『巨人の惑星』の面白うんちく!アーウィン・アレン最後のSFドラマ、莫大な制作費と巨大プロップの秘密、豪華声優陣を徹底解説

『巨人の惑星』の面白うんちく!アーウィン・アレン最後のSFドラマ、莫大な制作費と巨大プロップの秘密、豪華声優陣を徹底解説

『巨人の惑星』の概要

『巨人の惑星』(原題: Land of the Giants)は、1968年から1970年にかけてアメリカABCで放送されたSFテレビドラマです。

製作総指揮は「SFの帝王」と呼ばれたアーウィン・アレン。

1983年、ロンドンへ向かう亜光速旅客機「スピンドリフト号」が宇宙嵐に巻き込まれ、地球とそっくりだが全てのサイズが12倍という謎の惑星に不時着します。

乗客乗員7名(と犬1匹)は、巨大な昆虫や巨大な人間たちから逃れつつ、宇宙船の部品を集めて地球へ生還するためにサバイバルを繰り広げます。

日本では1969年から放送され、そのユニークな設定と特撮で人気を集めました。

『巨人の惑星』の詳細うんちく

うんちく1: アーウィン・アレンSFドラマの集大成と莫大な制作費

本作は、『宇宙家族ロビンソン』『原子力潜水艦シービュー号』『タイムトンネル』に続く、アーウィン・アレン製作による60年代SFテレビドラマ4部作の最後を飾る作品です。

集大成ということもあり、当時のテレビドラマとしては異例の巨額な予算が投じられました。

1エピソードあたりの制作費は約25万ドル(当時のレートで約9000万円)に達したとされ、これは60年代のテレビ番組の中で最も高額な制作費の一つでした。

うんちく2: 主役は巨人より「巨大な小道具」

本作の最大の見どころは、主人公たちが「小人」であることを視覚的に表現するための「巨大な小道具(プロップ)」でした。

俳優たちが巨大な人間に追われるシーンよりも、巨大な電話機、巨大な安全ピン、巨大なマッチ箱、巨大な鉛筆といった、精巧に作られた日用品のセットの中で逃げ惑うシーンにこそ、特撮の力が注がれました。

これらの巨大な小道具こそが、番組のリアリティを支える真の主役であり、同時に莫大な制作費の要因ともなっていました。

うんちく3: テーマ曲は巨匠「ジョン・ウィリアムズ」

『タイムトンネル』や『宇宙家族ロビンソン』(シーズン3)に続き、本作のダイナミックでスリリングなオープニングテーマ曲を作曲したのも、当時「ジョニー・ウィリアムズ」名義で活動していた、後の映画音楽の巨匠ジョン・ウィリアムズです。

アーウィン・アレン作品の多くで若き日の彼が才能を発揮しており、本作のテーマ曲もSFドラマ史に残る名曲として知られています。

うんちく4: 豪華すぎる日本版「レジェンド声優陣」

日本で本作の人気を支えた大きな要因が、今では考えられないほど豪華な吹き替え声優陣です。

全員が主役級という、まさに「声のドリームチーム」でした。

  • スティーブ・バートン機長(ゲイリー・コンウェイ):
    広川太一郎(『秘密指令S』のスチュワート役、『UFO』のフォスター大佐役など)

  • ダン・エリックソン副操縦士(ドン・マーシャル):
    田中信夫(『スパイ大作戦』の指令の声(2代目)、『コンバット!』のサンダース軍曹役など)

  • マーク・ウィルソン(ドン・マシスン):
    中田浩二(『電撃スパイ作戦』のクレイグ役、『宇宙戦艦ヤマト』の古代守役など)

  • フィッツヒュー(カート・キャズナー):
    熊倉一雄(『名探偵ポワロ』のポワロ役、『ゲゲゲの鬼太郎』の初代鬼太郎役など)

  • ヴァレリー・スコット(ディアナ・ランド):
    武藤礼子(『奥さまは魔女』のサマンサ役など)

  • バリー・ロックリッジ少年(ステファン・アーングリム):
    白川澄子(『サザエさん』の中島くん役、『ドラえもん』の出木杉くん(初代)役など)

うんちく5: 高額な制作費が招いた「突然の打ち切り」

莫大な制作費をかけて制作された『巨人の惑星』ですが、視聴率は期待したほどは伸びず、高額なコストが放送局の経営を圧迫しました。

その結果、人気や知名度とは裏腹に、わずか2シーズン(全51話)で打ち切りが決定してしまいます。

『タイムトンネル』と同様、最終回で主人公たちが地球に生還することはなく、彼らのサバイバルは永遠に続く…という形で物語は幕を閉じました。

参考動画

まとめ

『巨人の惑星』は、アーウィン・アレンが60年代に築き上げたSFテレビドラマの集大成であり、その壮大なビジョン(と予算)を「巨大な小道具」という形で表現した意欲作でした。

ジョン・ウィリアムズによる音楽、そして広川太一郎や熊倉一雄といった日本が誇るレジェンド声優陣による名吹き替えは、今もなお多くのファンの記憶に刻まれています。

わずか2シーズンで終わったにもかかわらず、その強烈なインパクトと魅力は、アーウィン・アレン作品の中でも特異な輝きを放ち続けています。

関連トピック

アーウィン・アレン (Irwin Allen): 本作の製作総指揮。『宇宙家族ロビンソン』『タイムトンネル』などを手掛け、後に『ポセイドン・アドベンチャー』『タワーリング・インフェルノ』で「パニック映画の巨匠」と呼ばれるようになります。

ジョン・ウィリアムズ (John Williams): 本作のテーマ曲を作曲した映画音楽の巨匠。

宇宙家族ロビンソン (Lost in Space): アーウィン・アレン製作のSFドラマ。本作とは「異星でのサバイバル」という共通点があります。

特撮(SFX): 本作では、巨大な小道具を使った合成撮影(オプティカル・プリンター)が多用されました。

関連資料

『巨人の惑星』コンプリートDVD-BOX: 全51話を収録。豪華声優陣による日本語吹き替えも収録されています。

アーウィン・アレン製作作品のDVD: 『宇宙家族ロビンソン』や『タイムトンネル』と見比べることで、アーウィン・アレン作品独特の作風や「お約束」を楽しむことができます。

ジョン・ウィリアムズ テレビ作品集CD: 『巨人の惑星』を含む、ジョン・ウィリアムズが手掛けた初期のテレビドラマテーマ曲を集めたサウンドトラック盤です。

広告
最新情報をチェックしよう!