伝説のドラマ『グリーン・ホーネット』(1966)!ブルース・リーが世界を魅了した神回エピソードと見どころを徹底解説
『グリーン・ホーネット』の概要
1966年から1967年にかけてアメリカで放送されたテレビドラマ『グリーン・ホーネット(The Green Hornet)』は、放送期間こそ1シーズン(全26話)と短かったものの、後のエンターテインメント界に計り知れない影響を与えた伝説的な作品です。
表向きは新聞社の若き社長ブリット・リード、裏の顔は指名手配犯を装いながら悪を討つ正義のヒーロー「グリーン・ホーネット」。
そして、何よりこの作品を不朽の名作にしたのは、主人公の助手カトー役を演じた若き日のブルース・リーの存在です。
当時、東洋人がアメリカのテレビドラマで準主役級の扱いを受けることは極めて異例であり、彼の繰り出す電光石火のカンフー・アクションは全米の視聴者に強烈な衝撃を与えました。
本記事では、往年のファンはもちろん、これから観る方にもおすすめしたい「必見のエピソード」や、ドラマの裏話、そして現代まで語り継がれるその魅力について詳しく解説します。
『グリーン・ホーネット』詳細と人気エピソード
作品のコンセプトと「バットマン」との違い
『グリーン・ホーネット』は、同時期に放送され大ヒットしていた『怪鳥人間バットマン(Batman)』の成功を受けて制作されましたが、その作風は大きく異なっていました。
コミカルで「キャンプ(安っぽい大げささ)」な演出が売りだったバットマンに対し、グリーン・ホーネットは「ハードボイルドでシリアスな犯罪ドラマ」として描かれています。
主人公たちは警察と協力する公認ヒーローではなく、「犯罪者として警察に追われながら、真の悪党を倒す」というダークヒーローのスタンスを貫いており、この緊張感が大きな魅力となっています。
必見!人気エピソード紹介
1. 第1話「消音銃殺人事件」(原題:The Silent Gun)
伝説の始まりとなる記念すべき第1話です。
物語の設定やキャラクターの関係性が凝縮されており、入門編として最適です。
新聞社「デイリー・センチネル」の社長ブリットが、なぜ犯罪者の汚名を着てまでヒーロー活動を行うのか、その動機と覚悟が描かれています。
もちろん、カトー(ブルース・リー)のアクションも初回から炸裂しており、無音で人を殺せる特殊な銃を巡るサスペンスフルな展開が見どころです。
2. 第10話「火を吐く空手」(原題:The Preying Mantis)
ブルース・リーのファンなら絶対に見逃せない、シリーズ屈指の「神回」です。
チャイナタウンの支配を目論む暗黒街の組織との戦いを描いており、敵の用心棒として登場するのは、後にアカデミー賞候補俳優となる名優マコ・イワマツ(マコ)。
彼が演じる「カマキリ拳法(蟷螂拳)」の使い手と、カトーの「詠春拳」が激突します。
通常のエピソードではカトーが一方的に悪党を倒す展開が多い中、この回では達人同士の本格的なマーシャルアーツ戦が繰り広げられます。
テレビドラマの枠を超えたこの格闘シーンは、後のカンフー映画ブームの原点とも言える映像です。
3. 第11話「人間狩り」(原題:The Hunters and the Hunted)
ハードボイルドな作風が最も色濃く出たエピソードの一つです。
「人間を狩る」ことを楽しむ異常な富豪たちに、グリーン・ホーネット自身が獲物として狙われるというスリリングなプロット。
単なるアクションだけでなく、罠と知略を駆使した攻防戦が展開され、愛車ブラック・ビューティー号のガジェット(装備)も活躍します。
伝説の愛車「ブラック・ビューティー」
このドラマを語る上で欠かせないのが、主人公たちの愛車「ブラック・ビューティー号」です。
1966年型クライスラー・インペリアルを改造したこの車は、フロントグリルから発射されるロケット弾、催涙ガス、後方から撒くオイル、そして小型偵察機(スキャナー)を装備しています。
バットモービルと並び、「世界で最もクールな劇中車」として今なおカーマニアから愛され続けています。
「バットマン」とのクロスオーバー
『グリーン・ホーネット』の人気を決定づけた要因の一つに、『バットマン』へのゲスト出演があります(『バットマン』第41話・42話)。
ゴッサム・シティに現れたグリーン・ホーネットとカトーが、バットマン&ロビンと対決するという夢の共演が実現しました。
当初の脚本ではバットマンが勝つ予定でしたが、ブルース・リーが「引き分けでなければ出演しない」と主張したため、カトーとロビンの戦いは互角のまま終わるという伝説的なエピソードが残っています。
『グリーン・ホーネット』の参考動画
まとめ
『グリーン・ホーネット』は、単なる60年代の懐古趣味的なドラマではありません。
それは、ブルース・リーという不世出のスターが世界に羽ばたくための「滑走路」であり、現代のスーパーヒーロー作品に通じる「ダークヒーロー」の先駆けでもありました。
特にカトーのアクションシーンにおける、カメラのフレームに収まりきらないほどのスピードとキレは、半世紀以上経った今見ても鳥肌が立つほどの迫力です。
主演のヴァン・ウィリアムズのダンディな魅力と、ブルース・リーの野性味、そしてブラック・ビューティー号の機能美。
これらが三位一体となったこの作品は、アクション映画の歴史を知る上で避けては通れない、まさに「映像の宝庫」と言えるでしょう。
関連トピック
ブルース・リー: カトー役でブレイクした伝説のアクションスター。彼の死後、このドラマを再編集した映画が公開されるほどの人気を誇った。
ヴァン・ウィリアムズ: 主人公ブリット・リード役。端正なマスクで人気を博し、ブルース・リーとも生涯の友人関係を築いた。
ブラック・ビューティー: 劇中に登場するスーパーカー。クライスラー・インペリアルをベースにディーン・ジェフリーズがカスタマイズした。
怪鳥人間バットマン (1966): 同時期に放送されたアダム・ウェスト主演のドラマ。世界観を共有しており、クロスオーバーも果たした。
グリーン・ホーネット (2011): セス・ローゲン主演、ミシェル・ゴンドリー監督によるリメイク映画。カトー役はジェイ・チョウが演じた。
関連資料
Blu-ray『グリーン・ホーネット』: デジタルリマスター版で蘇った鮮明な映像で、当時の興奮を再体験できるボックスセット。
書籍『ブルース・リー トレジャーズ』: ブルース・リーの未公開写真や手紙などを収録した豪華本。カトー役時代の貴重な資料も含まれる。
DVD『バットマン・テレビジョン・シリーズ』: グリーン・ホーネットとカトーがゲスト出演した回を含む、60年代ポップカルチャーの金字塔。
モデルカー『ブラック・ビューティー』: オートアート社などから発売されている精密なダイキャストモデル。

