『セイント 天国野郎』（The Saint）は、１９６０年代にイギリスで制作されたTVドラマです。
弱きを助け強きをくじく、神出鬼没の怪盗セイントの活躍の物語です。
主人公の名前サイモン・テンプラーと、頭の上に天使の輪が出るのが印象的でした。
全6シーズン118話制作されました。
はじめに
1962年に放映されたTVシリーズ『セイント 天国野郎』（The Saint）は、英国の大富豪でアマチュア探偵のサイモン・テンプラーを主人公に、困っている人を助けるために動き出すという物語です。
レスリー・チャーテリスの原作を基にした『セイント 天国野郎』は、そのエピソード構成とテンプラーのキャラクター描写で、1960年代に絶大な人気を博した。
このシリーズは、2017年のリブートを含め、何度も映像化され、豊かな歴史を持っています。
また、『セイント 天国野郎』は、特に60年代の大衆文化に影響を与えた代表的なテレビドラマとしての意義も持っています。
ハイテンションなアクション、スリリングなプロット、テンプラーの個性的なスタイルで、『セイント 天国野郎』はジェームズ・ボンドをはじめとする他のスパイドラマの先例となりました。
しかし、『セイント 天国野郎』を特別なものにしたのは、ロジャー・ムーアが演じたサイモン・テンプラーであり、このドラマはファンの心に残る衝撃を与えました。
『セイント 天国野郎』の概要
1960年代初頭に放映されたテレビシリーズ『セイント 天国野郎』は、犯罪者や悪徳実業家から金を盗み、恵まれない人々を助ける現代のロビン・フッド、サイモン・テンプラーの人生を描いています。
このシリーズは当時画期的なもので、今日でもヒット作とされています。
サイモン・テンプラー – 彼は何者か？
サイモン・テンプラーはこのシリーズの主人公で、魅力的で聡明、そして粋な泥棒で、別名『セイント 天国野郎』とも呼ばれています。
彼はその魅力と機知を駆使して、犯罪者や腐敗した人々を倒していきます。
ロジャー・ムーアによるサイモン・テンプラーのキャラクター描写 –
セイントはロジャー・ムーアによって命を吹き込まれ、6シーズンにわたってその役を演じました。
ムーアが演じたサイモン・テンプラーは難なくカリスマ性を発揮し、このキャラクターの象徴的な地位を確立するのに貢献しました。
サイモン・テンプラーの象徴的な車と服装 –
粋な着こなしで知られるサイモン・テンプラーは、白いボルボP1800スポーツカーを好んで乗っていました。
この車はテレビ史上最も象徴的な車の一つでした。
彼の象徴的な服装は、グレーのスーツに黒のネクタイに黒と白のスティックマンシンボルです。
シリーズのエピソード構成 –
各エピソードでは、サイモン・テンプラーの新しい冒険が描かれました。
ストーリーはエピソードごとに異なりますが、番組全体のテーマは変わりません。
テンプラーは悪人を懲らしめながら、罪のない人々を助けるのです。
『セイント 天国野郎』シリーズは、象徴的なボルボP1800の登場や、現代のスパイ映画や強盗映画で使われるさまざまなガジェットのインスピレーションとなるなど、さまざまな意味で流行の先端を行く作品となりました。
登場人物のスタイルや個性は、今もファッションに影響を与え続けています。
今日でも、『セイント 天国野郎』はその魅力、ウィット、そしてスリリングな冒険で人々の記憶に残っています。
『セイント 天国野郎』が文化に与えた影響
1960年代半ばに放映された『セイント 天国野郎』は、イギリス国内だけでなく海外でも広く親しまれました。
主人公サイモン・テンプラーの洒落たスタイルが男性服の人気スタイルになるなど、当時のファッションに大きな影響を与えました。
アクションとサスペンス、そしてカリスマ的な主人公を組み合わせた『セイント 天国野郎』は、スパイというジャンルに永続的な影響を与えました。
このシリーズは、ジェームズ・ボンドなど他の象徴的なスパイキャラクターの先駆けであり、映画におけるボンドの描写に影響を与えたほどです。
『セイント 天国野郎』は、アクション、スリル、ユーモアを織り交ぜた、誰もが楽しめる作品として登場しました。
視聴率でもファンの支持でも大成功を収めました。
番組の人気は、コミックブック、小説、ボードゲームなど、多くの商品を生み出しました。
また、『セイント 天国野郎』はボードゲームから朝食用シリアルまで、あらゆるものに登場し、クロスオーバーな魅力を放ちました。
この1960年代のアイコンは、今日でも観客を魅了する力を持っています。
この番組の影響は、この年代だけにとどまりません。
その影響は、現代の映画やテレビ番組でも見ることができます。
今もなお、新たなコンテンツクリエイターにインスピレーションを与え続けているのです。
スパイというジャンルのファン、ファッションのファン、そしてただ単に優れたテレビ番組のファンなら、『セイント 天国野郎』は必見です。
ロジャー・ムーア、『セイント 天国野郎』への貢献
ロジャー・ムーアがサイモン・テンプラーを演じなければ、『セイント 天国野郎』は不完全なものになったでしょう。
ムーアの魅力と上品な性格は、このキャラクターを完璧に体現し、忘れられない存在となりました。
6シーズンにわたってテンプラーを演じた後、ムーアはジェームズ・ボンドに転向し、俳優としての可能性を示すとともに、ポップカルチャーのアイコンとしての地位を確立しました。
ムーアのジェームズ・ボンドとしての人気は、『セイント 天国野郎』のファンの支持にも大きな影響を与えました。
ボンド役のムーアが好きなファンは『セイント 天国野郎』を見るようになり、番組の人気はさらに高まりました。
ロジャー・ムーアが演じたサイモン・テンプラーは、この後何年にもわたってこのキャラクターを表現する基準となったの です。
『セイント 天国野郎』の舞台裏
『セイント 天国野郎』の舞台裏は、番組そのものと同じくらい魅力的です。
この番組は主にイギリスで撮影されましたが、フランス、イタリア、ポルトガルなど、さまざまな国でも撮影が行われたそうです。
撮影中、スタッフはエピソードに適した場所を見つけたり、限られた予算に対応したりと、さまざまな困難に直面した。
興味深いことに、サイモン・テンプラーが乗っていた象徴的な車、白いボルボP1800は、番組のプロデューサーが唯一無料で手に入れることができた車でした。
どのエピソードでも、この車は酷使されましたが、クルーは次の撮影のためにコンディションを維持しました。
ロジャー・ムーアの髪飾りは、撮影中にスタッフが直面した最も有名な難題の一つでした。
サイモン・テンプラーを演じたムーアは、番組中ずっと髪飾りをつけていましたが、アクションシーンの撮影中にしばしば外れてしまい、スタッフは中断して修理することを余儀なくされました。
以上、舞台裏から、この象徴的なテレビドラマを作るために費やされた努力と献身を垣間見ることができました。
『セイント 天国野郎』のリブートと映画化
The Saint』のオリジナルシリーズはヒットしたものの、その映画化作品についてはそうは言えません。
TVアニメ化も映画のリブートも、視聴者の期待に応えることはできませんでした。
オリジナルと新番組の比較は避けられませんが、後者に勝ち目はなかったと言ってよいでしょう。
『セイント 天国野郎』の人気は映画化には反映されず、控えめに言っても、その評判は生ぬるいものでした。
ロジャー・ムーアが演じたサイモン・テンプラーの魅力に匹敵するものはないことは明らかです。
おわりに
『セイント 天国野郎』は、そのユニークなエピソード構成、ロジャー・ムーアによるサイモン・テンプラーの描写、そして大衆文化への影響により、象徴的なテレビドラマとなりました。
その永続的な影響は、ファッションやスパイというジャンルに影響を与えたこと、そしてこのシリーズの映画化に対する継続的な関心に現れています。
『セイント 天国野郎』は永遠に愛される文化現象であり続けるでしょう。
