【衝撃のどんでん返し】『プリズナーNo.6』第2話「ビッグベンの鐘」完全解説!完璧に見えた脱出計画の結末とは
『プリズナーNo.6』第2話「ビッグベンの鐘」の概要
カルト的人気を誇るイギリスのドラマ『プリズナーNo.6』の中でも、第2話「ビッグベンの鐘(原題:The Chimes of Big Ben)」は、サスペンスとしての完成度が極めて高く、シリーズ屈指の傑作として名高いエピソードです。
この回では、No.6が新たな囚人である女性「No.8」と協力し、芸術作品コンテストを利用した大胆かつ緻密な脱出計画を実行します。
美しいロマンス、海上でのスリリングな逃避行、そしてロンドンへの帰還…。
視聴者が「ついに脱出成功か?」と確信したその瞬間、タイトルの通り「ビッグベンの鐘」が残酷な真実を告げます。
本記事では、このエピソードのあらすじ、名優レオ・マッカーン演じるNo.2との心理戦、そしてテレビ史に残る「絶望のラストシーン」について徹底解説します。
第2話「ビッグベンの鐘」の詳細あらすじ
新たなNo.2と謎の美女No.8
今回のNo.2(レオ・マッカーン)は、No.6に対して強圧的な態度を取らず、友好的に接してきます。
そんな中、No.6は向かいのコテージに入居してきた美しい女性、No.8(ナディア)と出会います。
彼女はバルト海沿岸の国から来た元諜報員で、No.6と同様に辞職後に拉致されてきたと語ります。
最初は彼女をNo.2のスパイではないかと疑うNo.6でしたが、彼女が泳いで脱出を図ろうとする姿や、No.2に対する反抗的な態度を見て、次第に信頼を置くようになります。
芸術コンテストに隠された脱出計画
村では「芸術・工芸展覧会」が開催されることになり、No.6はNo.8と共に参加を決めます。
彼が出品したのは、現代芸術のような奇妙な形の木の彫刻。タイトルは「脱出(Escape)」です。
村人たちはそのタイトルを皮肉だと思って笑いますが、実はこの彫刻の中身は、海を渡るためのボートの部品を組み合わせたものでした。
「木工細工を作るふりをして、堂々と脱出用ボートを作る」。
この大胆不敵なアイデアは、No.6の知略の高さを示しています。
展覧会が終了した夜、二人は彫刻を海に浮かべ、ついに「村」からの脱出に成功します。
ロンドンへの帰還、そして尋問
海上で貨物船に拾われた二人は、紆余曲折を経てポーランドのグダニスクを経由し、ついにロンドンへ帰り着きます。
No.6は古巣である諜報部へ向かい、かつての上司である大佐と再会します。
大佐はNo.6を温かく迎え入れますが、「なぜ辞職したのか、その理由さえ話せばファイルは閉じられる」と、さりげなく辞職理由を聞き出そうとします。
安心しきっていたNo.6は、ついに口を開こうとします。
「私が辞職したのは…」
鳴り響く鐘の音と戦慄のラスト
その時、部屋の時計が鳴り、窓の外からはビッグベンの鐘の音が聞こえてきました。
No.6はふと腕時計を見ます。そして違和感を覚えます。
「ビッグベンの鐘は、前に聞いたときと同じだ」
さらに彼は、大佐のオフィスに置いてあるポーランドのミネラルウォーターに目を留めます。
疑念を抱いたNo.6は、鐘の音が鳴り止む前に、大佐に対して「No.2」と呼びかけます。
そして窓のカーテンを開け放つと、そこにあったのはロンドンの風景ではなく、録音された音と映像を流すセットでした。
オフィスのドアを開けると、そこは再びあの「村」の中だったのです。
No.8はNo.2の愛人であり、すべてはNo.6を油断させ、辞職理由を自白させるための壮大な演劇だったのです。
「だまされたな!」とNo.2は笑いますが、No.6は間一髪で秘密を漏らさず、不敵な笑みを返してその場を去ります。
『プリズナーNo.6』参考動画
第2話「ビッグベンの鐘」のまとめ
第2話「ビッグベンの鐘」は、No.6の知性と行動力、そしてそれを上回る「村」の狡猾さを描いた、スパイ・サスペンスの教科書のような傑作です。
「自由だと思っていた世界が、実は作り物だった」というテーマは、後の映画『トゥルーマン・ショー』や『マトリックス』にも通じるものがあります。
信頼、裏切り、そして偽りの自由。
このエピソードを見ることで、視聴者は完全に『プリズナーNo.6』という迷宮に囚われることになるでしょう。
関連トピック
レオ・マッカーン:No.2を演じた俳優。シリーズ中3回(別々のエピソードで)No.2として登場する唯一の人物であり、No.6を精神的に追い詰める演技は圧巻。
No.8(ナディア):No.6を騙すハニートラップ役として登場。演じたナディア・グレイの美貌と、裏切りが発覚した瞬間の冷徹な表情の対比が印象的。
抽象芸術:No.6が作った彫刻「Escape」。前衛的なデザインの中に実用的な機能を隠すというアイデアは、60年代アートシーンへのオマージュとも取れる。
関連資料
DVD『プリズナーNo.6 Collector’s BOX』:本エピソードを含む全話を収録。
書籍『The Prisoner: The Official Companion』:撮影に使われたセットの秘密や、脚本の変遷などが詳しく解説されている。

