YouTubeで話題「オーファン・ブラック 暴走遺伝子」カナダ版を徹底解説!あらすじ・キャスト(タチアナ・マスラニー)・評価まとめ
YouTubeで「オーファン・ブラック 暴走遺伝子」(カナダ版)
概要:クローンSFサスペンスの金字塔
『オーファン・ブラック 暴走遺伝子』(原題: Orphan Black)は、2013年から2017年にかけて放送された、カナダ製作のSFサスペンススリラーです。
物語は、孤児として育ち、荒んだ生活を送る主人公サラ・マニングが、駅のホームで自分と瓜二つの女性が列車に飛び込む姿を目撃するところから始まります。
その女性は、自分とは対照的に裕福な暮らしをしていた刑事ベス・チャイルズでした。
サラは借金から逃れ、愛する娘と新しい生活を始めるため、死んだベスの身分、預金、そして恋人までも奪い「なりすまし」を試みます。
しかし、それは想像を絶する巨大な陰謀の入り口に過ぎませんでした。
ベスになりすましたサラは、自分たちと全く同じ顔を持つ「クローン」が他にも大勢存在すること、そして何者かによってそのクローンたちが次々と暗殺されているという衝撃の事実を知ります。
本作は、出自の全く異なるクローンたちが互いに協力し、自分たちを「監視」し「所有」しようとする巨大な科学機関や宗教団体と戦いながら、自らのアイデンティティと生存の権利を求めて奔走する姿を、緊迫感あふれる展開で描いています。
オープニング(公式クレジット)
詳細:作品の背景と展開
本作は、カナダのテレビ局Space(現:CTV Sci-Fi Channel)およびアメリカのBBC Americaで放送されました。
製作はカナダのTemple Street Productionsが担当し、クリエイターはグレアム・マンソンとジョン・フォーセットが務めました。
2013年3月に放送が開始されると、その独創的なストーリーと、後述する主演女優の驚異的な演技力が瞬く間に批評家から絶賛され、カルト的な人気を獲得します。
物語は緻密に構成されており、シーズンを重ねるごとにクローン技術の倫理的な問題、アイデンティティの探求、そして「自然(生まれ)」か「育成(育ち)」かという哲学的なテーマが深掘りされていきます。
ドラマは2017年のシーズン5をもって、全50エピソードで完結を迎えました。
その人気は国境を超え、日本を含む世界各国で放送されたほか、2017年には日本版リメイク(主演:知英)も制作されました。
さらに2023年には、本作と世界観を共有するスピンオフ・続編ドラマ『オーファン・ブラック:エコーズ』(Orphan Black: Echoes)が制作されるなど、シリーズ完結後もその世界は広がり続けています。
キャスト:主な登場人物と俳優
本作の最大の特徴は、主演のタチアナ・マスラニーが10以上の異なるクローンを一人で演じ分けている点です。
- サラ・マニング / ベス・チャイルズ / アリソン・ヘンドリックス / コシマ・ニーハウス / ヘレナ / レイチェル・ダンカン ほか:タチアナ・マスラニー
- フェリックス・ドーキンス(フィー):ジョーダン・ガヴァリス
- シボーン・サドラー(ミセスS):マリア・ドイル・ケネディ
- ポール・ディエルデン:ディラン・ブルース
- アート・ベル:ケヴィン・ハンチャード
- デルフィーヌ・コーミエ:エヴリーヌ・ブロシュ
キャストの代表作品名
- タチアナ・マスラニー (全クローン役):
- 『シー・ハルク:ザ・アトーニー』(テレビドラマ)
- 『ストロンガー ボストン、その光』(映画)
- 『ウーマン・イン・ゴールド 名画の帰還』(映画)
- ジョーダン・ガヴァリス (フェリックス役):
- 『デグラッシ: ザ・ネクスト・ジェネレーション』(テレビドラマ)
- 『シー・オブ・ツリーズ(原題:The Sea of Trees)』(映画)
- マリア・ドイル・ケネディ (ミセスS役):
- 『THE TUDORS〜背徳の王冠〜』(テレビドラマ)
- 『ダウントン・アビー(2019年劇場版)』(映画)
- 『デクスター 警察官は殺人鬼』(テレビドラマ)
まとめ:社会的評価とタチアナ・マスラニーの伝説的演技
『オーファン・ブラック』が他のSFサスペンスと一線を画し、「傑作」として高く評価される最大の理由は、主演女優タチアナ・マスラニーの圧巻の演技力にあります。
彼女は本作で、イギリス訛りのパンクな主人公サラ、神経質で保守的な主婦アリソン、理系オタクで心優しいコシマ、精神的に不安定で暗殺者のヘレナ、冷酷非情なエリートのレイチェルなど、性格、アクセント、仕草、出自のすべてが異なる10以上のクローンたちを、完璧に演じ分けました。
CG合成を駆使し「複数のクローンが同時に一室に存在する」シーンも頻繁に登場しますが、視聴者は彼女たちがすべて一人の人間によって演じられていることを忘れてしまうほどです。
この前人未到の演技は批評家から熱狂的な賛辞を受け、タチアナ・マスラニーは2016年の第68回プライムタイム・エミー賞において、並み居る強豪を抑え、ドラマシリーズ主演女優賞という最高の栄誉に輝きました。
SFドラマ、ましてやカナダ製作のドラマとしては異例の快挙でした。
また、作品の熱狂的なファンは「クローン・クラブ(Clone Club)」と呼ばれ、SNSを中心に強力なコミュニティを形成し、作品のテーマである多様性やアイデンティティに関する議論を活発化させました。
スリリングな陰謀論と、深い人間ドラマ、そして映画史に残る演技が融合した、唯一無二の傑作ドラマとして語り継がれています。
作品関連商品(DVD・配信情報)
『オーファン・ブラック 暴走遺伝子』は、日本国内でも視聴環境が整っています。
まず、全5シーズンを収録したDVD-BOXおよびBlu-ray BOXがリリースされています。
タチアナ・マスラニーの神がかり的な演技の数々や、複雑な伏線が張り巡らされたストーリーをじっくりと楽しみたいファンにとって、これらの物理メディアは貴重なコレクションアイテムとなるでしょう。
また、HuluやAmazon Prime Videoなどの主要な動画配信サービス(VOD)でも、シーズン1からファイナルシーズンまでがレンタルまたは見放題で配信されている場合があります(※配信状況は時期によって変動します)。
さらに、作品の世界観を補完するコミックブックや、本作のサウンドトラック(音楽)もリリースされています。
前述の通り、続編にあたるスピンオフシリーズ『オーファン・ブラック:エコーズ』も制作されており、こちらも各配信サービスで視聴可能となっています。

