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【美醜の逆転】『ミステリー・ゾーン』屈指の衝撃回「みにくい顔」解説!あなたの「普通」が崩れ去る25分間

サスペンス・ミステリー
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【美醜の逆転】『ミステリー・ゾーン』屈指の衝撃回「みにくい顔」解説!あなたの「普通」が崩れ去る25分間

第2シーズン第42話「みにくい顔」の概要

1960年に放送された『ミステリー・ゾーン』第42話「みにくい顔(原題:The Eye of the Beholder)」は、シリーズの代名詞とも言える「どんでん返し」が見事に決まった伝説的なエピソードです。

舞台はある病院の一室。顔にぐるぐると包帯を巻かれた女性患者ジャネットは、「恐ろしく醜い顔」を治すための整形手術を受け、その経過を待っています。

本記事では、視聴者を完全に欺くカメラワークの秘密と、包帯が解かれた瞬間に突きつけられる「美の基準」に対する痛烈な皮肉を深掘りします。

なぜこのエピソードが、半世紀以上経った現代のルッキズム社会においてこそ必見なのか、その理由に迫ります。

「みにくい顔」の詳細解説

あらすじ:包帯の下の真実

1. 闇の中の手術

薄暗い病室。ベッドには顔全体を包帯で覆われた女性、ジャネット・タイラーが横たわっています。

彼女は「普通の人と同じ顔になりたい」と願い、国が認める最後の手術を受けていました。

彼女を看護する医師や看護師たちの顔は、巧みな照明やカメラアングル(影や背後からのショット)によって、決して視聴者には見えません。

彼らはジャネットに対し、「かわいそうに」「成功するといいが」と心からの同情を寄せます。

2. 運命の包帯除去

ついに包帯を外す時が来ました。医師が慎重にハサミを入れ、一枚ずつ布を剥がしていきます。

「失敗だ……何の変化もない!」

医師が絶望的な声を上げると同時に、ジャネットの素顔が露わになります。

しかし、画面に映し出された彼女の顔は、私たちの目から見れば「金髪の美女(演:ドナ・ダグラス)」そのものでした。

3. 明かされる「醜さ」の正体

パニックになり、「怪物!」と叫んで逃げ出すジャネット。彼女を追いかける医師や看護師たちの顔がついにアップで映し出されます。

彼らの顔は、豚のように鼻が低く潰れ、唇が垂れ下がった、私たちの基準では「醜悪」とされる顔立ちでした。

そう、この世界では「豚のような顔」こそが美しく正常であり、私たちにとっての美女は「見るに耐えない醜い顔」として差別される社会だったのです。

なぜ「神回」なのか?3つの見どころ

① 視聴者を欺く「カメラワークの魔術」

このエピソードの最大の功績は、包帯が取れるその瞬間まで、視聴者に「ジャネット=醜い怪物」「医師たち=普通の人間」と信じ込ませる演出力です。

医師たちの顔を影で隠し、声だけで「理知的で優しい人々」と印象づけることで、ラストの「豚の顔」の衝撃を何倍にも増幅させています。CGのない時代に、照明とアングルだけで世界観を構築した職人芸です。

② 全体主義への鋭い批判

病院のモニターには、独裁者のような指導者が映り、「統一こそが美徳」「個性は排除せよ」と演説しています。

この世界では「美」は個人の好みではなく、国家が決める「規格」なのです。ジャネットのように規格から外れた人間は隔離施設へ送られます。

美の追求というテーマの裏に、同調圧力や全体主義の恐ろしさを潜ませた脚本(ロッド・サーリング執筆)は圧巻です。

③ 原題「The Eye of the Beholder」の意味

原題は「Beauty is in the eye of the beholder(美は見る人の目の中にある=美しさは主観的なもの)」ということわざから来ています。

ラストシーン、ジャネットを迎えに来た「同じく醜い(=ハンサムな)男性」が彼女に言います。

「美しさなんてものは、どこにいるか、いつの時代かで変わるものだ」と。

このセリフは、絶対的だと思われている価値観がいかに脆いものであるかを、現代の私たちにも問いかけてきます。

「みにくい顔」の参考動画

「みにくい顔」のまとめ

「みにくい顔」は、私たちが無意識に持っている「普通」という概念を根底から覆します。

もし明日、美の基準が逆転したら? あなたは「美しく」いられるでしょうか。

差別、偏見、そしてルッキズム。社会派ドラマとしても一級品のこのエピソードは、『ミステリー・ゾーン』の奥深さを知るための最高の入門編です。

ラストシーンのジャネットの涙と、彼女が去った後の病室の静けさは、忘れられない余韻を残すでしょう。

関連トピック

ルッキズム(外見至上主義):外見によって人を評価・差別すること。本作はこの問題を60年前に予見していたとも言える。

カメラワーク:本作の監督ダグラス・ヘイesによる、あえて「見せない」ことで想像力を掻き立てる演出技法。

リメイク:2002年版や2019年版の『トワイライト・ゾーン』でもリメイクされたが、オリジナルのモノクロ版の陰影が生み出す不気味さは別格とされる。

関連資料

DVD『ミステリー・ゾーン』シーズン2:日本語吹き替え版も収録。

書籍『The Twilight Zone Companion』:各エピソードの詳細な解説書。

The Twilight Zone – Eye of the Beholder (very short cut) – YouTube
Yann van der Cruyssen · 6.8万 回の視聴

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