PR

【徹底解説】ザ・レイン全3シーズンの評価は?あらすじ・結末・海外の反応

SF
この記事は約21分で読めます。

「雨に触れたら数秒で死ぬ」。
そんな衝撃的な設定で話題を呼んだのが、Netflix初のデンマーク製オリジナルドラマ『ザ・レイン』(The Rain)です。
2018年から2020年まで全3シーズン・全20話で完結しているため、今から一気見するのにちょうどよい長さの作品です。

この記事では、作品の基本情報やあらすじはもちろん、英語圏のインタビュー記事から集めた撮影の裏話、キャストの経歴、海外での評価までを詳しく紹介します。
後半には結末の考察もありますが、ネタバレ部分ははっきり分けていますので、未見の方も安心して読み進めてください。

  • 『ザ・レイン』全3シーズンのあらすじと世界観(ネタバレなし)
  • 日本ではあまり知られていない制作秘話とキャストの素顔
  • Rotten TomatoesやIMDbなど海外での評価と、シーズンごとの評判の変化
  • 最終シーズンの結末と、その意味の考察(ネタバレあり)
  1. 『ザ・レイン』作品の基本情報
  2. 『ザ・レイン』の概要
  3. 予告編
  4. あらすじと世界観(ネタバレなし)
    1. シーズン1(2018年・全8話):生き残りを探す旅
    2. シーズン2(2019年・全6話):雨から「人」へと移る脅威
    3. シーズン3(2020年・全6話):姉と弟の決裂
  5. 『ザ・レイン』の見どころ
    1. 見どころ1:一瞬で命を奪う「雨」の恐怖演出
    2. 見どころ2:荒廃と再生が同居する北欧の風景
    3. 見どころ3:姉弟の絆と葛藤
    4. 見どころ4:テンポのよい短めのエピソード構成
  6. 制作秘話・トリビア
    1. 「数日の予定」が3か月になったシェルター撮影
    2. 軍人指導の24時間サバイバル訓練
    3. 死のけいれんはダンサーの振付
    4. 着想源は『ハンガー・ゲーム』と気候変動
    5. 実はコペンハーゲンは「雨の少ない都市」
    6. 5週間ではなく5か月:Netflixがもたらした制作環境
    7. 音楽は「物語より先」に議論された
    8. 2人の主演俳優をつないだ「特捜部Q」
  7. キャストとキャラクター紹介
    1. シモーネ・アンデルセン(演:アルバ・アウグスト)
    2. ラスムス・アンデルセン(演:ルーカス・リンゴー・トネセン/少年期:ベアテル・デ・ロレンツィ)
    3. マーティン(演:ミケル・ボー・フォルスゴー)
    4. パトリック(演:ルーカス・ロッケン)
    5. ジャン(演:ソニー・リンドベリ)
    6. レア(演:ジェシカ・ディネージ)
    7. ステン(演:ヨハネス・バー・クンケ)
    8. フィー(演:ナタリー・マドゥエノ)とサラ(演:クララ・ローサガー)
    9. キラ(演:エヴィン・アフマド)
  8. 主要キャスト・スタッフの経歴と代表作
    1. アルバ・アウグスト(Alba August)/シモーネ役
    2. ルーカス・リンゴー・トネセン(Lucas Lynggaard Tønnesen)/ラスムス役
    3. ミケル・ボー・フォルスゴー(Mikkel Boe Følsgaard)/マーティン役
    4. ヨハネス・バー・クンケ(Johannes Bah Kuhnke)/ステン役
    5. ヤニク・タイ・モショルト(Jannik Tai Mosholt)/クリエイター・ショーランナー
  9. 結末と考察(ネタバレあり)
    1. シーズン2までの重要な展開
    2. シーズン3の結末
    3. 考察:「守る」物語から「手放す」物語へ
  10. 海外の評価と反響
    1. 評価スコア(2026年11月時点)
    2. 受賞・ノミネート歴
    3. 批評家の評価のポイント
    4. 世界での反響と、その後の影響
  11. よくある質問(FAQ)
    1. Q. 『ザ・レイン』のシーズン4はありますか?
    2. Q. 『ザ・レイン』はどこで見られますか?
    3. Q. 日本語吹替版はありますか?
    4. Q. 全部で何話ありますか?一気見にはどのくらいかかりますか?
    5. Q. 原作はありますか?実話ですか?
  12. まとめ
  13. 関連商品
  14. 参考リスト
    1. 共有:

『ザ・レイン』作品の基本情報

項目 内容
原題 The Rain
邦題 ザ・レイン
制作国 デンマーク
配信年 2018年(シーズン1)〜2020年(シーズン3)
ジャンル ポストアポカリプス、SFスリラー、青春サバイバルドラマ
クリエイター ヤニク・タイ・モショルト、エスベン・トフト・ヤコブセン、クリスチャン・ポタリヴォ
ショーランナー ヤニク・タイ・モショルト、クリスチャン・ポタリヴォ
監督(シーズン1) ケネス・カインツ、ナターシャ・アーシー
音楽 Av Av Av
制作会社・配信元 Miso Film/Netflix
シーズン数・話数 全3シーズン・全20話(S1:8話、S2:6話、S3:6話)、1話あたり約35〜48分
日本での視聴方法 Netflixで独占配信中(2026年11月時点)

『ザ・レイン』の概要

『ザ・レイン』は、Netflixにとって初のデンマーク製オリジナルシリーズです。
Netflixは2017年6月26日にデンマークで撮影を始めたと発表し、撮影はデンマークとスウェーデンで行われました。
制作は、北欧ドラマ『1864 デンマーク戦争』などで知られる制作会社ミソ・フィルム(Miso Film)が担当しています。

脚本の中心を担ったヤニク・タイ・モショルト(Jannik Tai Mosholt)は、デンマークの政治ドラマ『コペンハーゲン/首相の決断』(Borgen)や、Netflixでも配信された『リタ』(Rita)、『フォロー・ザ・マネー』に参加してきた脚本家です。
モショルトは制作発表時、「文明はとても移ろいやすく、何千年もの生存競争の上に薄く広がった層にすぎない」という趣旨のコメントを出しています。
文明がなくなったとき人間はどう振る舞うのかを、若者の目を通して描きたいというのが出発点でした。

北欧の映像作品といえば、陰鬱な刑事ものや「北欧ノワール」を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし本作は、ウイルス入りの雨で人類がほぼ消えた後の世界を舞台にした、若者たちのサバイバルと成長の物語です。
海外メディアでは『ウォーキング・デッド』や『28日後…』と比較され、10代〜20代の若者が主人公になる「YA(ヤングアダルト)もの」としての色合いも強い作品です。

各話が40分前後とコンパクトで、展開も速いため、終末ものが好きな方はもちろん、重すぎない海外ドラマを一気見したい方にもおすすめです。
一方で恋愛や仲間内の対立といった青春ドラマの要素も多いので、『ハンガー・ゲーム』や『The 100/ハンドレッド』のような作品が好きな方には特に合うでしょう。

予告編

あらすじと世界観(ネタバレなし)

舞台はデンマークの港町ヴォーディングボー(Vordingborg)。
高校生のシモーネは、ある日突然学校に現れた父フレデリクに連れ出され、母と弟のラスムスとともに森の中の地下シェルター(バンカー)へ逃げ込みます。
科学者である父は「自分にしか止められない」と言い残して防護服で外へ出て行き、その直後、空から雨が降り始めます。

この雨には致死性のウイルスが含まれており、雨に触れた人は激しいけいれんを起こして数秒で死んでしまいます。
シモーネとラスムスは、父が戻るのを信じてシェルターで暮らし続けますが、気づけば6年が経過していました。
食料が尽きかけた2人は意を決して外に出ますが、そこにはかつての文明がほとんど残っていない世界が広がっていました。

物語の鍵を握るのが、父が勤めていた謎の企業「アポロン(Apollon)」です。
シェルターもアポロンのものであり、雨の正体とアポロンの関係が、シリーズ全体を貫く大きな謎になっています。
また、父がシモーネに残した「ラスムスを守れ」という言葉が、姉弟の運命を大きく左右していきます。

シーズン1(2018年・全8話):生き残りを探す旅

シェルターを出た姉弟は、マーティン率いる若い生存者グループと出会い、行動をともにすることになります。
一行は父の手がかりを追い、首都コペンハーゲンを経由してスウェーデンにあるアポロン本部を目指します。
各エピソードでメンバー1人の過去が回想で描かれる構成になっており、「6年間外の世界で何をしてきたのか」が少しずつ明らかになっていきます。
序盤はややスローですが、後半にかけて一気に加速する作りで、批評家からの評価もシリーズの中で最も高いシーズンです。

シーズン2(2019年・全6話):雨から「人」へと移る脅威

シーズン2では、物語の焦点が「雨」そのものから、ウイルスをめぐる人間同士の対立へと移っていきます。
新たに科学者のフィーと、病を抱える妹のサラが登場し、ラスムスとサラの関係が大きな軸になります。
雨の恐怖が薄れたことで物足りなさを感じた視聴者もいましたが、終盤の展開がシーズン3への強い引きになっています。

シーズン3(2020年・全6話):姉と弟の決裂

最終シーズンは、シーズン2の直後から物語が始まります。
人類をどう救うかをめぐって、シモーネとラスムスは正反対の立場に立つことになります。
SF色がぐっと強まり、「雨のドラマ」から「ウイルスと人類の未来をめぐる物語」へと姿を変えていくのが特徴です。

『ザ・レイン』の見どころ

見どころ1:一瞬で命を奪う「雨」の恐怖演出

本作の最大の発明は、ありふれた自然現象である雨を「死そのもの」に変えたことです。
空が曇るだけで登場人物たちに緊張が走り、雨宿りや水たまりといった日常の風景が一気にサスペンスになります。
雨に打たれた人がけいれんして倒れる描写は、後述するようにダンサーの振付による本格的なものです。

見どころ2:荒廃と再生が同居する北欧の風景

制作陣は、北欧ドラマにありがちな「灰色で陰鬱なトーン」から距離を置きたいと考えていました。
そのため、文明は崩壊しているものの、自然が大地を取り戻していく姿を映し、どこかに希望を感じさせる世界観を作り上げています。
人の消えたコペンハーゲンの街並みや、緑に覆われた森の映像は、本作ならではの美しさです。

見どころ3:姉弟の絆と葛藤

物語の中心にあるのは、姉シモーネと弟ラスムスの関係です。
「弟を守る」ことを生きる理由にしてきた姉と、守られるだけの存在から自分の意思を持つ若者へと変わっていく弟。
シーズンを追うごとに2人の関係がどう変化していくかは、最後まで見届けてほしいポイントです。

見どころ4:テンポのよい短めのエピソード構成

1話あたり35〜48分、全20話という長さは、海外ドラマとしてはかなりコンパクトです。
英国の映画情報サイトVODzillaのレビューでも、エピソードが短く引き締まっているため勢いが落ちない点が評価されていました。
週末だけで全シーズンを見終えることも十分可能です。

制作秘話・トリビア

「数日の予定」が3か月になったシェルター撮影

英NMEのインタビューによると、キャストは役づくりのためにシェルターのセットで数日過ごす程度のつもりでいました。
ところが実際にはシェルターでの撮影が3か月にも及び、ラスムス役のルーカス・リンゴー・トネセンは「もううんざりした」と振り返っています。
6年間閉じ込められた姉弟の閉塞感は、ある意味で本物だったのかもしれません。

軍人指導の24時間サバイバル訓練

キャストは撮影前に、デンマークの森で軍関係者2人の指導による24時間のサバイバル訓練を受けています。
食料も水も携帯電話もない状態で、火を起こし、葉から飲み水を集め、自力で道を探すという内容でした。
マーティン役のミケル・ボー・フォルスゴー(Mikkel Boe Følsgaard)は、開始40分で空腹に苦しみ、1人だったら生き残れなかっただろうと笑いながら語っています。

死のけいれんはダンサーの振付

雨に打たれた人が倒れる場面は、即興ではなく振付によるものです。
ダンサーがどの筋肉がどう反応するかを説明しながら動きを作って撮影し、劇中で「雨で死ぬ」役を演じる俳優は全員、この動きを覚えてからカメラの前に立ちました。

着想源は『ハンガー・ゲーム』と気候変動

モショルトは、脚本チームが『ハンガー・ゲーム』『ザ・ロード』『蠅の王』をよく話題にしていたと明かしています。
さらに、気候変動のニュースも大きなきっかけでした。
南アフリカ・ケープタウンの水不足を伝えるジャーナリストの話や、デンマークで雨が増えて雪が減っている実感から、「こうした事態は遠い未来の話ではない」と感じたそうです。

実はコペンハーゲンは「雨の少ない都市」

米ハリウッド・リポーター誌のレビューでは、評者が「デンマークは特に雨が多い国なのか」を調べたところ、コペンハーゲンは統計上ヨーロッパの主要都市の中でも雨が少ない部類だった、というユニークな指摘をしています。
雨を恐怖の象徴にした作品の舞台が、実は比較的乾燥した街だったというのは面白い事実です。

5週間ではなく5か月:Netflixがもたらした制作環境

フォルスゴーは南アフリカ紙の取材で、デンマークの通常のドラマ制作なら5週間ほどしかない準備期間が、Netflixとの仕事では5か月あったと語っています。
モショルト自身も、このスケールの作品はデンマークの一般的なテレビ局では実現しなかっただろうと話しており、Netflixの資金力が企画を成立させたことがうかがえます。
また、英語吹替版ではキャスト自身が自分の声を英語で吹き込んでいます。

音楽は「物語より先」に議論された

イタリアのメディアの取材でモショルトは、制作陣が物語より先に音楽について話し合い、視聴者を物語に引き込む「普遍的で不穏なサウンド」を目指したと語っています。
劇伴はデンマークの音楽ユニットAv Av Avが担当しました。
なお、シモーネ役のアルバ・アウグストは歌手としても活動しており、IMDbには劇中関連曲「We’re Not Gonna Make It」の歌い手としてクレジットされています。

2人の主演俳優をつないだ「特捜部Q」

ラスムス役のトネセンとマーティン役のフォルスゴーは、実は2013年のデンマーク映画『特捜部Q 檻の中の女』(The Keeper of Lost Causes)にも出演しています。
ファンの間では、フォルスゴーが同作で演じた役の名字が「リンゴー(Lynggaard)」で、トネセンのミドルネームと同じだという偶然も話題になりました。

キャストとキャラクター紹介

シモーネ・アンデルセン(演:アルバ・アウグスト)

本作の主人公で、ラスムスの姉です。
父から「弟を守れ」と託され、6年間のシェルター生活でもその言葉を支えに生きてきました。
責任感が強く、仲間の中でも冷静な判断を下すリーダー的存在ですが、弟への思いが強すぎるあまり、自分の気持ちを後回しにしてしまう一面もあります。
物語が進むにつれ、「守る」とは何かを問い直していく姿が大きな見どころです。

ラスムス・アンデルセン(演:ルーカス・リンゴー・トネセン/少年期:ベアテル・デ・ロレンツィ)

シモーネの弟で、父が「すべての鍵」と呼んだ少年です。
シェルターに入った時はまだ10歳ほどで、外の世界を知らないまま思春期を迎えました。
純粋で好奇心旺盛な一方、自分だけが特別扱いされることへの反発も抱えており、その感情がシリーズ後半の展開を大きく動かします。

マーティン(演:ミケル・ボー・フォルスゴー)

姉弟が出会う生存者グループのリーダーです。
当初は冷酷で信用できない人物に見えますが、元軍人らしい判断力で仲間を守ってきた現実主義者であることがわかってきます。
シモーネとの関係が深まるにつれ、厳しさの奥にある優しさが見えてくるキャラクターです。

パトリック(演:ルーカス・ロッケン)

マーティンの右腕的な存在で、グループの中でも特に血の気の多い青年です。
衝動的な行動でトラブルを起こすこともありますが、仲間思いな面も持っています。
後半では人間的に大きく成長し、フィーとの関係が描かれていきます。

ジャン(演:ソニー・リンドベリ)

グループの中でムードメーカー的な役割を担う青年です。
穏やかで人当たりがよく、緊張が続く旅の中で仲間の心を和ませる存在です。

レア(演:ジェシカ・ディネージ)

生存者グループの一員で、シーズン1〜2に登場します。
多くを語らない慎重な性格ですが、仲間を思う気持ちは人一倍強く、シーズン2では物語に大きな影響を与える選択をします。

ステン(演:ヨハネス・バー・クンケ)

アポロン側の人物で、シーズン1では脇役ですが、シーズン2からメインキャラクターになります。
目的のためには手段を選ばない冷徹さを持ち、姉弟の運命に深く関わっていきます。

フィー(演:ナタリー・マドゥエノ)とサラ(演:クララ・ローサガー)

シーズン2から登場する姉妹です。
姉のフィーは科学者で、ウイルスの研究に重要な役割を果たします。
妹のサラは病を抱えており、ラスムスと心を通わせていくことで物語の鍵を握る存在になります。

キラ(演:エヴィン・アフマド)

軍事的なスキルを持つ女性で、シーズン2からメインキャラクターになります。
戦術面の知識で一行を助ける頼れる存在として、英語圏のレビューでも評価されています。

主要キャスト・スタッフの経歴と代表作

アルバ・アウグスト(Alba August)/シモーネ役

1993年6月6日、コペンハーゲン生まれ、スウェーデン育ちの俳優・歌手です。
父は『ペレ』『愛の風景』でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを2度受賞したデンマークの名監督ビレ・アウグスト、母は『スター・ウォーズ』エピソード1・2でアナキンの母シミを演じたスウェーデンの俳優ペルニラ・アウグストという、北欧映画界のサラブレッドです。
8歳のころ、父の監督作で端役として映画デビューしています。

本作と同じ2018年には、『長くつ下のピッピ』の作者アストリッド・リンドグレーンの若き日を演じた映画『リンドグレーン』(Becoming Astrid)で主演を務め、高い評価を受けました。
『ザ・レイン』でのシモーネ役では、デンマーク映画アカデミーが主催するロバート賞(Robert Award)のテレビドラマ部門主演女優賞にノミネートされています。

ルーカス・リンゴー・トネセン(Lucas Lynggaard Tønnesen)/ラスムス役

2000年7月13日、コペンハーゲン生まれの俳優です。
子役としてキャリアを始め、デンマークのテレビシリーズや映画『特捜部Q 檻の中の女』などに出演してきました。
英NMEによると、キャスティングされた当時は17歳で、主演経験はありませんでした。
約4か月にわたるオーディションの末、アルバ・アウグストと一緒に受けたオーディションで「本物の姉弟のような空気」が生まれたことが決め手になったそうです。
なお、少年期のラスムスを演じたベアテル・デ・ロレンツィとは時間の都合で直接会えず、彼の撮影映像を見て役のルーツをつかんだと語っています。

ミケル・ボー・フォルスゴー(Mikkel Boe Følsgaard)/マーティン役

1984年5月1日、デンマークのボーンホルム島ロネ生まれの俳優です。
デンマーク国立演劇学校の在学中に、マッツ・ミケルセン、アリシア・ヴィキャンデルと共演した映画『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』(A Royal Affair)で精神を病んだ国王クリスチャン7世を演じ、デンマーク人俳優として初めてベルリン国際映画祭の銀熊賞(男優賞)を受賞しました。
受賞の2日後には学校に戻ったという逸話もあります。
デンマークの人気ドラマ『相続人たち』(Arvingerne)でもロバート賞助演男優賞を受賞しており、本作では荒々しいリーダー役で新境地を見せています。

ヨハネス・バー・クンケ(Johannes Bah Kuhnke)/ステン役

スウェーデンの俳優で、雪崩をきっかけに家族の関係が揺らぐ姿を描いたリューベン・オストルンド監督の映画『フレンチアルプスで起きたこと』(Force Majeure)の主演で国際的に知られています。
本作では、アポロン側の冷徹な人物を存在感たっぷりに演じています。

ヤニク・タイ・モショルト(Jannik Tai Mosholt)/クリエイター・ショーランナー

本作のヘッドライターであり、クリスチャン・ポタリヴォとともにショーランナー(制作の総責任者)を務めました。
『コペンハーゲン/首相の決断』『リタ』『フォロー・ザ・マネー』などの人気デンマークドラマに脚本家として参加してきた人物です。
共同クリエイターのエスベン・トフト・ヤコブセン(Esben Toft Jacobsen)は、『くまのがっこう』とは別の北欧アニメーション映画『The Great Bear』『Beyond Beyond』の監督として知られ、プロデューサーのクリスチャン・ポタリヴォ(Christian Potalivo)は『Dicte』などのドラマを手がけてきました。

結末と考察(ネタバレあり)

⚠️ここから先はネタバレを含みます

シーズン2までの重要な展開

シーズン1の終盤で、ラスムスの体内にこそウイルスがあり、彼が雨の秘密の中心にいることが明らかになります。
シーズン2の冒頭で父フレデリクはアポロンの兵士に殺されてしまい、最期にシモーネへ「治療法の手がかり」と、「見つけられなければラスムスを殺せ」という残酷な言葉を残します。
シーズン2ではラスムスの中のウイルスが強まり、怒りや悲しみに反応して周囲の人を殺してしまうようになります。
レアはシモーネを守るために命を落とし、ラスムスが愛したサラの死をきっかけに、ラスムスは制御不能な状態に陥ります。

シーズン3の結末

シーズン3では、ラスムスが死の直前のサラにウイルスを移していたことが判明し、サラは命をつなぎます。
ウイルスは感染者に雨への耐性を与えますが、最終的には宿主の命を奪うものでした。
ラスムスは「全人類を感染させれば人類は救われる」と考え、それに反対するシモーネと決裂します。

シモーネは逃亡中にウイルスを消す力を持つ花の存在を知りますが、花は枯れ、解毒剤は1本だけになってしまいます。
感染したマーティンは、暴走したウイルスからシモーネを守るために最後の解毒剤を飲み、ウイルスとともに命を落とします。
しかし、マーティンから放出されたウイルスが花を蘇らせ、「花がウイルスを養分にして解毒剤の実をつける」という仕組みが判明します。

最終決戦で、花の前でシモーネを殺そうとするラスムスを止めたのはサラでした。
2人は人類のために自らを花に捧げることを選び、花は世界中の雨を浄化できるだけの解毒剤を生み出します。
エピローグでは、フィーとパトリックの間に生まれた「終末後に初めて生まれた子ども」とともに、シモーネたちが新しい世界を歩み始めます。
小瓶に入った小さな花を見つめながら、シモーネがラスムスに感謝を伝える場面で物語は幕を閉じます。

考察:「守る」物語から「手放す」物語へ

シリーズ全体を通して見ると、本作は「弟を守る」という父の言いつけに縛られていたシモーネが、最終的にその役目から解放される物語だと読むことができます。
皮肉なことに、世界を救ったのはシモーネが守り続けた弟ではなく、自分の意思で犠牲を選んだラスムス自身でした。
姉に守られる存在だった弟が、最後に姉と世界を守る側に回るという構図は、シーズン1から張られていた「ラスムスがすべての鍵」という言葉の、もう一つの意味だったといえるでしょう。

また、ウイルスを糧にして解毒剤を生む花は、「自然を壊した人間が、自然によって救われる」という象徴にも見えます。
制作陣が気候変動への不安から着想を得たことを踏まえると、本作の結末は「人間が自然を支配する」のではなく、「自然の循環の中で人間が生き直す」ことを示した、ほろ苦い希望の物語だと考えられます。

海外の評価と反響

評価スコア(2026年11月時点)

  • Rotten Tomatoes(シーズン1):Tomatometer 82%
  • Rotten Tomatoes(シーズン3):Popcornmeter(観客スコア)は36%と報じられています
  • IMDb:6.3/10(約4万6,000件の評価)

Rotten Tomatoesのシーズン1の批評家総評は、「序盤はゆっくりだが、ディストピアドラマの仲間入りにふさわしいスリリングな作品へと成長していく」という趣旨のものです。
シーズン2・3はレビュー数が少なく、シーズン単位のTomatometerは確認できませんでした。
Metacriticの批評家スコア(Metascore)も確認できなかったため、記載を控えています。

受賞・ノミネート歴

  • 2019年 ロバート賞(デンマーク映画アカデミー賞):最優秀テレビシリーズ賞 ノミネート
  • 2019年 ロバート賞:テレビドラマ部門主演女優賞 ノミネート(アルバ・アウグスト)

いずれも受賞は、同年に多数の賞を獲得したデンマーク公共放送DRのドラマ『ハーレンス・ヴァイエ』(Herrens Veje)に譲る形となりました。
IMDbでは、合計4つのノミネートが記録されています。

批評家の評価のポイント

シーズン1は総じて好意的に受け止められました。
米コライダー(Collider)は、謎・アクション・一筋縄ではいかない登場人物の組み合わせを高く評価し、5点満点中4点をつけています。
一方、米インディワイヤー(IndieWire)は「C+」と辛めで、生き延びること以外に感情移入しにくい点を指摘しました。
ハリウッド・リポーター誌は、デンマークらしさは薄く、アメリカの若者向けケーブル局のドラマに近いと評しつつ、だからこそ世界中の視聴者に届きやすい作品だと分析しています。

シーズン2は評価が割れました。
米ディサイダー(Decider)は、最後の1話半までは動きが少なく退屈だとしながらも、シーズン3への引きは魅力的だと評しています。
雨そのものの脅威が薄れたことに不満を持つ視聴者の声も目立ちました。

シーズン3は、さらに賛否が分かれています。
英デン・オブ・ギーク(Den of Geek)は「良い点と悪い点が混在した送り出し」と表現し、パトリックとフィーの関係や作品のテーマへの誠実さを評価する一方、新キャラクターの扱いや、主要人物の一部が背景に追いやられた点、暗い結末を弱点として挙げました。
英カルチャード・ヴァルチャーズ(Cultured Vultures)は10点中3.5点と酷評した一方、レディ・ステディ・カット(Ready Steady Cut)は「ウイルスの謎より、登場人物がどこへたどり着くかに重点を置いた実りある結末」として5点中4点をつけています。

また、英語圏の視聴者からは英語吹替版のセリフ回しへの不満も多く、米ワッツ・オン・ネットフリックス(What’s on Netflix)は字幕での視聴を推奨していました。

世界での反響と、その後の影響

Netflixは、シーズン1がデンマーク本国だけでなく、アメリカ、イギリス、ブラジル、フランス、ドイツなどで広く視聴されたと発表しています。
シーズン3の配信前には、累計視聴者数が3,000万人を超えたと報じられ、非英語圏のNetflixオリジナルの中でも特に視聴された作品の一つになりました。
多くのNetflixオリジナル作品が完結しないまま打ち切られる中、本作は最終シーズンとして物語を締めくくれたことも、ファンから好意的に受け止められています。

シーズン3は、新型コロナウイルスの世界的流行のさなかである2020年8月に配信されました。
「ウイルスが世界を変えた後の数年間」を描いた本作は、現実と重なる形で見られることになり、その点を指摘する海外レビューも少なくありません。
ドイツのNetflix作品『ダーク』とともに、ヨーロッパ発の非英語SFドラマが世界で通用することを示した初期の成功例として、今でもしばしば言及される作品です。

よくある質問(FAQ)

Q. 『ザ・レイン』のシーズン4はありますか?

ありません。
Netflixは2019年6月にシーズン3の制作を発表した時点で、これが最終シーズンになると明言しており、物語はシーズン3で完結しています。

Q. 『ザ・レイン』はどこで見られますか?

2026年11月時点で、日本ではNetflixで全3シーズンが見放題配信されています。
DVDやBlu-rayは発売されていないため、視聴はNetflixに限られます。

Q. 日本語吹替版はありますか?

配信情報サイトJustWatchによると、日本のNetflixでの音声はデンマーク語・英語・ポルトガル語で、日本語は字幕のみの対応となっています(2026年11月時点)。
オリジナルのデンマーク語音声に日本語字幕で見るのがおすすめです。
最新の対応状況は、Netflixの作品ページでご確認ください。

Q. 全部で何話ありますか?一気見にはどのくらいかかりますか?

シーズン1が8話、シーズン2と3がそれぞれ6話の、全20話です。
1話あたり35〜48分ほどなので、全話でおよそ14〜15時間ほどで見終えられます。

Q. 原作はありますか?実話ですか?

原作はなく、ヤニク・タイ・モショルトらによるオリジナル脚本です。
実話ではありませんが、制作陣は気候変動のニュースや水不足の現実から着想を得たと語っています。

まとめ

『ザ・レイン』は、「雨に触れたら死ぬ」というシンプルで強烈な設定から始まり、姉弟の絆、仲間との対立、そして人類と自然の関係へとテーマを広げていった、Netflix初のデンマーク製オリジナルドラマです。
シーズン1の緊張感とテンポのよさは海外の批評家からも高く評価され、Rotten Tomatoesでは82%という好スコアを獲得しました。

一方で、シーズンが進むにつれてSF色が強まり、雨の恐怖から人間ドラマへと軸足が移ったことで、評価は賛否に分かれていきました。
それでも、物語をきちんと最終シーズンで完結させ、姉弟の物語に一つの答えを出した点は、多くのファンに支持されています。

全20話というコンパクトさも魅力で、終末ものやサバイバルドラマが好きな方、北欧の美しい風景を楽しみたい方、そして家族の絆を描いた物語に弱い方には、ぜひ一度見てほしい作品です。
雨の日にあえて一気見すると、窓の外の雨音がいつもとは違って聞こえるかもしれません。

関連商品

『ザ・レイン』はNetflixオリジナル作品のため、2026年11月時点でDVD・Blu-rayや原作本は確認できませんでした。
本作をきっかけにキャストに興味を持った方には、次の出演作がおすすめです。

  • 映画『リンドグレーン』(Becoming Astrid):アルバ・アウグストが若き日のアストリッド・リンドグレーンを演じた主演作
  • 映画『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』(A Royal Affair):ミケル・ボー・フォルスゴーが銀熊賞を受賞した出世作
  • 映画『特捜部Q 檻の中の女』(The Keeper of Lost Causes):フォルスゴーとトネセンがそろって出演した北欧ミステリー
  • 映画『フレンチアルプスで起きたこと』(Force Majeure):ステン役ヨハネス・バー・クンケの代表作

参考リスト

タイトルとURLをコピーしました