PR

【名作ミュージカル映画】『オリバー!』の評価は?あらすじから結末、キャストまで総まとめ!アカデミー賞作品賞に輝いた感動の軌跡

ミュージカル
この記事は約10分で読めます。

概要:映画『オリバー!』とは?

『オリバー!』(原題:Oliver!)は、1968年に公開されたイギリス・アメリカ合作のミュージカル映画です。
イギリスの文豪チャールズ・ディケンズが1838年に発表した不朽の名作小説『オリバー・ツイスト』を基に、ライオネル・バートが作詞・作曲・脚本を手掛けた同名の大ヒット舞台ミュージカルを映画化した作品となります。
メガホンを取ったのは、『第三の男』などのサスペンス映画やフィルム・ノワールの傑作で知られる巨匠キャロル・リード監督です。
シリアスな人間ドラマを得意とするリード監督が、自身初となる大規模なミュージカル映画に挑戦したことは当時大きな話題となりましたが、結果としてその采配は見事に的中しました。
19世紀のロンドンを舞台に、過酷な運命に翻弄されながらも純真な心を持ち続ける孤児オリバーの波乱万丈な冒険を、圧倒的なスケールのセットと躍動感あふれる群舞、そして誰もが口ずさみたくなるような名曲の数々で描き出しています。
公開されるや否や世界中で驚異的な大ヒットを記録し、第41回アカデミー賞においては、作品賞、監督賞、美術賞、音響賞、ミュージカル映画音楽賞の5部門を受賞、さらに振付師オンナ・ホワイトへの特別賞を加え、計6冠の栄誉に輝くという歴史的偉業を成し遂げました。
貧困や犯罪といったディケンズ原作の持つダークな社会問題を底流に持ちながらも、極上のエンターテインメントとして昇華された本作は、ミュージカル映画の黄金時代を締めくくるにふさわしい最高傑作として、現在もなお世界中の映画ファンから愛され続けています。
本記事では、この映画史に燦然と輝く名作『オリバー!』のあらすじや見どころ、豪華キャスト陣の魅力から驚きの制作裏話に至るまで、徹底的に深掘りして解説していきます。

予告編

詳細:『オリバー!』を徹底解説!

あらすじと世界観:救貧院からロンドンの裏社会へ

物語の幕開けは、19世紀のイギリスのどん底の生活を象徴する「救貧院(ワークハウス)」から始まります。
厳しい労働を強いられ、毎日お粥ばかりの粗末な食事に飢えていた孤児の少年たち。
その中の一人である9歳の少年オリバー・ツイストは、くじ引きで選ばれ、勇気を振り絞って大人たちに「もう少し、おかわりをください(Please, sir, I want some more.)」と懇願します。
しかし、この些細な反逆が問題視され、オリバーは問題児として葬儀屋に売り飛ばされてしまいます。
葬儀屋での過酷な扱いに耐えかねたオリバーはついに逃げ出し、長い道のりを歩いて大都会ロンドンへとたどり着きます。
そこで彼が出会ったのは、「アートフル・ドジャー(小粋なスリ)」と名乗る少年と、スリの少年たちを束ねる元締めである老泥棒フェイギンでした。
彼らの隠れ家に身を寄せたオリバーは、フェイギンから「スリの技術」という生きるための術を遊び感覚で教え込まれます。
初めての「仕事」に出たオリバーですが、ドジャーたちが紳士ブラウンロウ氏のポケットからハンカチをすり取った際、逃げ遅れてしまい無実の罪で逮捕されてしまいます。
しかし、目撃者の証言によって疑いが晴れ、オリバーの純真さに心打たれた裕福なブラウンロウ氏に引き取られることになります。
美しい屋敷で初めての温かい愛情と清潔な暮らしを知るオリバーでしたが、彼が警察に裏社会の内情を話すことを恐れた凶悪な強盗ビル・サイクスと、その情婦であるナンシーによって再び貧民窟へと誘拐されてしまうのです。
本作の世界観は、光と影の強烈なコントラストによって構築されています。
ブラウンロウ氏が住むブルームズベリーの明るく洗練された上流階級の世界と、フェイギンたちが潜むロンドンの薄暗く猥雑な裏社会の対比が、19世紀イギリスの強烈な階級社会と貧困問題を見事に浮き彫りにしています。

特筆すべき見どころ:圧倒的な群舞と忘れられない名曲たち

本作の最大の見どころは、画面の隅々まで計算し尽くされた美術セットと、そこに息づく何百人ものエキストラによる圧倒的なミュージカル・ナンバーです。
プロダクション・デザイナーのジョン・ボックスが手掛けた巨大なロンドンのセットは、当時の生活感や泥臭さをリアルに再現しながらも、ミュージカル特有のファンタジックな美しさを兼ね備えています。
特に、ドジャーがオリバーをロンドンの街に歓迎するナンバー「Consider Yourself(自分家だと思えよ)」のシークエンスは圧巻の一言です。
市場の商人や肉屋、煙突掃除の少年たちなど、街中の人々が次々と参加して繰り広げられる大規模な群舞は、振付師オンナ・ホワイトの手腕が光る映画史に残る名シーンとして語り継がれています。
また、ライオネル・バートによる楽曲の素晴らしさも本作を語る上で欠かせません。
オープニングの救貧院で少年たちが食べ物の妄想を歌う「Food, Glorious Food(素晴らしい食事)」から、フェイギンが宝物を隠しながら歌うコミカルな「Reviewing the Situation(状況を考えてみよう)」まで、一度聴いたら忘れられないキャッチーなメロディに溢れています。
そして、悲惨な境遇にありながらも凶悪な恋人サイクスを愛し続けるナンシーが歌い上げるバラード「As Long As He Needs Me(彼が私を必要とする限り)」は、物語の深い悲哀と女性の哀しい愛情を見事に表現し、観る者の涙を誘います。
楽しいミュージカルの要素と、身の毛もよだつようなサイクスの暴力性というスリラー要素を、違和感なく一つの作品にまとめ上げたキャロル・リード監督の卓越した演出力こそが、本作を単なる子供向けの映画からアカデミー賞作品賞へと押し上げた最大の要因と言えるでしょう。

制作秘話・トリビア:キャスティングの裏側と「歌声」の秘密

主人公のオリバーを演じたマーク・レスターの愛らしく純真な天使のような歌声は、多くの観客を魅了しました。
しかし、実はマーク・レスター自身は極度の音痴であったため、劇中のオリバーの歌声は全て吹き替えられています。
吹き替えを担当したのは、なんと本作の音楽編曲を務めたジョニー・グリーンの娘である、キャシー・グリーンという当時20代の女性でした。
彼女の声を少年らしく加工して使用したという事実は、公開から長年経った後に明かされ、多くのファンを驚かせました。
また、凶悪な悪役ビル・サイクスを演じたオリヴァー・リードは、実はキャロル・リード監督の甥にあたります。
当初、監督は「身内を起用した」と批判されることを恐れて彼をキャスティングすることをためらっていましたが、彼の圧倒的な存在感と内に秘めた暴力的なオーラを見た製作陣の強い後押しにより起用が決定しました。
結果として、オリヴァー・リードは歌を一切歌わないというミュージカル映画において異例の悪役を演じ切り、その圧倒的な恐怖感で作品全体に強烈な緊張感をもたらす大成功を収めました。
さらに、フェイギン役のロン・ムーディは、ロンドンの舞台版でも同役を演じていたオリジナル・キャストです。
映画化にあたってピーター・セラーズやディック・ヴァン・ダイクといった大スターの名前も候補に挙がっていましたが、ムーディのコミカルでありながらどこか哀愁漂う絶妙な演技は代えがたく、そのまま映画でも起用されることになりました。

キャストとキャラクター紹介

オリバー・ツイスト:マーク・レスター

本作の主人公であり、救貧院で育った天涯孤独の孤児です。
過酷な運命に次々と見舞われ、大人たちの欲望や犯罪に巻き込まれていきますが、決して擦れることなく、持って生まれた純真さと道徳心を失いません。
マーク・レスターの透き通るような美しい金髪と大きな瞳は、「穢れなき無垢」を体現しており、観客が彼を守りたいと自然に思えるような圧倒的な庇護欲を掻き立てます。

フェイギン:ロン・ムーディ

ロンドンのスラム街で身寄りのない少年たちを集め、スリの手口を教えて搾取している老齢の元締めです。
一見すると強欲で非道な悪党ですが、子供たちに対しては彼なりの奇妙な愛情を持っており、どこか憎めないユーモラスな魅力を持ったキャラクターとして描かれています。
ロン・ムーディの身体の隅々までコントロールされたコミカルな動きと豊かな表情は、本作のコメディリリーフとして絶大な存在感を放っています。

ナンシー:シャニー・ウォリス

フェイギンの元で育った元スリであり、現在は凶悪な強盗ビル・サイクスの情婦として生きる心優しい女性です。
酒場で明るく歌い踊る快活な性格ですが、裏社会から抜け出せない自身の運命に深い諦観を抱いています。
オリバーの純粋さに触れたことで母性本能を呼び覚まされ、命の危険を冒してでも彼を救い出そうと決意する彼女の行動が、物語のクライマックスを劇的に動かしていきます。

ビル・サイクス:オリヴァー・リード

ロンドンの裏社会でも恐れられる、冷酷無比で暴力的な強盗です。
愛犬のブルズアイだけを連れて歩き、フェイギンですら彼を前にすると震え上がるほどの威圧感を持っています。
ミュージカル映画でありながら一切歌わないという設定が、彼が周囲の陽気な世界から完全に逸脱した異質な「絶対悪」であることを強調しており、オリヴァー・リードの凄みのある演技が光ります。

アートフル・ドジャー(ジャック・ドーキンス):ジャック・ワイルド

フェイギンの手下の中で最も優秀なスリの少年であり、大人びたシルクハットとコートを着こなす小粋なキャラクターです。
ロンドンにやってきたオリバーを助け、スリの仲間に引き入れる案内役を務めます。
軽快なステップと生意気ながらも愛嬌のあるジャック・ワイルドの演技は高く評価され、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされるという快挙を成し遂げました。

キャストの代表作品と経歴

主人公オリバーを演じたマーク・レスターは、本作の大成功により世界で最も有名な子役スターの一人となりました。
その後も1971年の映画『小さな恋のメロディ』で主演を務め、特に日本において社会現象となるほどの熱狂的な人気を博しました。
しかし、成長と共に俳優業から遠ざかり、19歳で引退した後は整骨医(オステオパス)として新たな人生を歩んでいます。
フェイギン役のロン・ムーディは、イギリスの演劇界で長く活躍し、本作でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞では見事に主演男優賞を受賞しました。
その後も数多くの映画やテレビドラマに出演し、イギリスを代表する名優として尊敬を集めました。
ビル・サイクスを演じたオリヴァー・リードは、イギリス映画界きっての「野性派・肉体派俳優」であり、同時に酒にまつわる数々の豪快な伝説を残したことでも知られています。
ケン・ラッセル監督の『恋する女たち』や『肉体の悪魔』などで強烈な印象を残し、晩年はリドリー・スコット監督の『グラディエーター』に出演中、撮影地で急死したことでも世界中に衝撃を与えました。
ドジャー役のジャック・ワイルドは、本作の演技で一躍子役スターの仲間入りを果たし、アメリカのテレビドラマ『怪獣島の大冒険(H.R. Pufnstuf)』などで人気を博しました。
しかし、後年は深刻なアルコール依存症に苦しみ、口腔がんにより53歳という若さで惜しまれつつこの世を去りました。

まとめ:社会的評価と後世への影響

映画『オリバー!』は、ミュージカル映画というジャンルが徐々に衰退していく1960年代後半において、その最後を華麗に飾った記念碑的な大作です。
アメリカの映画批評サイトRotten Tomatoesでは、現在でも批評家スコア90%、観客スコア82%という極めて高い評価を維持しています。
英国映画協会(BFI)が選定した「イギリス映画ベスト100」にも選出されており、イギリスが世界に誇る映画遺産として確固たる地位を築いています。
チャールズ・ディケンズの描いた過酷な貧困社会という重いテーマを、極上の音楽と踊りで包み込み、最後には一筋の希望の光を見せるという構成は、エンターテインメントの真髄と言えます。
公開から半世紀以上が経過した現在でも、世界中の学校や劇団で本作の楽曲が歌い継がれており、その普遍的な魅力は全く色褪せることがありません。
映像の迫力、音楽の美しさ、そして役者たちの魂のこもった演技が三位一体となった本作は、ミュージカル映画を愛する全ての人、そして映画ファンなら必ず一度は体験しておくべき歴史的傑作です。

作品関連商品

『オリバー!』の感動の世界をさらに深く味わうために、以下の関連商品もぜひチェックしてみてください。

1. 高画質リマスター版 Blu-ray / 4K UHD ソフト
アカデミー賞美術賞を受賞した巨大なセットのディテールや、鮮やかな衣装の色合いを楽しむなら、最新の高画質リマスター版ソフトが断然おすすめです。
大規模な群舞の躍動感や、当時のロンドンの空気感をクリアな映像と迫力の音響で自宅に再現することができます。
メイキング映像やキャストのインタビューが収録されたバージョンもあり、映画の裏側を知ることでより深く作品に没入できます。

2. オリジナル・サウンドトラック(作詞・作曲:ライオネル・バート)
「Consider Yourself」や「Food, Glorious Food」など、映画史に残る名曲を網羅したサウンドトラックは、聴くだけで映画の名シーンが目の前に蘇る最高のアイテムです。
キャシー・グリーンによって吹き替えられた、マーク・レスター演じるオリバーの透き通るような天使の歌声や、オーケストラによる壮大なアレンジを、高音質でじっくりと堪能することができます。

3. 原作小説:チャールズ・ディケンズ『オリバー・ツイスト』
映画のベースとなった文豪ディケンズの長編小説(新潮文庫などから出版)は、映画版ではカットされたエピソードや、より深く詳細な心理描写が描かれています。
ミュージカル映画としてのエンタメ性が強調された本作と、19世紀イギリスの過酷な現実を鋭く風刺した原作小説を読み比べることで、『オリバー!』という作品の持つ社会的な意義や奥深さを再発見することができるでしょう。

タイトルとURLをコピーしました