YouTubeで「タイムトンネル 世界の終わり(End Of The World)」
「世界の終わり」の概要
「世界の終わり(原題:End Of The World)」は、アーウィン・アレン製作の傑作SFドラマ「タイムトンネル」の第2話として、米国では1966年9月16日に放送されたエピソードです。
日本では第1話「過去との出会い」に続き、1967年4月8日にNHK総合テレビジョンで放送されました。
本作のあらすじは、第1話のラストで沈みゆくタイタニック号から辛うじて脱出(転送)させられたトニー・ニューマン博士とダグ・フィリップス博士が、次にたどり着いた場所から始まります。
彼らが転送された先は、1910年5月21日のアメリカ・アリゾナ州にある鉱山の町でした。
その日はまさに、76年ぶりに地球に最接近するハレー彗星が、地球に衝突し「世界の終わり」が来ると人々が信じ、パニックに陥っている日だったのです。
基地のコントロールルームからの情報で、彗星は衝突しないことが分かっているトニーとダグは、人々を落ち着かせようとします。
しかし、彗星の尾に含まれる有毒ガス(シアンガス)で地球の空気が汚染されるというデマ(当時実際に広まった迷信)を信じ込んだ町の保安官や住民たちは、パニック状態にあります。
さらに悪いことに、鉱山の監督官は、パニックを利用して鉱山を爆破し、事故に見せかけて保険金詐欺を企てていました。
トニーとダグは、人々を彗星の恐怖から救うだけでなく、爆破によって鉱山内に閉じ込められてしまった鉱夫たち(その中には、ハレー彗星を観測するためにやってきたアルパートン教授も含まれていました)を救出するため、崩落の危機が迫る坑内へと向かいます。
歴史的なパニックと人災が交錯する中で、二人の科学者の孤独な戦いが描かれます。
「タイムトンネル 世界の終わり」のクリップ
「世界の終わり」の詳細
「世界の終わり」は、「タイムトンネル」シリーズの第2話であり、監督はネイザン・ジュラン、脚本はウィリアム・ウェルチ(第6話「火山の島」も担当)が務めました。
第1話の「タイタニック号沈没」という歴史的大スペクタクルとは対照的に、本作は「1910年のハレー彗星パニック」という、実際にあった社会現象(集団ヒステリー)を題材にしています。
人々が彗星の毒ガスから逃れるために、洞窟や鉱山に避難しようとしたという史実が、物語の背景として効果的に使われています。
見どころは、閉鎖された鉱山(セット)を舞台にした緊迫感あふれる救出劇です。
崩落が迫る坑道でのサスペンスは、第1話とは異なる種類のスリルを視聴者に提供しました。
また、トニーとダグが未来人であるという証拠(トニーが持っていた1968年製の1セント硬貨)が、逆に彼らを危険に晒す(金塊を盗みに来たのではないかと疑われる)という展開も、タイムトラベルものの面白さが詰まっています。
基地のコントロールルームでは、アン博士たちが二人の転送先を特定し、彼らがハレー彗星の危険ではなく、鉱山事故の危険に直面していることを突き止め、必死のサポートを試みます。
「世界の終わり」の主なキャストと代表作品
主人公の二人と、パニックに陥る町の人々を演じたゲストキャスト陣です。
アンソニー・“トニー”・ニューマン博士 – 演:ジェームズ・ダーレン (James Darren)
情熱的な若き科学者。
崩落の危険がある鉱山にも、人々を救うために臆することなく飛び込んでいきます。
ダグラス・“ダグ”・フィリップス博士 – 演:ロバート・コルバート (Robert Colbert)
冷静なリーダー格の科学者。
パニックに陥る人々を論理的に説得しようと試みます。
ヘンダーソン (Henderson) – 演:ジェームズ・ウェスタフィールド (James Westerfield)
鉱山の監督官。
ハレー彗星のパニックに乗じて、鉱山を爆破し保険金詐欺を企む、このエピソードの悪役です。
- 代表作(映画):「野のユリ (Lilies of the Field)」
- 代表作(映画):「鳥 (The Birds)」(ガソリンスタンドの店員 役)
- 代表作(映画):「絞殺魔 (The Boston Strangler)」
ブレイン保安官 (Sheriff Brain) – 演:ジョン・ザレンバ (John Zaremba)
町の保安官。
「世界の終わり」を信じ込み、パニックに陥ってしまいます。
ジョン・ザレンバは、本作の基地のスタッフ、レイモンド・スウェイン博士役としてもレギュラー出演しており、このエピソードでは珍しく二役(ゲスト)を演じています。
- 代表作(ドラマ):「タイムトンネル」(スウェイン博士 役)
アルパートン教授 (Professor Alperton) – 演:サム・グルーム (Sam Groom)
ハレー彗星を観測するために町を訪れていた天文学者。
鉱山爆破に巻き込まれ、坑内に閉じ込められてしまいます。
- 代表作(ドラマ):「Dr.刑事クインシー (Quincy, M.E.)」
「世界の終わり」の評価とまとめ
「世界の終わり」は、第1話の海洋スペクタクルとは打って変わり、閉鎖空間でのサスペンスと人間ドラマに焦点を当てたエピソードです。
「世界の終わりが来る」という極限状態に置かれた人々のヒステリーや、それに乗じて悪事を働こうとする人間の姿を描き出しました。
トニーとダグは、歴史的な大災害だけでなく、このような人間の「愚かさ」や「パニック」とも戦わなければならないことが示されます。
また、タイムトンネル基地のスタッフであるジョン・ザレンバが、ゲスト悪役(に近い役)として登場するという、ユニークなキャスティングもファンにとっては見どころの一つです。
シリーズの多様性を示す、重要な一編と言えるでしょう。
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