【新旧艦長夢の競演】『スタートレック ジェネレーションズ』徹底解説!カークからピカードへ継承される魂と衝撃のラスト
『スタートレック ジェネレーションズ』の概要
1994年に公開された『スタートレック ジェネレーションズ』(原題:Star Trek Generations)は、映画版シリーズ第7作目にして、テレビシリーズ『新スタートレック(TNG)』のキャストによる初の劇場版作品です。
本作の最大のテーマは、タイトルの通り「世代交代」です。
冒頭、ジェームズ・T・カーク提督が消息を絶ってから78年後、ジャン=リュック・ピカード艦長率いるエンタープライズDの時代へと物語は引き継がれます。
時空を超えた異次元空間「ネクサス」を舞台に、決して交わるはずのなかった二人の伝説的な指揮官が出会い、共に戦う姿はファンにとってまさに夢の光景でした。
しかし、その代償として描かれた「カーク船長の死」や「エンタープライズDの壮絶な墜落」は、多くの観客に衝撃を与え、現在でも議論の的となっています。
なぜカークは死ななければならなかったのか? データ少佐が手に入れた「感情」とは?
シリーズの歴史が大きく動いた転換点となる本作の見どころを、あらすじから制作秘話まで余すことなく解説します。
『スタートレック ジェネレーションズ』の予告編
『スタートレック ジェネレーションズ』の詳細(徹底解説)
あらすじと世界観:二つの時代を繋ぐ「ネクサス」
物語は2293年、カーク提督、スコッティ、チェコフをゲストに迎えた新造艦「エンタープライズB」の処女航海から始まります。
祝賀ムードも束の間、謎のエネルギーリボンに捕らわれた難民船の救助に向かうも、船体は損傷。
カークは船を守るために破損したデッキへ向かい、エネルギーリボンの衝撃と共に宇宙へと消え、殉職扱いとなります。
時は流れて2371年(78年後)。ピカード艦長率いるエンタープライズDは、襲撃された観測所からソラン博士という科学者を救助します。
彼は78年前の難民船の生き残りであり、かつて触れたエネルギーリボンの中にある異次元「ネクサス」へ戻ることに執着していました。
ネクサスとは、時間の概念がなく、自分の望む喜びが永遠に続く「至福の楽園」です。
ソランは再びネクサスに入るため、その軌道を変えようと恒星を次々と爆破し、2億人が住む惑星系を犠牲にしようとしていました。
ピカードはソランを止めるべく奔走しますが、作戦は失敗。彼自身もネクサスへと取り込まれてしまいます。
そこでピカードが出会ったのは、78年前に死んだはずの、あの男でした。
夢の競演:カークとピカード、対照的なリーダー像
本作のハイライトは、ネクサスの中で薪を割るカークと、彼に協力を求めるピカードの対話です。
情熱的で直感型のカークに対し、知的で慎重なピカード。
全くタイプの異なる二人ですが、「義務(Duty)」に人生を捧げた男としての孤独と誇りを共有することで共鳴し合います。
「隠居を楽しむのも悪くない」と語るカークに対し、ピカードが説得を試みるシーン、そしてカークが再び制服(のようなジャケット)を羽織り、「楽しかったな(It was fun)」と冒険心を蘇らせる瞬間は、新旧ファンをつなぐ架け橋となりました。
見どころ:エンタープライズDの最期とデータの感情
本作のもう一つの主役は、データ少佐です。
彼はついに「感情チップ」を自身に移植し、人間のような感情を手に入れますが、恐怖やユーモアの制御ができず混乱します。
緊迫した戦闘中にジョークを言ってスベったり、恐怖で動けなくなったりするデータの姿は、コミカルでありながら「人間性とは何か」を問いかけます。
また、クライマックスにおけるエンタープライズDの戦闘シーンは圧巻です。
クリンゴンの攻撃によりワープコア(機関部)が暴走し、円盤部(第1船体)だけが分離して惑星ヴェリディアンIIIへ不時着します。
巨大な円盤が森林をなぎ倒しながら滑走していく特撮シーンは、ミニチュアワークの極致とも言える迫力で、映画史に残る墜落シーンとして語り継がれています。
制作秘話と賛否両論:カークの死について
当初の脚本では、カークはソランに背中から撃たれて死ぬ予定でした。
しかし、これに対しテスト試写で「英雄の死に方ではない」と批判が殺到。急遽、現在の「崩れ落ちる鉄橋の下敷きになる」というシーンが再撮影されました。
それでも「あっけない」「もっと華々しい最期があったはず」という声は根強くあります。
ウィリアム・シャトナー自身も後に「もう少しやりようがあったかもしれない」と語っていますが、同時に「橋(ブリッジ=艦橋)と共に死ぬ」というメタファーとしては象徴的だったとも評価されています。
また、当初はスポックとマッコイも登場予定でしたが、レナード・ニモイらが「カメオ出演程度なら意味がない」と断ったため、代わりにスコッティとチェコフが登場することになりました。
『スタートレック ジェネレーションズ』のキャストとキャラクター紹介
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ジャン=リュック・ピカード:パトリック・スチュワート/麦人
冷静沈着なTNGの名艦長。
本作では自身の家族(兄と甥)を火災で失い、ピカード家が自分の代で途絶えることに苦悩する人間的な一面が描かれます。 -
ジェームズ・T・カーク:ウィリアム・シャトナー/矢島正明
伝説の提督。
ネクサスの中ではかつて愛した女性との平和な生活を送っていましたが、ピカードの呼びかけに応じ、銀河を救うため「現役復帰」します。
最期の言葉「楽しかったな(It was fun… oh, my)」は、彼の人生そのものを表しています。 -
データ:ブレント・スパイナー/大塚芳忠
アンドロイドの少佐。
感情チップにより恐怖心を知ったことで、勇気の本当の意味を学びます。
探査船内で「ライフ・フォーム(生命体)」という陽気な歌を歌うシーンは必見です。 -
ドクター・ソラン:マルコム・マクダウェル/小林勝彦
ネクサスに取り憑かれたエル・オーリア人の科学者。
自分の幸福のためなら星系ごと破壊することも厭わない狂気の男ですが、失った家族への愛ゆえの行動でもあり、完全な悪とは言い切れない悲劇性を帯びています。 -
ガイナン:ウーピー・ゴールドバーグ/東美江
エンタープライズのバーテンダーであり、ソランと同じくネクサスを知る人物。
ピカードにネクサスの本質と脱出のヒントを与える重要な役割を担います。
『スタートレック ジェネレーションズ』のキャストの代表作品と経歴
パトリック・スチュワート(ピカード役)
ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー出身の名優。
『X-メン』シリーズのプロフェッサーX役としても世界的に有名です。
その威厳ある演技は、SFドラマの地位を一段高いものへと押し上げました。
マルコム・マクダウェル(ソラン役)
『時計じかけのオレンジ』のアレックス役で映画史に名を刻んだ伝説的俳優。
「カーク船長を殺した男」として、一部の熱狂的なファンから脅迫状を受け取ったという逸話があるほど、憎らしい悪役を見事に演じました。
『スタートレック ジェネレーションズ』のまとめ(社会的評価と影響)
『スタートレック ジェネレーションズ』は、興行的には成功を収め、その後のTNG映画シリーズ(『ファースト・コンタクト』など)への道を切り開きました。
新旧ファンを繋ぐという難しい課題に対し、完璧ではないにせよ、一つの回答を示した作品と言えます。
何より、カークからピカードへと精神的なバトンが渡された瞬間を目撃できるのは本作だけです。
エンタープライズDの喪失は悲劇でしたが、それは次作でのより強力な「エンタープライズE」の登場への布石でもありました。
終わりと始まりが交錯する、シリーズの歴史を語る上で避けては通れない重要作です。
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(最新のデジタルリマスターにより、エンタープライズDの墜落シーンやネクサスの幻想的な映像が鮮やかに蘇ります) - サントラ:デニス・マッカーシー作曲『Star Trek Generations』
(オープニングのコーラスが入った神秘的なテーマ曲や、効果音を含んだトラックなど、映画の雰囲気を堪能できる名盤) - 小説:『スタートレック ジェネレーションズ』(絶版・中古市場のみ)
(映画ではカットされたカークのスカイダイビングシーンや、心理描写が詳しく描かれています)

