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【徹底解説】映画『E.T.』はなぜ世界中を涙させたのか?あらすじから結末、撮影秘話、キャストの魅力まで完全網羅で総まとめ

SF
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概要

1982年に公開され、世界中の映画ファンに愛され続けるスティーヴン・スピルバーグ監督の代表作にしてSFファンタジーの金字塔『E.T.』
本作は、地球に取り残されてしまった迷子の宇宙人と、孤独を抱える10歳の少年エリオットとの、種族を超えた純粋で心温まる友情を描いた感動作です。
当時、『ジョーズ』や『未知との遭遇』『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』などで既に大成功を収めていたスピルバーグ監督が、自身の両親の離婚という幼少期の個人的な体験をベースにして、非常にパーソナルな思いを込めて制作しました。
公開されるやいなや、世界中で社会現象を巻き起こすほどの空前の大ヒットを記録し、当時の映画史上最高となる興行収入を樹立しました。
第55回アカデミー賞では作品賞を含む9部門にノミネートされ、ジョン・ウィリアムズによる忘れがたい名曲が評価されて作曲賞を受賞するなど、計4部門で見事オスカーに輝いています。
暗闇に光る指先や、空飛ぶ自転車を背景にした満月のシルエットなど、映画史に永遠に刻まれるアイコニックな名シーンの数々は、今なお多くの人々の脳裏に焼き付いて離れません。
本記事では、公開から40年以上が経過した現在でも全く色褪せることなく、世代を超えて語り継がれている本作の計り知れない魅力を、あらすじや時代背景、撮影現場の裏話からキャスト陣のその後に至るまで、多角的な視点から限界まで深掘りしていきます。
初めて鑑賞する予定の方はもちろんのこと、子供の頃に何度もビデオで観たという往年のファンにとっても、作品の解像度が上がり、新たな感動を発見できるはずです。

予告編

詳細(徹底解説)

あらすじと世界観

物語の舞台は、アメリカ・カリフォルニア州の静かな郊外の住宅街です。
ある夜、植物採集のために地球を訪れていた宇宙船が、人間たちの気配に驚いて急発進し、一人の小さな宇宙人を地上に取り残したまま宇宙の彼方へと飛び去ってしまいます。
その頃、両親の離婚によって心に寂しさを抱えていた10歳の少年エリオットは、自宅の裏庭の物置に隠れていたその見知らぬ奇妙な生物を発見しました。
彼はその宇宙人を自室に匿い、「E.T.(Extra-Terrestrial=地球外生命体)」と名付けて、ピーナッツバター味のキャンディ(リース・ピーシーズ)を与えながら距離を縮めていきます。
やがて、兄のマイケルや幼い妹のガーティもE.T.の存在を知ることになり、子供たちだけの秘密の共同生活が始まりました。
E.T.は驚異的な治癒能力や、物体を浮遊させるテレキネシスといった不思議な力を持ち、エリオットと精神的・肉体的な感覚を共有する(シンクロする)という強固な絆で結ばれていきます。
しかし、故郷の星から遠く離れた地球の環境はE.T.の生命力を徐々に奪っていき、さらに謎の政府機関の大人たちが彼を捕獲しようと容赦なく迫ってくるのでした。
本作の世界観は、大人たちの顔を意図的に画面から排除し、徹底して「子供の目線(ローアングル)」で世界を捉えている点が最大の特徴です。

シーズン/章ごとの展開

本作は単発の長編映画ですが、物語は大きく「未知との遭遇と秘密の共有」「精神的なリンクと故郷への通信」「死の淵からの生還と感動の別れ」という3つのフェーズで美しく構成されています。
序盤は、未知の生物に対する恐怖から始まり、やがて言葉を持たない二人が身振り手振りで心を通わせていく純粋なプロセスがユーモラスに描かれます。
中盤では、E.T.が手作りした通信機を使って「E.T. phone home(E.T. うちへ 電話する)」と故郷の仲間へメッセージを送ろうと奮闘する姿や、ハロウィンの夜の冒険がワクワクするようなトーンで展開されます。
しかし終盤に入るとトーンは一転し、E.T.とエリオットが共に衰弱して死の淵を彷徨うという、非常に重く悲痛な医療サスペンスのような展開を迎えます。
そして奇跡的な復活を遂げた後のクライマックスでは、大人たちの追跡を振り切って森へと向かう自転車の逃走劇が、ジョン・ウィリアムズの壮大なオーケストラに乗せてカタルシス満載に描かれます。
恐怖、笑い、絶望、そして歓喜と別れという感情のジェットコースターが完璧なペース配分で織り込まれている点が、本作が映画の教科書と称賛されるゆえんです。

特筆すべき見どころ

本作を不朽の名作たらしめている最大の要因は、カルロ・ランバルディによってデザインされたE.T.の絶妙なクリーチャー造形と、感情表現の豊かさです。
当初はグロテスクにも見えるしわくちゃの顔ですが、アインシュタインや詩人のカール・サンドバーグ、さらにはパグ犬の顔をモデルにして作られたその瞳には、深い知性と優しさが宿っており、観る者はいつの間にか彼を愛おしく感じてしまいます。
また、特筆すべきはスティーヴン・スピルバーグ監督による「光」と「影」の巧みな演出です。
懐中電灯の光が交差する夜の森の不気味さや、夕日をバックに空を飛ぶ自転車の美しさなど、視覚的なコントラストが物語の感情を大いに引き立てています。
さらに、ジョン・ウィリアムズによる映画音楽は、単なる伴奏の枠を超えて物語の「もう一人の語り部」として機能しています。
クライマックスの別れのシーンでは、映像に合わせて音楽をつけるのではなく、ウィリアムズの指揮するオーケストラの演奏に合わせて映像を再編集するという、異例の措置が取られたほどです。

制作秘話・トリビア

本作の制作秘話として有名なのは、主人公エリオット役のオーディションにおけるヘンリー・トーマスの伝説的なエピソードです。
彼はオーディションで「愛犬が死んでしまった時の悲しみ」を思い浮かべながら即興演技を行い、本物の涙をボロボロとこぼし、それを見たスピルバーグ監督がその場で「君に決まりだ!」と即決したという逸話が残されています。
また、E.T.の特徴的なしわがれ声は、サウンドデザイナーのベン・バートが偶然見つけたパット・ウェルシュという一般の主婦の声をベースに、アライグマやラッコ、馬の息づかいなど様々な音をミックスして作られました。
さらに、劇中でエリオットの母親がE.T.に気づかず冷蔵庫を開けるシーンなど、当初はハリソン・フォードが学校の校長先生役でカメオ出演していましたが、物語のリズムを崩すという理由で惜しくも全カットされたという裏話もファンの間では有名です。

キャストとキャラクター紹介

  • エリオット:ヘンリー・トーマス/浪川大輔など
    両親の離婚により心に深い孤独感を抱える、空想好きな10歳の心優しい少年です。
    E.T.と出会ったことで、彼を守るという強い責任感に目覚め、大人たちの無理解や社会のルールに立ち向かっていく勇気を獲得していきます。
    彼とE.T.の間に結ばれた言葉を超えたテレパシーのような深い繋がりは、映画史に残る最も美しい友情の形として描かれています。
  • ガーティ:ドリュー・バリモア/松本梨香など
    エリオットの幼い妹であり、おませで好奇心旺盛、そして少し生意気な可愛らしい女の子です。
    最初はE.T.を見て悲鳴を上げますが、やがて彼に言葉(英語)を教え、女装させて遊ぶなど、最も無邪気に異星人との交流を楽しみます。
    彼女の自然体で愛くるしい名演技は、本作に明るいユーモアと温かさをもたらす重要なスパイスとなりました。
  • マイケル:ロバート・マクノートン/鳥海勝美など
    エリオットの兄であり、最初は弟の言うことを信じずからかってばかりいる典型的な思春期の少年です。
    しかし、実際にE.T.の姿を目の当たりにしてからは、弟の良き理解者となり、大人たちの追跡から逃れるために自ら車を運転して大活躍を見せます。
    父親不在の家庭において、彼が次第に頼もしい長男としての自覚を持っていく成長のドラマも見逃せません。
  • メアリー:ディー・ウォーレス/駒塚由紀など
    夫と別居し、女手一つで3人の子供を育てている愛情深い母親です。
    日々の生活や子供たちの世話に追われており、自室に宇宙人が隠れていることにも全く気付かないなど、当時のアメリカ社会におけるシングルマザーの現実的な忙しさと孤独を体現しています。
  • キーズ:ピーター・コヨーテ/安原義人など
    政府の科学者チームのリーダーであり、物語の序盤からE.T.の行方を執拗に追跡する不気味な大人の象徴として描かれます。
    しかし、終盤でエリオットと対話する際に、彼自身も子供の頃から宇宙人を待ち望んでいた純粋な夢想家であったことが明かされ、単なる悪役ではない深みのあるキャラクターであることが分かります。

キャストの代表作品と経歴

ヘンリー・トーマス

本作のエリオット役で世界中で天才子役として一世を風靡し、ゴールデングローブ賞新人男優賞にノミネートされるなど高い評価を獲得しました。
その後は一時的に学業を優先したものの、俳優業に復帰し、『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』や『ギャング・オブ・ニューヨーク』などの名作で確かな演技力を発揮し続けています。
近年では、マイク・フラナガン監督のホラー作品群(『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』など)における常連俳優としても知られています。

ドリュー・バリモア

名門俳優一家バリモア家の出身であり、本作のガーティ役で弱冠7歳にして世界的なスーパースターとなりました。
その後、若くして薬物やアルコールの問題に苦しみハリウッドの闇を経験しますが、見事に立ち直り、『チャーリーズ・エンジェル』や『50回目のファースト・キス』などでラブコメ女王として完全復活を遂げました。
現在では自身のトーク番組を持つ名司会者や、敏腕プロデューサーとしても多方面で大活躍しています。

スティーヴン・スピルバーグ(監督)

ハリウッド史上最も商業的に成功した、映画界を代表する生きる伝説的な映画監督です。
『ジョーズ』『ジュラシック・パーク』などのパニック大作から、『シンドラーのリスト』『プライベート・ライアン』といった重厚な歴史ドラマまで、あらゆるジャンルで最高傑作を生み出し、アカデミー賞監督賞を二度受賞しています。
本作『E.T.』は、彼自身のパーソナルな体験と映画作りへの純粋な愛が最も色濃く反映された、キャリアの中でも特別な位置を占める金字塔的フィルムです。

まとめ(社会的評価と影響)

映画『E.T.』は、1982年の公開から瞬く間に社会現象となり、あの『スター・ウォーズ』を抜いて当時の世界歴代興行収入第1位という歴史的な大記録を打ち立てました。
Rotten Tomatoesでも批評家スコア99%という圧倒的な高評価を現在も維持しており、「SFファンタジー映画の最高到達点」としての地位を不動のものとしています。
劇中で子供たちが魅せる純粋な信じる心と、未知の他者を思いやる普遍的な愛のメッセージは、国境や世代を超えて多くの人々の涙を誘い続けています。
また、2002年には公開20周年を記念して、最新のCG技術でE.T.の表情を修正し、警官が持っていた銃をトランシーバーに差し替えた「特別版」が公開されましたが、オリジナル版の歴史的価値を重んじるファンからの声を受け、現在では再び公開当時のオリジナル版が主流となっています。
「E.T. phone home」や指先を合わせるポーズなど、無数のパロディやオマージュを生み出した本作は、大衆文化に最も深い影響を与えた映画の一つであり、人類が宇宙を見上げる限り、永遠に語り継がれる奇跡のマスターピースです。

作品関連商品

本作の感動を自宅で高画質で体験できる『E.T. 40周年記念アニバーサリー・エディション 4K Ultra HD+ブルーレイ』は、スピルバーグ監督の貴重なインタビューや、ジョン・ウィリアムズの音楽制作の裏側に迫る長編メイキング映像が惜しみなく収録されたファン必携のアイテムです。
また、フィギュアメーカーのNECA社からは、40周年を記念して精巧に造形されたE.T.のアクションフィギュアや、エリオットが自転車のカゴにE.T.を乗せた名シーンを再現したスタチューが多数発売されており、コレクターから高い人気を集めています。
さらに、音楽ファンにとっては、劇中の全楽曲を完全収録し、未発表テイクも追加された『E.T. オリジナル・サウンドトラック(完全盤)』が、巨匠ジョン・ウィリアムズの魔法のようなオーケストレーションを存分に堪能できる名盤として強力に推薦できます。
余談ですが、1982年に発売され「世界で最も失敗したゲーム」という不名誉な伝説を持つAtari 2600版『E.T.』のロムカセットも、レトロゲームマニアの間ではある種の歴史的遺物として今なおカルト的な話題を提供し続けています。

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