YouTubeで「十戒」を見る前に知っておきたい情報まとめ
「十戒」とは? – あらすじと概要
「十戒」(原題: The Ten Commandments)は、1956年に公開されたアメリカ合衆国の映画です。
監督はスペクタクル映画の巨匠セシル・B・デミルが務めました。
旧約聖書の「出エジプト記」を壮大なスケールで映画化した歴史大作として、世界的に知られています。
物語は、ユダヤ人でありながらエジプトの王子として育てられたモーセが、神の啓示を受け、奴隷状態にあった同胞を率いてエジプトを脱出し、約束の地を目指す姿を描いています。
デミル監督のキャリアの集大成であり、最後の監督作品となりました。
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「十戒」の魅力とは? – 詳細なストーリーと見どころ
物語は、エジプトでユダヤ人の男子が殺害される中、一人の赤ん坊(モーセ)がナイル川に流され、エジプトの王女に拾われるところから始まります。
彼はエジプトの王子として、王位継承者であるラムセス(後のラムセス2世)と共に勇ましく成長します。
しかし、モーセは自身の出生の秘密を知り、ユダヤ人奴隷の苦難を目の当たりにします。
彼は同胞を救おうとしてエジプト人を殺害してしまい、砂漠へと追放されます。
追放先で羊飼いとして暮らしていたモーセは、ある日、シナイ山で燃える柴の中から神の声を聴きます。
神はモーセに、エジプトに戻り、ユダヤの民を奴隷の身分から解放するよう命じます。
神の杖を携えてエジプトに戻ったモーセは、ファラオとなったラムセスに対し、民の解放を要求します。
ラムセスがこれを拒否すると、エジプトは神が下した「十の災い」に見舞われます。
ナイル川が血に染まり、カエルやアブが大量発生し、疫病が流行し、最後にはエジプト中の長子が死に至ります。
この最後の災いで自らの息子を失ったラムセスは、ついにユダヤ人の出国を許可します。
しかし、モーセたちがエジプトを脱出した直後、ラムセスは心変わりし、大軍を率いて追撃を開始します。
紅海の手前で追いつめられたモーセたちですが、モーセが神に祈ると、海が真っ二つに割れ、海底に道が現れます。
ユダヤの民が海を渡り終えると、後を追ってきたエジプト軍の上で海は元に戻り、軍隊は飲み込まれてしまいます。
この「紅海が割れる」シーンは、当時の最先端の特殊効果(SFX)が駆使されており、映画史に残る伝説的な名場面として今も語り継がれています。
デミル監督は、このシーンのために大規模なセットと水槽、そして合成技術を用い、圧倒的なスペクタクル映像を創り出しました。
エジプトを脱出した後、モーセは再びシナイ山に登り、そこで神から直接「十戒」が刻まれた石板を授かります。
これは、民が守るべき契約(律法)となります。
しかし、モーセが山を下りている間、麓で待つ民は不安から金の子牛の像を作り、偶像崇拝にふけってしまいます。
これを見たモーセは激怒し、石板を叩きつけて破壊します。
映画は、神の怒りに触れた民が、罰として40年間荒野をさまようこと、そしてモーセ自身も約束の地カナンに入ることなく、後継者ヨシュアに民を託して世を去るまでを描いています。
製作当時、ハリウッド史上最大級の製作費が投じられ、数万人に及ぶエキストラ、豪華絢爛な衣装、巨大なセットが用意されました。
テクニカラーで撮影された鮮やかな色彩と、エルマー・バーンスタインによる荘厳な音楽も、作品の壮大さを高めています。
「十戒」のキャストと声優陣
本作には、当時のハリウッドを代表するスターたちが集結しました。
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モーセ: チャールトン・ヘストン 
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ラムセス2世: ユル・ブリンナー 
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ネフェルティリ: アン・バクスター 
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セティ1世: セドリック・ハードウィック 
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デソラ(モーセの妻): イヴォンヌ・デ・カーロ 
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ヨシュア: ジョン・デレク 
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リリア: ニナ・フォック 
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バキア(モーセの養母): ジュディス・アンダーソン 
主要キャストの他の代表作品
主要キャストの他の代表的な出演作品を紹介します。
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チャールトン・ヘストン: - 
『ベン・ハー』(1959年) 
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『猿の惑星』(1968年) 
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『エル・シド』(1961年) 
 
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ユル・ブリンナー: - 
『王様と私』(1956年) 
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『荒野の七人』(1960年) 
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『アナスタシア(追想)』(1956年) 
 
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アン・バクスター: - 
『イヴの総て』(1950年) 
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『剃刀の刃』(1946年) 
 
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「十戒」の社会的評価と影響
「十戒」は、単なるエンターテイメント作品を超え、映画史における金字塔として位置づけられています。
公開されるやいなや世界中で空前の大ヒットを記録し、当時の興行収入記録を塗り替えました。
アカデミー賞では作品賞を含む7部門にノミネートされ、特に革新的であった特殊効果賞(紅海のシーン)を受賞しました。
セシル・B・デミル監督の演出は、聖書の物語が持つ宗教的な荘厳さと、人間ドラマ(モーセとラムセスの対立、ネフェルティリを巡る愛憎)を見事に融合させました。
チャールトン・ヘストンが演じたモーセ像は、威厳と苦悩を併せ持つ指導者として強い印象を残し、彼を不滅のスターダムに押し上げました。
また、ユル・ブリンナーの冷徹でカリスマ的なラムセス2世も高く評価されています。
本作が後世に与えた影響は計り知れません。
「紅海が割れる」シーンは、その後の多くの映画製作者にとってSFXの目標となり、現代のVFX技術の礎の一つとなりました。
また、キリスト教文化圏においては、聖書の物語を視覚的に体験できる教材的な役割も果たし、世代を超えて「出エジプト記」のイメージを決定づける作品となりました。
公開から半世紀以上が経過した現在でも、その圧倒的なスケール感、豪華な美術、そして普遍的なテーマ性は色褪せることがありません。
イースター(復活祭)の時期には欧米のテレビで頻繁に放送されるなど、今なお多くの人々に愛され続ける不朽の名作です。
「十戒」関連商品(DVD・グッズなど)
「十戒」はその人気から、様々なメディアで商品化されています。
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【Blu-ray/DVD】: 高画質・高音質で作品を楽しめるBlu-rayやDVDが各国でリリースされています。 特に、製作秘話やドキュメンタリー映像、デミル監督による1923年版のサイレント映画「十誡」が同時収録された特別版や、4K Ultra HD版などが人気です。 
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【書籍】: 映画の原作である旧約聖書「出エジプト記」はもちろん、映画の製作背景を詳細に綴ったメイキング本や、セシル・B・デミル監督の伝記などが関連書籍として挙げられます。 
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【サウンドトラック】: エルマー・バーンスタインによる壮大なオーケストラのスコアを収録したサウンドトラックCDも発売されています。 
 
                     
			 
						
						