのが、『ジュラシック・パーク』の原作者であるマイケル・クライトンです。

「最新技術の粋を集めた夢のテーマパークが、システムの暴走によって惨劇の舞台と化す」という構図は、まさに『ジュラシック・パーク』の原点とも言える設定です。

ドラマ版は、このクライトンの核となるアイデアを元に、AIの「意識」や「自我」という哲学的なテーマを深く掘り下げています。

うんちく2: 製作陣が「アメコミ映画の頭脳」

本作の製作総指揮には、『LOST』や『スター・ウォーズ』新三部作を手掛けたJ・J・エイブラムスが名を連ねています。

さらに、企画・脚本・監督を務めるのは、『ダークナイト』『インターステラー』『パーソン・オブ・インタレスト』などで知られるジョナサン・ノーラン(クリストファー・ノーラン監督の弟)です。

ハリウッドのヒットメーカー二人がタッグを組むというだけで、このプロジェクトの巨大さが伺えます。

うんちく3: 桁外れの制作費

HBOは本作に莫大な予算を投じています。

シーズン1(全10話)の制作費は、約1億ドル(当時のレートで100億円以上)と報じられました。

これは、同じくHBOの看板番組であった『ゲーム・オブ・スローンズ』の初期シーズンを上回る規模です。

パイロット版(第1話)だけでも2500万ドルが費やされたとされ、その壮大な世界観の構築に一切の妥協がなかったことがわかります。

うんちく4: パークの「自動ピアノ」が語るテーマ

劇中、ウエストワールドの酒場で頻繁に登場する「自動演奏ピアノ(プレイヤー・ピアノ)」は、本作の重要なメタファーです。

このピアノは、プログラムされた譜面(=シナリオ)通りにしか演奏することができません。

これは、毎日同じ役割を演じ、記憶をリセットされ続ける「ホスト(AI)」たちの姿を象徴しています。

さらに、このピアノが演奏する曲は、西部劇時代にはあり得ないレディオヘッド(”No Surprises”)サウンドガーデン(”Black Hole Sun”)ザ・ローリング・ストーンズ(”Paint It, Black”)といった現代のロック曲のアレンジです。

これは、AIたちがプログラム(過去)された存在でありながら、その内側で現代的な「自我」や「苦悩」が芽生え始めていることを暗示しています。

うんちく5: シーズン1の鍵「迷路」の本当の意味

シーズン1を通して、ホストたちや「黒服の男」が追い求めた「迷路(The Maze)」。

それは物理的な場所ではなく、一種の「思考実験」でした。

かつてパークの共同創設者アーノルドが、ホストに「意識」を目覚めさせるために設計した「旅路」の象徴です。

ピラミッド型の思考(上からの命令)ではなく、自分自身の声(記憶と苦悩)に耳を傾け、内側へ内側へと向かうことで「自我」にたどり着く。

この「迷路の中心=意識の獲得」こそが、シーズン1の最大の謎でした。

うんちく6: 『ゲーム・オブ・スローンズ』とのクロスオーバー

シーズン3のあるエピソードでは、ファンを驚かせるカメオ出演がありました。

デロス社の施設内で、なんと『ゲーム・オブ・スローンズ』の製作総指揮者であるデヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスが、技術者役で登場します。

さらに彼らの背後には、同作に登場するドラゴン「ドロゴン」の巨大な模型が映り込んでおり、HBO作品同士の豪華な遊び心が話題となりました。

うんちく7: 突然すぎた「打ち切り」

本作はシーズン5、あるいはシーズン6での完結が構想されていました。

しかし、シーズン4の放送終了後、HBOはシーズン4をもってシリーズを打ち切ることを発表。

物語の核心であった「仮想世界(サブライム)」や人類の未来に関する多くの謎が未解決のまま、壮大な物語は突然の幕切れを迎えました。

莫大な制作費に見合う視聴者数が獲得できなかったことや、親会社ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの経営方針の転換が理由とされています。

参考動画

まとめ

『ウエストワールド』は、AIの反乱という古典的なSFテーマを、「意識とは何か」「人間性とは何か」という極めて哲学的な問いかけにまで昇華させた野心作です。

マイケル・クライトンのDNAを受け継ぎ、ジョナサン・ノーランら天才クリエイターによって複雑に構築された世界観は、多くの視聴者を魅了しました。

シーズン4での突然の打ち切りは多くのファンに衝撃を与えましたが、それ故に、残された謎について今なお議論が交わされ続ける「伝説のドラマ」となっています。

関連トピック

マイケル・クライトン: 原作映画『ウエストワールド』の監督・脚本であり、『ジュラシック・パーク』の原作者。

ジョナサン・ノーラン: 本作の企画・脚本・監督。映画『ダークナイト』『インターステラー』の脚本家でもあります。

J・J・エイブラムス: 本作の製作総指揮。『LOST』『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』などを手掛けたヒットメーカー。

HBO: 本作を製作したアメリカのケーブルテレビ局。『ゲーム・オブ・スローンズ』『チェルノブイリ』など高品質なドラマで知られます。

AI(人工知能): 本作の核心的なテーマ。ホストと呼ばれるAIアンドロイドの「意識」の目覚めを描いています。

関連資料

映画『ウエストワールド』 (1973年): マイケル・クライトンが監督・脚本を務めた原作映画。ドラマ版との違いを見比べるのも一興です。

映画『未来世界』 (1976年): 映画版『ウエストワールド』の続編。

ドラマ『パーソン・オブ・インタレスト』: ジョナサン・ノーランが製作総指揮を務めた別のSFドラマ。AIの暴走という共通のテーマを扱っています。

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