PR

【衝撃のラスト】ミステリー・ゾーン屈指の神回「本を読む時間」を徹底解説!孤独な読書家が手に入れた「天国と地獄」

SF
この記事は約5分で読めます。

【衝撃のラスト】ミステリー・ゾーン屈指の神回「本を読む時間」を徹底解説!孤独な読書家が手に入れた「天国と地獄」

第1シーズン第8話「本を読む時間」の概要

「もし世界中の人がいなくなって、自分ひとりだけになったら?」

そんな孤独への恐怖と、同時に抱く「誰にも邪魔されずに好きなことをしたい」という密かな願望。その両方を極限まで描き、視聴者を戦慄させたのが、1959年放送の『ミステリー・ゾーン』第8話「本を読む時間(Time Enough at Last)」です。

主人公は、分厚い眼鏡をかけた冴えない銀行員、ヘンリー・ベミス。読書を愛する彼は、本を読むことを許さない世間や妻に虐げられていました。

本記事では、彼が核戦争後の世界で手に入れた「無限の時間」と、その先に待っていたあまりにも皮肉な運命(アンハッピー・エンド)について深掘りします。

なぜこのエピソードが半世紀以上経っても「シリーズ最高傑作」と謳われるのか、その理由に迫ります。

「本を読む時間」の詳細解説

1. 誰にも理解されない「読書家」の悲劇

物語の主人公ヘンリー・ベミス(演:バージェス・メレディス)は、とにかく本が大好きな男です。しかし、彼の周囲はそれを許しません。

銀行の窓口業務中に本を読めば、上司から「時間は金だ、読書など無駄だ」と叱責されます。

家に帰れば、ヒステリックな妻が待っています。彼女はヘンリーから本を取り上げ、詩集を破り捨て、新聞さえも読ませてくれません。

彼はただ静かに本を読みたいだけなのに、社会全体が彼を「変人」扱いし、疎外しています。この前半の描写が、視聴者に「ヘンリーにもっと自由を与えてあげたい」という強い共感(と同情)を植え付けます。

2. 核戦争と「世界で最後の男」

ある日の昼休み、ヘンリーは誰にも邪魔されずに新聞を読むため、銀行の地下にある頑丈な金庫室にこもり、鍵をかけます。

その直後、巨大な轟音と振動が彼を襲います。

彼が恐る恐る金庫の外に出ると、そこは廃墟でした。核戦争が勃発し、街は瓦礫の山となり、彼以外の人間はすべて死に絶えていたのです。

「私一人になってしまった……」

最初は絶望し、落ちていた拳銃で自殺すら考えたヘンリー。しかし、彼は瓦礫の中に「ある場所」が無事であることを見つけます。

それは「公共図書館」でした。

3. 至福の時、そして「不公平」な結末

図書館の前には、数え切れないほどの本が散らばっていました。シェイクスピア、ディケンズ、哲学書、詩集……。

食料も十分にあり、邪魔をする上司も妻ももういません。

「時間はたっぷりある(Time enough at last)!」

彼は歓喜し、これから続く人生を読書に費やせる幸福に震えます。月曜日にはこの作家、火曜日にはあの作家……と、本の山をカレンダーのように積み上げ、至福の読書タイムを始めようとしました。

しかし、本を拾おうとかがんだその瞬間。

彼の分厚い眼鏡が鼻から滑り落ち、コンクリートの地面に叩きつけられ、レンズが粉々に砕け散ってしまいます。

強度の近視である彼は、眼鏡なしでは文字はおろか、足元さえまともに見えません。

目の前には読みきれないほどの「宝の山」があるのに、それを読む手段だけが永遠に失われたのです。

「そんな……ひどいじゃないか。時間はたっぷりあるのに……!」

泣き崩れる彼の姿をカメラが引いていき、物語は幕を閉じます。

4. なぜこの結末は「神回」なのか?考察

このエピソードが評価される理由は、単なるバッドエンドではなく、「皮肉(アイロニー)」の切れ味が鋭すぎる点にあります。

  • 罰なのか、運命なのか?:ヘンリーは悪人ではありません。ただ本を読みたかっただけです。しかし、彼が望んだ「他者のいない世界」が実現した代償として、彼は「視力」という読書に不可欠なものを奪われました。
  • アンチ・インテレクチュアル(反知性主義)への風刺:前半で描かれる「本なんて読むな、働け」という社会の圧力。それがなくなった世界でもなお、知的な喜びは許されないのか? という絶望感が漂います。
  • バージェス・メレディスの名演:『ロッキー』のトレーナー役(ミッキー)でも知られる名優が、気弱な男が絶頂からどん底に突き落とされる様を完璧に演じています。

「本を読む時間」の参考動画

「本を読む時間」のまとめ

「本を読む時間」は、私たちに「願いが叶うことの恐ろしさ」を教えてくれます。

ヘンリーは孤独を望み、それを手に入れました。しかし、それはあまりにも残酷な形での成就でした。

もしあなたが「忙しくて時間がない、無人島でゆっくりしたい」と考えたことがあるなら、このエピソードは強烈な教訓となるでしょう。

欲しい物を手に入れた時、それを楽しむための「何か」を失っていないか。ロッド・サーリングが仕掛けたこの残酷な寓話は、現代人の心にも深く突き刺さります。

関連トピック

バージェス・メレディス:本エピソードの主演俳優。『ミステリー・ゾーン』には計4回出演しており、映画『ロッキー』や『バットマン(TV版ペンギン役)』でも有名。

冷戦時代の核恐怖:1959年という放送年は冷戦の真っ只中。核シェルターや「ボタン一つで世界が終わる」という恐怖がリアルだった背景がある。

シチュエーション・アイロニー:予想された結果とは正反対の結果が起こる劇作法。本作はその教科書的な例として脚本術でも引用される。

関連資料

原作小説:リン・ベナブル(Lynn Venable)による短編小説。ドラマ版とは細部が異なるが、テーマは共通している。

フィギュア「ヘンリー・ベミス」:眼鏡が割れた状態のヘンリーのアクションフィギュアなどが、コレクターズアイテムとして発売されている。

タイトルとURLをコピーしました