YouTubeで「ウィッチャー」

概要

ポーランドの作家アンドレイ・サプコフスキによる世界的ベストセラー小説を原作とした、Netflixオリジナルのダークファンタジー・ドラマです。
「天体の合」と呼ばれる現象によって怪物、人間、エルフらが入り乱れる混沌とした大陸を舞台に、変異体として怪物狩りを生業とする孤高の「ウィッチャー」リヴィアのゲラルト、強大な魔力を持つ魔術師イェネファー、そして危険な秘密を握る王女シリの3人が、運命の糸に手繰り寄せられ、大陸を揺るがす巨大な戦乱へと巻き込まれていく様を描いています。

オープニング

物語のダークで神秘的な雰囲気を象徴するオープニング映像はこちらです。

詳細

物語の舞台は、人間と非人間族(エルフ、ドワーフなど)が共存しつつも激しく対立し、魔法と怪物が実在する「大陸(The Continent)」です。
かつて「天体の合」という異次元交差現象が起き、世界には異形の怪物が解き放たれました。
これに対抗するため、魔法と過酷な人体実験「草の試練」を経て生み出されたのが、超人的な身体能力と長寿、そして魔法の印(サイン)を操る変異体「ウィッチャー」です。

主人公のリヴィアのゲラルトは、人々から忌み嫌われながらも、報酬と引き換えに怪物を狩ることで生計を立てています。
「感情を持たない」とされるウィッチャーですが、ゲラルトは旅の中で吟遊詩人のヤスキエルや魔女イェネファーと関わり、人間らしい葛藤や愛情を見せていきます。
物語は当初、異なる3つの時間軸で進行します。
1つ目はゲラルトの冒険、2つ目は脊椎に障害を持ち虐げられていた少女イェネファーが美貌と強大な魔力を手に入れるまでの過程、3つ目はシントラ王国の王女シリ(シリラ)がニルフガード帝国の侵攻により国を追われ、逃亡劇を繰り広げる様子です。

これら3つの物語は「驚きの法」という運命の契約によって交差し、やがて一つの大きな奔流となります。
特に「驚きの法」は物語の核であり、「予期せず家に帰って見つけたもの(子供など)を与える」という約束により、ゲラルトとシリは義理の親子以上の強い絆「運命」で結ばれます。
シーズンが進むにつれ、シリの血に眠る「古き血脈(エルダーブラッド)」の力が明らかになり、彼女の力を利用しようとするニルフガード帝国、北方諸国、そして異次元の幽鬼「ワイルドハント」など、あらゆる勢力がシリを狙い始めます。
ゲラルトはシリを守るため、自身の故郷でありウィッチャーの砦である「ケィア・モルヘン」へ彼女を連れて行き、戦闘訓練を施します。

重厚な世界観と複雑な政治劇、そして魔法と剣が交錯する迫力のアクションシーンは『ゲーム・オブ・スローンズ』に次ぐファンタジー超大作として高く評価されています。
また、主演のヘンリー・カヴィル自身が大の原作ファン・ゲームファンであり、彼の演じるゲラルトの声色や剣技は、原作への深いリスペクトに溢れています(※シーズン3をもってカヴィルは降板し、シーズン4からはリアム・ヘムズワースがゲラルト役を引き継ぐことが決定しています)。
ドラマ版は原作小説をベースにしつつも独自の解釈や時系列の再構成を行っており、原作既読者やゲームプレイヤーにとっても新鮮な驚きを与え続けています。

キャスト

  • リヴィアのゲラルト:ヘンリー・カヴィル(S1-3)、リアム・ヘムズワース(S4-)
  • ヴェンガーバーグのイェネファー:アーニャ・シャロトラ
  • シリラ(シリ):フレイヤ・アーラン
  • ヤスキエル(ダンディリオン):ジョーイ・ベイティ
  • ティサイア・ド・ブリエス:マイアンナ・バーリング
  • カヒル:エイモン・ファーレン
  • フリンギラ・ヴィゴ:ミミ・ンディウェ
  • トリス・メリゴールド:アナ・シェイファー
  • ヴィルゲフォルツ:マヘシュ・ジャドゥ
  • ヴェセミル:キム・ボドゥニア

キャストの代表作品名

  • ヘンリー・カヴィル:『マン・オブ・スティール』、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』、『コードネーム U.N.C.L.E.』
  • リアム・ヘムズワース:『ハンガー・ゲーム』シリーズ、『インデペンデンス・デイ: リサージェンス』
  • アーニャ・シャロトラ:『ワンダーラスト: 幸せになるためのセラピー』、『アガサ・クリスティー ABC殺人事件』
  • フレイヤ・アーラン:『ガンパウダー・ミルクシェイク』、『猿の惑星/キングダム』
  • ジョーイ・ベイティ:『ホワイト・クイーン 白薔薇の女王』、『ナイトフォール -悲運の騎士団-』
  • マイアンナ・バーリング:『ディセント』、『トワイライト・サーガ』シリーズ

まとめ

Netflixドラマ『ウィッチャー』は、配信開始直後から世界中で記録的な視聴数を獲得し、Netflixの歴代人気シリーズのトップランクに君臨し続けています。
特にシーズン1で劇中歌として歌われた「Toss A Coin To Your Witcher(ウィッチャーにコインを)」はSNSを中心に爆発的なバイラルヒットとなり、様々なカバー動画が投稿される社会現象となりました。
批評家からは、時系列の複雑さについて賛否が分かれたものの、壮大な世界観の構築とアクションの質、そして何よりヘンリー・カヴィルのカリスマ性あふれる演技が絶賛されました。

本作の成功は、ポーランド発のファンタジー小説を世界的なIPへと押し上げ、原作小説の再評価や、CD Projekt Redが開発したゲーム版『ウィッチャー3 ワイルドハント』のプレイヤー数が再急増するなど、メディアミックス全体に巨大な相乗効果をもたらしました。
シーズン3でのヘンリー・カヴィルの降板はファンに大きな衝撃を与えましたが、キャスト変更を経たシーズン4以降、この壮大なサーガがどのように結末へと向かうのか、世界中の視線が注がれています。

作品関連商品

  • 原作小説:アンドレイ・サプコフスキ著『ウィッチャー』シリーズ(ハヤカワ文庫FT)
  • ゲームソフト:『ウィッチャー3 ワイルドハント』(PS4/PS5/Switch/PC/Xbox)
  • 関連映像作品:アニメ映画『ウィッチャー 狼の悪夢』、前日譚ドラマ『ウィッチャー 血の起源』
  • グッズ:ダークホース社製フィギュア(ゲラルト、シリ、イェネファーなど)、魔狼のメダル、設定資料集『ワールド・オブ・ウィッチャー』