【スパイ大作戦 うんちく】初代リーダーはフェルプスじゃなかった?テーマ曲と指令テープの秘密を徹底解説

【スパイ大作戦 うんちく】初代リーダーはフェルプスじゃなかった?テーマ曲と指令テープの秘密を徹底解説

『スパイ大作戦』の概要

『スパイ大作戦』(原題: Mission: Impossible)は、1960年代後半から70年代にかけて世界中で大ヒットしたアメリカのテレビドラマです。

日本でもそのクールな魅力と緻密なストーリー、そしてあの有名なテーマ曲で、幾度となく再放送されるほどの人気を博しました。

現在ではトム・クルーズ主演の映画『ミッション:インポッシブル』シリーズの原作として知られています。

しかし、この名作ドラマには、映画版しか知らない世代はもちろん、往年のファンでさえ「へぇ!」と唸るような「うんちく」や豆知識が数多く隠されています。

この記事では、『スパイ大作戦』の知られざるトリビアを徹底的に調査し、詳しく解説します。

『スパイ大作戦』の詳細うんちく

あの有名な指令シーンの「うんちく」

『スパイ大作戦』を象徴するシーンといえば、冒頭の指令シーンです。

リーダーが極秘の指令を受け取るあの場面には、いくつかの面白い「うんちく」があります。

「このテープは自動的に消滅する」は最初からではなかった?

「おはよう、フェルプス君(Good morning, Mr. Phelps.)」。

この呼びかけから始まる指令テープ(あるいはレコード)は、再生が終わると「なお、このテープは自動的に消滅する(This tape will self-destruct in five seconds.)」というナレーションと共に煙を上げて消滅するのがお決まりでした。

しかし、このあまりにも有名な演出は、実はシーズン1の最初からあったわけではないのです。

初期のシーズン1では、指令を聞き終えたリーダーに対し、「このテープ(またはレコード)を処分してくれ(Please dispose of this tape…)」と指示されるだけでした。

自動的に煙を上げて消滅する、あのアイコニックな演出が追加されたのは、シーズン2以降とされています。

この変更により、作戦の機密性の高さと緊迫感がより視覚的に強調されることになりました。

日本版独自の「爆発」オープニング

テーマ曲と共に流れるオープニング映像で、導火線に火がつき、最後に「スパイ大作戦」というタイトルロゴが爆発する演出を覚えている方も多いでしょう。

実はこの「爆発」の演出は、日本で放送される際に独自に追加されたもので、オリジナルのアメリカ版には存在しませんでした。

当時の日本のテレビ局の工夫が光る、視聴者の心を掴むための見事な演出だったと言えます。

名テーマ曲は「変拍子」の傑作

「タラララ、タラララ♪」という、一度聞いたら忘れられないあのオープニングテーマ曲。

この曲は、アルゼンチン出身の偉大な作曲家、ラロ・シフリンによって作られました。

この曲の最大の「うんちく」は、その「拍子」にあります。

実はこの曲、ポピュラー音楽では非常に珍しい「5/4拍子」という変拍子で書かれているのです。

通常の曲が4拍子(1, 2, 3, 4)や3拍子(1, 2, 3)で構成されているのに対し、5拍子(1, 2, 3, 4, 5)という割り切れないリズムが、スパイ活動の独特な緊張感、焦燥感、そしてスタイリッシュな雰囲気を見事に生み出しています。

この革新的な音楽がなければ、『スパイ大作戦』の魅力は半減していたかもしれません。

最大のうんちく?「初代リーダーはフェルプスではなかった」

『スパイ大作戦』のリーダーといえば、知的で冷静沈着な「ジム・フェルプス」以外に考えられない、というファンがほとんどでしょう。

ピーター・グレイブスが演じたフェルプスは、まさにシリーズの「顔」です。

しかし、驚くべきことに、彼はシーズン1からのリーダーではありませんでした。

シーズン1(1966年〜1967年)の初代リーダーは、スティーヴン・ヒルが演じた「ダン・ブリッグス」という人物だったのです。

ブリッグスはフェルプスとはまた違った、よりクールで影のあるキャラクターでした。

スティーヴン・ヒルが宗教上の理由(安息日の撮影を拒否したことなど)で制作側と対立し、1シーズンで降板。

その結果、シーズン2からピーター・グレイブス演じるジム・フェルプスが新たなリーダーとして登場しました。

日本ではシーズン2以降の放送や再放送が中心だったこともあり、「リーダー=フェルプス」のイメージが強く定着することになりました。

映画版『ミッション:インポッシブル』との衝撃的な関係

1996年、トム・クルーズ主演でリブートされた映画『ミッション:インポッシブル』は大ヒットを記録しました。

この映画はテレビ版の設定を引き継いでおり、お馴染みのテーマ曲やIMF(Impossible Missions Force)という組織名も登場します。

しかし、この映画にはテレビ版のファンにとって、非常に衝撃的で賛否両論を巻き起こす「うんちく」が仕掛けられていました。

なんと、テレビ版の絶対的ヒーローであったはずの「ジム・フェルプス」が、映画版では組織を裏切る「悪役」として登場したのです。

この設定変更は、長年のドラマファンからの強い反発を招きました。

フェルプスを演じたピーター・グレイブス自身も、このキャラクターの扱われ方に対して公に不快感を示したと伝えられています。

参考動画

まとめ

『スパイ大作戦』は、半世紀以上前の作品でありながら、その洗練されたストーリーテリング、魅力的なキャラクター、そして革新的な音楽によって、今なお色褪せない輝きを放っています。

今回紹介した「うんちく」は、その膨大な魅力のほんの一部に過ぎません。

初代リーダーの存在、テーマ曲の秘密、そして指令テープの演出の変遷など、知れば知るほど奥深い世界が広がっています。

トム・クルーズの超絶アクションが魅力の映画版も素晴らしいですが、その原点であるテレビ版は、知略とチームワークを駆使して難解なミッションを遂行する、スパイ・スリラーの金字塔です。

もし映画版しか観たことがないという方がいれば、ぜひこの機会にオリジナルのテレビシリーズにも触れてみてはいかがでしょうか。

きっと、そのクールな魅力の虜になるはずです。

関連トピック

『ミッション:インポッシブル』シリーズ(映画): トム・クルーズがイーサン・ハント役で主演する、言わずと知れた大ヒット映画シリーズです。テレビ版の「うんちく」を知った上で観ると、テーマ曲や組織設定など、オマージュと同時に、いかに大胆な再解釈が加えられたかが分かり興味深いです。

ラロ・シフリン: 『スパイ大作戦』のテーマ曲を生み出したアルゼンチンの作曲家・ピアニストです。彼は他にも『燃えよドラゴン』や『ダーティハリー』など、数多くの映画音楽史に残る名曲を手掛けています。

ピーター・グレイブス: ジム・フェルプス役で世界的なスターとなった俳優です。その知的で威厳のあるリーダー像は、『スパイ大作戦』の象徴となりました。後年、コメディ映画『フライングハイ』でシリアスな顔でギャグを連発し、新境地を開いたことでも知られています。

マーティン・ランドー: シーズン1~3で変装の達人「ローラン・ハンド」を演じた名優です。当初はゲスト出演の予定でしたが、その人気からレギュラーに昇格しました。後に映画『エド・ウッド』でアカデミー助演男優賞を受賞しています。

関連資料

スパイ大作戦 コンプリート・シリーズ [DVD/Blu-ray]: テレビシリーズ全話を網羅したボックスセットです。初代リーダー、ダン・ブリッグスが活躍するシーズン1から、フェルプス率いるIMFの活躍まで、その歴史をすべて追体験できます。日本語吹替版の有無は購入時にチェックすることをおすすめします。

「スパイ大作戦」オリジナル・サウンドトラック [CD]: ラロ・シフリンによる、あの5/4拍子の名テーマ曲や、劇中で使用されたスリリングなBGMを収録したアルバムです。音楽を聴くだけで、オープニングの導火線が目に浮かびます。

ミッション:インポッシブル 映画シリーズ [4K UHD/Blu-ray]: トム・クルーズ主演の映画シリーズ全作品。テレビ版とは異なるド派手なアクションと、イーサン・ハントの物語として楽しめます。テレビ版の「うんちく」を踏まえて、ジム・フェルプスの扱いを再確認するのも一興です。

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