YouTubeで見る「こちらブルームーン探偵社」!80年代ラブコメ探偵ドラマの傑作を徹底解説
「こちらブルームーン探偵社」の概要
『こちらブルームーン探偵社』(原題: Moonlighting)は、1980年代にアメリカで制作・放送され、世界的な大ヒットとなったロマンティック・コメディ/ミステリードラマシリーズです。
物語は、元トップモデルのマデリーン・”マディ”・ヘイズが、破産寸前に残った資産の一つである倒産しかけた探偵社「シティ・エンジェルス」を立て直そうとするところから始まります。
そこで所長を務めていた、お調子者で皮肉屋だが腕は立つ探偵デビッド・アディスンとコンビを組み、探偵社を「ブルームーン探偵社」として再出発させます。
正反対の性格の二人が、口喧嘩を繰り返しながらも様々な事件を解決していく過程と、二人の間に芽生えるロマンティックな緊張関係(Will-they-or-won’t-they?)を、軽快なテンポとウィットに富んだ会話で描いています。
スクリューボール・コメディの要素とミステリーを融合させた斬新なスタイルで人気を博しました。
「こちらブルームーン探偵社」ロマンティックなオープニングテーマ
(※グラミー賞受賞歌手アル・ジャロウが歌う、ブルージーでロマンティックなテーマソング)
作品詳細(放送時期・革新的な演出)
本作は、クリエイターのグレン・ゴードン・キャロンによって企画され、アメリカのABCネットワークで1985年3月3日から1989年5月14日まで、全5シーズン、合計66話が放送されました。
最大の特徴は、主演のシビル・シェパードとブルース・ウィリスによる、マシンガンのように繰り出されるテンポの良い、しばしば重なり合う остроумный (気の利いた)会話劇です。
このスタイルは、1930年代から40年代のハリウッド・スクリューボール・コメディを彷彿とさせました。
また、当時としては非常に実験的な演出が多用されたことでも知られています。
例えば、「第四の壁の破壊」(キャラクターが視聴者に直接話しかける)、エピソード全体を白黒のフィルム・ノワール風にしたり、シェイクスピア劇のパロディにしたり、クレイアニメーションを挿入したりするなど、毎回のように型破りな試みが行われました。
これらの革新的な要素は高く評価されましたが、一方で脚本の遅れや制作の困難さを招き、特に後半シーズンでは放送の遅延や主演二人の不仲説なども報じられました。
しかし、その独創性と主演コンビの魅力により、80年代を代表する人気ドラマの一つとなりました。
「こちらブルームーン探偵社」の主要キャスト
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マデリーン・”マディ”・ヘイズ (Madelyn “Maddie” Hayes)
演:シビル・シェパード (Cybill Shepherd)
元有名モデル。知的でプライドが高いが、根は真面目。デビッドのお調子者ぶりに振り回される。
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デビッド・アディスン (David Addison)
演:ブルース・ウィリス (Bruce Willis)
ブルームーン探偵社の実質的な探偵。皮肉屋で口達者、行動的だがどこか憎めない男。本作で一躍スターに。
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アグネス・ディペスト (Agnes DiPesto)
演:アリス・ビーズリー (Allyce Beasley)
ブルームーン探偵社の風変わりな受付嬢。いつも韻を踏んだ話し方をする。後に同僚のハーバートと恋仲に。
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ハーバート・ヴァイオラ (Herbert Viola)
演:カーティス・アームストロング (Curtis Armstrong) [シーズン3-5]
探偵社の臨時職員から正式メンバーになる青年。アグネスに想いを寄せる。
キャストの他の代表作品名
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シビル・シェパード:
- 『ラスト・ショー (The Last Picture Show)』(映画)
- 『タクシードライバー (Taxi Driver)』(映画)
- 『シビル (Cybill)』(自身の名を冠した主演テレビドラマ)
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ブルース・ウィリス:
- 『ダイ・ハード (Die Hard)』シリーズ(映画、ジョン・マクレーン役)
- 『パルプ・フィクション (Pulp Fiction)』(映画)
- 『シックス・センス (The Sixth Sense)』(映画)
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アリス・ビーズリー:
- 『リセス 〜ぼくらの休み時間〜 (Recess)』(アニメ、声の出演 – ミス・グロートキー役)
- 『キューティ・ブロンド/ハッピーMAX (Legally Blonde)』(映画)
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カーティス・アームストロング:
- 『ナーズの復讐 (Revenge of the Nerds)』シリーズ(映画、ブガー役)
- 『リスキー・ビジネス (Risky Business)』(映画)
- 『アメリカン・ダッド (American Dad!)』(アニメ、声の出演 – スノット役)
「こちらブルームーン探偵社」の社会的評価と影響(まとめ)
『こちらブルームーン探偵社』は、1980年代のテレビドラマ界に新風を吹き込んだ画期的な作品です。
主演のブルース・ウィリスを無名の俳優から世界的スターへと押し上げた出世作として知られています。
シビル・シェパードとの化学反応(ケミストリー)抜群の掛け合いは、本作の最大の魅力であり、多くの視聴者を虜にしました。
「第四の壁」を破るメタフィクション的な演出や、ジャンルを横断する実験的なエピソード構成は、当時のテレビドラマとしては非常に大胆であり、後の多くの作品に影響を与えました(例:『アリー my Love』など)。
エミー賞で主演男優賞(ブルース・ウィリス)、主演女優賞(シビル・シェパード)、脚本賞、監督賞など多数の賞を受賞・ノミネートされ、批評的にも高く評価されました。
その остроумный (気の利いた)会話とロマンティックな駆け引きは、今なお色褪せない魅力を放っています。
「こちらブルームーン探偵社」関連商品
あの軽妙なコンビに再び会う!
DVD / 配信
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『こちらブルームーン探偵社』の全シーズンを収録したコンプリートDVD-BOXが、海外版(リージョン1など)としてリリースされています。日本国内での正規版DVDの入手は困難な状況が続いていましたが、近年デジタル配信プラットフォームで視聴可能になる動きがあります。
サウンドトラック
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アル・ジャロウによるテーマ曲や、劇中で使用されたブルース・ウィリス自身が歌う曲などを収録したサウンドトラック盤がリリースされ、ヒットしました。
書籍
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番組のガイドブックや制作に関する書籍が、主に洋書で出版されています。