【FRINGE/フリンジ】オリビア・ダナム徹底解説!2つの世界を繋ぐFBI捜査官の能力と愛
「FRINGE/フリンジ」におけるオリビア・ダナムの概要
J.J.エイブラムスが製作総指揮を務め、カルト的な人気を誇るSFサスペンスドラマ『FRINGE/フリンジ』。
この物語の主人公であり、不可解な怪事件(パターン)に立ち向かうFBI捜査官が、オリビア・ダナム(演:アナ・トーヴ)です。
彼女は、超人的な記憶力と強い正義感を持つ優秀な捜査官ですが、物語が進むにつれて、自身の過去に行われた「実験」と、パラレルワールド(平行世界)を行き来する特殊能力の持ち主であることが判明します。
二つの世界、二人のオリビア、そしてウォルターとピーターという親子との絆。数奇な運命に翻弄されながらも、世界を救うために奔走した彼女の魅力を解説します。
詳細:2人のオリビアとコーテキシファンの謎
オリビア・ダナムは、単なる「強い女性捜査官」ではありません。彼女のキャラクターは、SFドラマ史上稀に見る複雑さと、女優アナ・トーヴの驚異的な演じ分けによって伝説となりました。
1. コーテキシファンと失われた子供時代
オリビアの強さと特殊能力の根源は、幼少期にあります。
彼女はフロリダ州ジャクソンビルで、ウォルター・ビショップ博士とウィリアム・ベルによる薬物実験「コーテキシファン実験」の被験者の一人でした。
この実験により、彼女はテレキネシス(念動力)や透視能力、そして何より「平行世界への移動(クロスオーバー)」能力を潜在的に持っています。
恐怖や怒りをトリガーとして発動するこの力は、彼女を苦しめると同時に、世界崩壊の危機を救う唯一の鍵となりました。
2. 「向こう側のオリビア(フォリビア)」との対比
本作最大の見どころは、アナ・トーヴによる「こちらの世界のオリビア」と「向こう側の世界のオリビア(通称:フォリビア/ボリビア)」の一人二役です。
- こちらのオリビア: 虐待された過去を持ち、内向的で真面目。あまり笑わず、スーツを好んで着用する。
- 向こう側のオリビア: 明るく外交的で、自信家。赤毛で、軍隊的な組織「フリンジ・ディビジョン」に所属し、私生活も奔放。
当初は敵対していた二人ですが、互いの人生や痛みを理解し、やがて奇妙な信頼関係を築いていく過程は圧巻です。特にシーズン3での入れ替わり劇は、視聴者をハラハラさせました。
3. ピーターとウォルターとの「家族」の絆
オリビアにとって、フリンジ・チームは単なる同僚以上の存在です。
天才だが狂気を孕んだ科学者ウォルター・ビショップは、かつて自分を実験台にした張本人ですが、共に事件を解決する中で、彼女はウォルターを許し、父親のような愛情を抱くようになります。
そして、ウォルターの息子ピーター・ビショップとの関係は、シリーズの主軸となるラブストーリーです。時空を超え、記憶を消されてもなお、互いを見つけ出そうとする二人の愛は、科学では説明できない「最強の定数」として描かれました。
4. アナ・トーヴの演技力
主演のアナ・トーヴは、この難役を見事に演じきりました。
髪型やメイクだけでなく、歩き方、声のトーン、視線の配り方ひとつで「今どちらのオリビアか」を瞬時に分からせる演技力は、批評家から絶賛されました。また、レナード・ニモイ演じるウィリアム・ベルの人格がオリビアに憑依した際の演技(口調や仕草が完全に老人男性になる)も、ファンの間では語り草となっています。
「オリビア・ダナム」参考動画
まとめ
オリビア・ダナムは、か弱さと強靭さ、冷徹さと深い愛情を併せ持ったヒロインでした。
彼女が戦ったのは、モンスターやマッドサイエンティストだけでなく、自分自身の「アイデンティティ」そのものでした。
最終シーズン、娘エッタのために全てを投げ出して戦う彼女の姿は、シーズン1の硬い表情からは想像もできないほど母性に溢れていました。
『FRINGE/フリンジ』は、科学のドラマであると同時に、オリビア・ダナムという一人の女性が「自分の居場所」を見つけるまでの魂の旅路でもあります。
関連トピック
ピーター・ビショップ(IQ190の天才であり、オリビアの恋人。実は向こう側の世界の住人である)
ウォルター・ビショップ(フリンジ・サイエンスの権威。オリビアに実験を行った過去を悔いている)
監視人(オブザーバー)(歴史を管理する未来人。オリビアの運命に深く関与する)
ウィリアム・ベル(マッシブ・ダイナミック社の創設者。オリビアを実験台にしたもう一人の人物)
関連資料
Blu-ray『FRINGE/フリンジ コンプリート・シリーズ』(全5シーズン、100話を収録したBOX)
書籍『SEPTEMBER’S NOTEBOOK — The Bishop Paradox』(劇中の監視人が持っていた手帳を再現した公式ガイドブック・洋書)

