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【封印された名作】「タイムトンネル」だけじゃない!日本で放送されなかった海外ドラマの「幻のエピソード」徹底調査

うんちく
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【封印された名作】「タイムトンネル」だけじゃない!日本で放送されなかった海外ドラマの「幻のエピソード」徹底調査

海外ドラマ「日本未放送エピソード」の概要

先述の「タイムトンネル」同様、政治的・倫理的理由、あるいは放送当時の社会情勢により、日本での放送が見送られた海外ドラマのエピソードは他にも存在します。

本記事では、SFアンソロジーの金字塔『ミステリー・ゾーン(トワイライト・ゾーン)』や、人気コメディ『アルフ』などに存在する「日本未放送エピソード」を紹介。

なぜそれらは封印されたのか?その衝撃的な内容と、日系人俳優ジョージ・タケイも関わる歴史的背景について詳しく解説します。

名作ドラマに潜む「欠番」の詳細

名作に潜む「欠番」の謎

海外ドラマが日本で放送される際、単なる翻訳作業だけでなく、日本の放送コードや文化的な配慮(自主規制)に基づいた審査が行われます。

その過程で、過激な暴力描写、差別的な表現、あるいは模倣の危険がある行為などが含まれるエピソードは、カット(削除)されたり、放送回そのものが飛ばされたりすることがあります。

今回は、特に有名な2つの作品における「幻のエピソード」に焦点を当てます。

1. 『ミステリー・ゾーン(The Twilight Zone)』第151話「対決(The Encounter)」

1959年から放送され、タモリの『世にも奇妙な物語』の原点ともなった伝説のSFアンソロジー。この作品には、アメリカ本国でも長年「封印」され、日本でも地上波放送が見送られたといわれるエピソードが存在します。

【あらすじ】
舞台は現代(放送当時)のアメリカ。屋根裏部屋を整理していた元米兵フェントンの元に、庭師の日系人アーサー・タカモリがやってきます。

フェントンは太平洋戦争の際、日本兵から奪った「日本刀」を自慢げに見せますが、その刀には「持ち主を人殺しにする」という呪いがかかっていました。

やがて二人は部屋に閉じ込められ、フェントンは戦争のトラウマからタカモリを敵兵と錯覚し始めます。一方、タカモリもまた、真珠湾攻撃に関与したスパイだったという父の過去を告白し、二人の対立は殺し合いへと発展してしまいます。

【放送されなかった理由】
このエピソードで日系人アーサー・タカモリを演じたのは、後に『スタートレック』のミスター・カトー(スールー)役で有名になるジョージ・タケイでした。

しかし、物語の中で「日系人が真珠湾攻撃のスパイ活動に協力していた」という設定が描かれたため、アメリカの日系人団体などから「偏見を助長する」「歴史的事実と異なる」と猛烈な抗議が殺到しました。

その結果、アメリカ本国でも再放送のラインナップから外され、日本でも内容のデリケートさ(反日的な描写や差別問題)から、長らく「欠番」扱いとなっていました。

近年になり、CS放送やDVDボックスなどでようやく視聴可能となりましたが、地上波で流れることはまずない「曰く付き」の作品です。

2. 『アルフ(ALF)』第1シーズン「Try to Remember」

所ジョージの吹き替えでおなじみの、毛むくじゃらの宇宙人が居候するホームコメディ。家族みんなで楽しめる作品ですが、実は日本(NHK)での放送時にカットされたエピソードがあります。

【問題のシーン】
記憶喪失になったアルフが、記憶を取り戻そうとする過程、あるいは日常のドタバタの中で、「お風呂場に電気ミキサーを持ち込んでジャグジーにしようとする」というシーンが含まれていました。

【放送されなかった理由】
理由は明白で、「子供が真似をして感電死する危険性が極めて高いから」です。

当時のNHKは教育的配慮を非常に重視しており、たとえコメディ演出であっても、生命に関わる危険な行為を子供が見る時間帯に放送することは不適切だと判断されました。

このエピソードはアメリカ本国でも後に再編集版に差し替えられるなど問題視されており、日本版ではエピソードごと放送が見送られた(あるいは該当シーンが大幅にカットされた)と言われています。

3. その他:『X-ファイル』第4シーズン「ホーム(Home)」

日本で「未放送」ではありませんが、アメリカで「再放送禁止」になった伝説のエピソードとして有名です。

近親相姦や奇形、乳児殺害といったあまりにグロテスクでタブーに触れる内容だったため、初回放送後にFOXネットワークが再放送を拒否しました。

日本ではテレビ朝日系列で放送されましたが、そのあまりに陰惨な内容は視聴者に強烈なトラウマを残し、ファンの間では「最も怖いエピソード」として語り継がれています。

参考動画

まとめ

「放送禁止」や「未放送」という言葉には、どこか覗き見したくなるような背徳的な魅力があります。

しかし、その背景を探ると、当時の人種差別問題、戦争の傷跡、あるいは子供たちを守るための大人の配慮など、制作側や放送局の苦悩が見えてきます。

『ミステリー・ゾーン』の「対決」のように、数十年を経てようやく日の目を見る作品もあります。これらの「封印されたエピソード」を知ることは、単なる好奇心を満たすだけでなく、その時代の「正義」や「常識」を再確認する良い機会になるでしょう。

関連トピック

ウルトラセブン第12話: 「遊星より愛をこめて」。被爆者を連想させる表現があるとして、日本特撮史上最も有名な「永久欠番」となっているエピソード。

ポケモンショック: アニメ『ポケットモンスター』第38話「でんのうせんしポリゴン」。激しい点滅描写により多数の視聴者が救急搬送され、以降欠番となった事件。

ジョージ・タケイ: 日系アメリカ人俳優。自身の収容所体験などを語り継ぐ活動も行っており、『ミステリー・ゾーン』出演時のステレオタイプな役柄とは対照的なキャリアを歩んでいる。

放送コード: テレビ番組の内容を規制するための自主的なルール。時代とともに変化し、喫煙シーンやシートベルト未着用なども規制対象となることがある。

関連資料

DVD『ミステリー・ゾーン 傑作選』: 幻の「対決」などが収録されたコレクターズアイテム。

書籍『封印されたテレビ映像』: 放送禁止になった様々な番組の背景と真相を追ったノンフィクション。

ドラマ『アルフ』コンプリートDVD BOX: 日本で放送されなかったエピソードも特典や字幕版として確認できる完全版。

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